子猫の手のように愛らしさ。芽吹きたての山菜を贅沢に味わう【登山ガイド・渡辺佐智の“やまのさち”】

登山ガイドの渡辺佐智さんが、自然の中で採れる旬のごちそうを追ってあちこちの山へ。さて今回のごちそうは?

山菜といえば、わらびを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。なんと、山ひとつ全部わらび! というわらび山へ。爽やかな初夏の青空のもと、寝起きのわらびを摘んできました。

【南会津藤生わらび山のわらび】
シダ植物の一種
食べる部位:若芽、根茎からはでんぷん(わらび粉)
採る時期:5~7月初旬

○教えてもらった名人
菅野りつこさん

渋谷区代々木「GPS ストア」店長。山菜だけでなくきのこにも詳しい。遊び方によって変わってくる難しいGPS の設定もお手のもの。GPS ストアでGPS を購入すれば、使い方もアフターケアも鬼に金棒ですよ。
www.gpsstore.jp

わらび山さ、やっこいわらび採りにあいばっせ♪

薄茶の産毛に覆われて、先っぽは子猫の手のようで、のびをしながら育つようすが愛らしく、ああ、食べてしまいたい。そんな見て可愛い、食べておいしいわらび採りに今回向かったのは、福島県南会津町藤生地区のわらび山。地元の組合で管理しているので、入山料1500円を支払って入ります。さっそく、りつこさんと山菜採りの支度を整えると、足元のわらびが目に飛び込んできました。折って、顔に近づけるとわらび特有の香りがします。あえて例えるなら、炒っていないナッツのような香り。初めて採ったわらびはペペロンチーノパスタにして食べたのですが、乾燥ポルチーニ茸かと思うほど豊かな香りがしたのを覚えています。

山菜はひとつ見えると自分の目が「山菜だけが見える目」に変身します。そうなれば、私のわらび感知センサーはわらびの気配を逃しません。わらびの好きな場所は日当たりがよく、養分の多いところ。食べるのにちょうどおいしいのは、他の草に埋もれて光にあたりすぎていない柔らかいものです。

藤生わらび山は毎年山焼きを行うことで、灰が土の栄養になり豊かなわらびの芽吹きが約束されています。なんと江戸時代から続く伝統行事で、以前は、茅葺屋根の茅や、家畜の飼料を育てるために行われていたのだとか。5月上旬、火と人と山の織りなす壮大イベントは、ひと山焼くのに地元の方が総出で約2時間。風や地形、人の配置など失敗できない火祭りです。

火遊び好きな大人のみなさん、部外者の見学もできるそうですので来年の予定にいかがですか?

同じ山でも場所によって成長が違う。どこに目をつけるかで経験値の差が出る

【登山ガイド・渡辺佐智の“やまのさち”】南会津藤生わらび山のわらび
1.姿勢を低くして、わらびの気持ちになる。わらびの居心地のよいところはどこかな。他の草に隠れている藪わらびを狙う

2.
根元から中指と人差し指でひっかけて、親指で押さえて曲げながらひっぱると、堅いところと柔らかいところの境目で折れる

3.長さをそろえておくと、あく抜きなどの下処理がラク。ちなみに、右は私、左はりつこさんの採った極上わらび。名人との差は歴然

水にさらしすぎると、あくも抜けるが風味も抜けるのでほどよいところで味わおう

【登山ガイド・渡辺佐智の“やまのさち”】南会津藤生わらび山のわらび
1.わらびに灰をまぶしその上から熱湯をかけて落し蓋をして、一晩おく。それでもあくが気になるようなら、流水にさらすと食べやすくなる

2.おいしい定番は5cm程度に切って鰹節と醤油をかけてお浸し。細かく刻んで薬味といっしょにたたきにするとあったかいご飯がすすむ。ナムル、パスタも絶品!

○藤生わらび山への入山についての問い合わせはこちらへ
TEL:0241-66-2401(星さん、夜間のみ)
料金:ひとり1,500円

○渡辺佐智(わたなべさち)
登山ガイド。自然の中で体を動かし、
おいしいものを食べることを愛する。
安全登山のための情報をウエブサイトでも発信。
www.yamanosachi.jp
やまのさちサイトで番外編を公開中!
yamanosachiROGO
http://www.yamanosachi.jp/bangai.html

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