
進化した軽量スリーピングマット、ニーモ「テンサー エリート」登場

PEAKS 編集部
- 2025年02月25日
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軽量ギアの進化が、登山者やハイカーの行動範囲を広げ続けています。しかし、軽量化と快適な睡眠の両立は、依然として大きな課題。ニーモの新製品「テンサ エリート」は、独自のトラス構造と最新素材の採用により、その課題に新たな解決策を提示します。レギュラーサイズでわずか240gという軽さでありながら、3シーズン対応のR値2.4を実現。軽量化と快適性を追求する登山者・ハイカーの期待に応える、次世代スリーピングマットが誕生しました。
文◉PEAKS編集部
ニーモ(NEMO)とは
アウトドアギアブランド「ニーモ」は、2002年にMIT(マサチューセッツ工科大学)の学生だったCam Brensinger(カム・ブレンシンガー)によって設立されました。航空宇宙工学の知識を活かし、革新的なテント設計からスタートしたニーモは、現在ではスリーピングバッグやマットなど、高機能なキャンプギアを展開しています。とくに軽量化と快適性の両立において、多くの登山者やハイカーから支持を得ています。
スリーピングマットの断熱性能を表す指標「R値」とは?
スリーピングマットを選ぶ際に重要な指標となるR値(R-Value)は、マットの断熱性能を示す国際的な基準です。値が大きいほど断熱性が高く、地面からの冷気を遮断する効果が高いことを意味します。
一般的な目安として:
– R値 1.0~2.0:夏季用
– R値 2.0~4.0:3シーズン用
– R値 4.0以上:冬季用
テンサーエリートのR値2.4は、3シーズン用マットとして十分な性能をもちながら、同クラスの製品と比較して20〜30%の軽量化を実現しています。
素材と耐久性
カスタムメイドの10Dコーデュラナイロンの採用により、従来の超軽量マットで使用される20Dや30Dの生地と比較して、強度を維持しながら大幅な軽量化を実現。さらに、一般的な複数層構造と異なり、1枚のサーマルミラー断熱フィルムを採用することで、層間の剥離リスクを低減しています。
これらによりレギュラーサイズでわずか240gという軽量性を実現。これは、3シーズン用マットとしては画期的な軽さです。
最新テクノロジーの採用
特別開発された10Dコーデュラナイロンと1枚のサーマルミラー断熱フィルムの組み合わせにより、最小限の素材で最大限の性能を引き出すことに成功。
また、建築工学から着想を得たトラス構造を採用。トラス構造とは、三角形を基本とした骨組み構造で、建築物や橋梁でも使用される強度と安定性に優れた設計です。このトラス構造をマットの内部に応用することで:
– 体重が分散され、局所的な沈み込みを防止
– マットの横方向への膨らみを抑制し、安定した寝心地を実現
– 素材の最小限の使用で最大限の強度を確保
– 寝返り時の不快な音を軽減
従来の縦横のバッフル構造と比較して、より安定した睡眠面を提供しながら、軽量化も実現しています。

そのほかの快適機能
– 7.6cmの十分な厚みによる地面からの凹凸の吸収
– フラットバルブによる細かな空気量調整
– 低温下でも硬化しにくい素材選定
– コンパクトな収納サイズ(レギュラーマミー:14×φ8cm)
– 効率的な空気注入が可能なポンプサック付属
– 寒冷時でも扱いやすい大口径バルブ
製品ラインナップとサイズ展開
■ショートマミー
・サイズ:L160×W51×D7.6cm
・収納サイズ:14×φ7cm
・重量:215g
■レギュラーマミー
・サイズ:L183×W51×D7.6cm
・収納サイズ:14×φ8cm
・重量:240グラム
軽量化と快適性の新たな基準
ニーモのテンサーエリートは、適切なスリーピングバッグと組み合わせることで効率的な睡眠システムを構築できます。R値2.4という高い断熱性能と240gという軽量性の両立は、従来のマットの常識を覆す性能です。
バックパッキングギアの軽量化において、快適な睡眠は妥協できない要素。テンサーエリートは、この相反する要求に対する新たな提案です。新素材と最新の設計技術により実現されたこのマットで、より効率的で快適なテント泊山行を実現することができるでしょう。
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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