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山へ行かない日はゆっくりと、目と心を肥やそう|筆とまなざし#338

夏のあいだに訪れたいと思っていた展覧会へ。

登山口近くの道の駅で車中泊して早朝に目を覚ますと、なんだかその日から予定していた山行に気が乗らなくなっていた。それはスケッチブックを持っていくのに毎日夕立予報だったことのほかに、妙な夢にうなされて目覚めたからだった。昨日立ち寄ったクライミングジムの疲れなのか、蒸し暑くて寝苦しかったのか。夢にうなされてぐったりと目覚めたのはひさしぶりのことだった。コンビニのサンドイッチを齧りながらぼんやり考え、沢度ではなく安曇野へと車を走らせた。

夏のあいだに訪れたい展覧会がふたつあった。ひとつは、安曇郡池田町の北アルプス展望美術館で行われている「日本山岳画協会 北アルプス展望美術館展~山に魅せられた画家達~」。もうひとつは安曇野山岳美術館で行われている「足立源一郎デッサン展」「アルプの仲間展」である。

日本山岳画協会は1936年に創設され今年で87年を迎える。日本でもっとも由緒ある山岳絵画の会である。日本山岳会に所属していた画家によって創設されたのだが、そのメンバーは足立源一郎、中村清太郎、丸山晩霞、吉田博など錚々たる顔ぶれであり、顧問には日本山岳会初代会長の小島烏水、ロッククライミングを日本に広めた藤木九三がいた。数年前に亡くなった熊谷榧さんも長年所属、現在は武井清さんや杉山修さんらが中心となっている。

自分なんかには恐れ多くてなかなかお近づきになれなかったのだけれど、先日、有楽町で行なわれていた日本山岳画会の創立87周年展を訪れた際、杉山さんや武井さんにお会いする機会に恵まれた。そのときにも展示されていた大作に圧倒されたのだが、「北アルプス展望美術館にはもっと大きな絵を飾っているから」と教えていただいたのである。

北アルプス展望美術館はその名の如く、真正面に北アルプスを見渡せる山の斜面にあった。会館まで少し時間があったので、美術館に向かう坂の途中ですでにもくもくと夏雲の湧き始めている北アルプスをスケッチした。山に登らずに麓から絵を描くのもどうかと思いつつ、今日はゆっくりと目と心を肥やしなさいということなのだろうと思うことにした。

杉山さんに聞いたとおり、展示作品には100号を超える大作が数多く展示されていた。大きな絵はそれだけで存在感がある。なかでも武井さんの『剱岳朝陽』や杉山さんの5点連作木版画『穂高大観(Ⅰ〜Ⅴ)』、柴野邦彦さんの100号のアクリル画『稜線に出た』などが印象的だった。

スケッチや小品ではなく大作を制作する過程において、なにを考えどのような経験を経て作品として昇華させているのだろう。きっとそれは大作だからこそ必要になるプロセスなのであり、そのプロセスのなかになにか大切なものが含まれているのではないか……。そんな思いに駆られながら展望美術館をあとにした。そして木陰で少し休んでから安曇野山岳美術館へと向かった。

なお、『日本山岳画協会 北アルプス展望美術館展~山に魅せられた画家達~』は8月27日(日)まで行なわれている。登山前、下山後にぜひ!

https://www.navam-ikd.jp

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

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