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イタリア・ヨーロッパアルプスへ。クライミングトリップの準備|筆とまなざし#292

一本のルートをきっかけに。オルコ渓谷を目指して。

出発の日にちが近づいてきました。今月29日からおよそ1ヶ月間、イタリアへクライミングトリップに行ってきます。行き先はトリノの北西、グランパラディーゾ国立公園にあるオルコ渓谷。もう少し北西に行けばモンブランのイタリア側の玄関口クールマイユールという、アルプスの一角にある岩場です。

ヨーロッパでのクライミングといえば、石灰岩の岩場がよく知られています。古くから登られているところではドロミテが有名だし、カランクなど南仏の岩場も石灰岩。世界初の5.15aルートがあるセユーズや新しい高難度ルートがひしめくスペインの岩場も石灰岩。ドロミテには渋いナチュラルプロテクション主体のルートもありますが、多くはボルトによるスポートルートです。

けれどもオルコは花崗岩の岩場です。モンブラン周辺には花崗岩の針峰群が林立しており、その花崗岩地帯は意外と広い。北西イタリアには(おそらくフランス側も)クラックの発達した花崗岩のクライミングエリアが点在しているのです。なかでもオルコはヨーロッパでいちばんのクラックエリアと称され、トラッドルートはもちろん、ボルダーからスポートルート、マルチピッチに至るまで、さまざまなルートがあるといいます。海外の花崗岩エリアといえばヨセミテやカナダのスコーミッシュがよく知られていますが、じつはヨーロッパにも花崗岩の一大エリアがあるのです。

日本ではほとんど知られていないオルコ渓谷。この岩場のことを知ったのは、一本のルートがきっかけでした。それは「Green Spit(5.14a)」というルーフクラックです。このルートは2003年にスイス人クライマー、ディディエ・ベルトーによって初登されました。元々、緑色のハンガーボルトが設置されていたのですが、ディディエはそのハンガーを引っこ抜いてトライ。リムーバブルプロテクションで登りっきたのでした。全長約12mと短いものの強烈な傾斜が印象的。ディディエの初登動画を見ると、そのクラックはまるで空へと続き、彼はあたかも翼を広げた鳥のように見えました。

いつのころからか、ディディエの残像が脳裏から離れなくなっていました。とりあえず、行ってみよう。オルコに滞在し、クライミングし、絵を描く。それだけでも、自分を楽しませてくれるには十二分なはず。出発まであと少し。旅の資金を貯めながら、準備とトレーニングに勤しむ毎日をすごしています。

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

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