登山で必要な持ち物とは?【日帰り登山者向け】アイテム一覧
FUNQスタッフ
- 2022年11月04日
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頂上からの素晴らしい眺望や登山道での美しい自然との出会い、山小屋でのグルメなど、登山で得られる喜びは、大きいものです。皆さんの中にも「ぜひ登山を始めてみたい!」と考えている方は多いのではないでしょうか。
登山初心者がまず悩むのが、登山での服装や持ち物です。普段は美しい表情を見せてくれる山ですが、天気は変わりやすく、滑落してのケガなど危険もはらんでいます。そのため登山初心者だからこそ、万全の準備が必要です。
そこで今回は登山初心者向けに、服装や持ち物について、以下のような内容で詳しく解説します。
- 基本的な服装やアイテム
- 絶対に必要な持ち物
- 緊急時のための持ち物
「登山での服装や持ち物が分からない!」「普段使っているアイテムでもいいの?」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
基本的な服装やアイテム
まずは登山での服装と靴、ザックなど基本的なアイテムについて紹介します。服装や基本アイテムは、選ぶものによって登山の快適さを左右します。しっかりポイントを押さえて選んでください。
服装
山の天気は変わりやすく、また100m標高が上がれば気温は0.6度下がるといます。そのため登山での服装は、その時々の天候や気温に合わせて、調節できるものでなくてはいけません。
登山での服装は「レイヤリング」と呼ばれる、重ね着が基本です。ウィンドブレーカーやシェルなど風雨を防ぐ「アウターレイヤー」、フリースやパーカーなど温度調整の「ミドルレイヤー」、Tシャツやシャツなど肌に近い「ベースレイヤー」を組み合わせて、天候や気温変化に対応できる重ね着にします。
登山には、汗をかいた際に乾きにくいコットン素材は不向きです。速乾性があり蒸れにくい化繊素材や、防臭効果もあるウール素材のものを選びましょう。
靴下は登山用の厚手のものを選ぶと、長時間歩行しても疲れにくくなります。また標高が高くなると紫外線が強くなるので、日焼けを防ぐ帽子や目を守るサングラスもあると良いでしょう。特に帽子は頭部のケガを防ぐためにも、必ず着用したいアイテムです。
登山での服装については、以下の記事で詳しく解説しています。
靴
登山道は雨でぬかるんでいたり、石がゴロゴロしていたり、大きな岩や木道が濡れて滑りやすかったりします。普段使いのスニーカーでは、安全に快適に歩くことが難しいでしょう。そのため登山靴の着用を強くおすすめします。
登山靴は防水加工がされているので、多少の水たまりに入っても中まで水が浸みません。また靴底も滑りにくい素材が使われているので、滑りやすい濡れた岩や木道での転倒を防げます。さらに靴底は通常のスニーカーよりも硬く作られており、疲労しにくくなっています。
登山靴は大きく分けると、「ローカット」「ミドルカット」「ハイカット」の3タイプです。日帰りの低山登山をする場合は、足首を固定して捻挫を防ぐ「ミドルカット」、テント泊や高山登山をする方は「ハイカット」を選ぶと良いでしょう。
登山は足にかなり負担がかかるスポーツです。足に合った登山靴を選ばないと、靴擦れができたり指先が痛くなったりして、歩けなくなることもあります。登山靴は専門店で足を計測してもらい、試着してから購入するのがベストです。
登山靴の選び方やおすすめ登山靴は、以下の記事で詳しく紹介しています。
ザック
登山の時には、普段使いのリュックでも問題なく使えます。しかし今後も登山を続ける方には、登山専用のザックがおすすめです。登山用ザックは多数のベルトやストラップが付属し、体への負担を軽減するような設計で、重い荷物を長時間運んでも疲労しにくくなっています。
登山用ザックは、日帰り登山であれば20~30Lのサイズが適しています。一泊の山小屋泊であれば30~40Lサイズが良いでしょう。普段使いのリュックと違い、同じ容量でも使う人の体に合わせてサイズ設定されおり、体に合ったサイズを選ぶとより負担が軽減されます。ウィメンズ用サイズがある製品もあるので、小柄な方や女性にはおすすめです。
登山用ザックには雨から荷物を守ってくれるカバー付のものもありますが、付いていない場合は別売りのカバーを購入すると良いでしょう。
登山用ザックの選び方やおすすめ登山用ザック、パッキングのコツは、以下の記事で詳しく解説しています。
必ず持っていく必要のあるもの
ここからは登山に必要な持ち物について紹介します。安全に快適に登山を楽しむために、必要不可欠なものばかりです。持ち物のチェックリストを作り、忘れないようにしましょう。
レインウェア
山の天気は変わりやすく、天気予報が晴れでも急に雨が降ってくることがしばしばあります。また標高が上がるにつれ風も強くなるので、雨で衣服が濡れると体温が急激に奪われ、低体温症に陥る危険性も。レインウェアは寒い時には、防風や防寒の役割も果たします。そのため登山には必ずレインウェアが必要です。
レインウェアは、ゴアテックなどの防水透湿素材のものがおすすめです。透湿性が低いと、暖かい時期の登山では蒸れやすく、汗冷えを起こしてしまいます。透湿素材ならば、汗など衣服内の湿気を放出してくれるので、夏場でも快適です。
また山は風が強いので上からだけでなく、横や下から雨が吹き込んできます。コート型のレインウェアでは下半身が濡れてしまうことがあるので、ジャケットとパンツの上下に分かれたレインウェアを選ぶと良いでしょう。
以下の記事では、レインウェアの役割やおすすめのレインウェアを紹介しています。
防寒着
標高のある程度高い山では、夏でも気温がかなり低くなるので、必ず防寒着を持ち物に加えてください。登山での防寒着には、特にフリースがおすすめです。フリースは保温性が高く、通気性が良く、速乾性もあるので、温度を調節するミドルレイヤーとして最適の素材です。また洗濯機で簡単に洗えるので、手入れの楽さもメリットとなります。
フリースは生地の厚さによって、保温性がかなり違います。季節や山の標高によって、適した厚さのフリースを選んでください。
以下の記事では、フリースの特長やおすすめフリースを詳しく紹介しています。
万が一のために
予定通り無事下山できるのが一番ですが、登山では天候悪化で下山が遅れたり、道に迷ったりする場合もあります。持ち物で万が一のための備えもしっかりしておきましょう。
地図・コンパス
最近は「登山アプリやGPSを使うので紙の地図は必要ないのでは?」と考える人も多いようです。しかしスマホやGPSは、電源切れや故障の恐れがあります。そういった事態に備えて、紙の地図とコンパスも必ず持って行くようにしましょう。
ただし地図とコンパスを持ち物に加えても、使い方が分からなければ、ほとんど無意味です。現在地の把握や目的地の方向の確認方法を、しっかり頭に入れておくことが必要です。
コンパスの必要性や選び方、おすすめコンパスは、以下の記事で詳しく紹介しています。
モバイルバッテリー
便利な登山アプリを使う人が増え、登山にスマホが欠かせない人も多いのではないでしょうか。登山アプリを使っていると、思ったよりも電源の消耗が早くなります。特にスマホでたくさん写真を撮っていると、さらにドンドン消耗することに。スマホの電源が切れると、緊急時の連絡が取れなくなります。電源が切れた時のために、モバイルバッテリーがあると安心です。
ヘッドライト
電灯が無い山の中では、日が落ちると真っ暗になり、何も見えなくなります。特に日光が差し込みにくい林の中では、日没前に暗くなります。登山中に暗くなってしまった時のために、両手が自由になるヘッドライトも持ち物に加えてください。
以下の記事では、ヘッドライトの選び方とおすすめヘッドライトを紹介しています。
常備薬
登山中には急に腹痛や頭痛が起きることもあるので、念のため薬を持っていると安心です。また常備薬も忘れずに持ち物に加えましょう。
水・食料
登山ではこまめに水分やエネルギーを取ると、ばてずに歩き続けられます。ここでは登山に必要な水分量と、上手な食料の取り方について紹介します。
必要な水分量
登山で必要になる水分は、体重や行動時間によって変わります。一例ですが、以下のような計算式があります。
- 必要な水分量(ml)=自重(体重+ザック)×5×行動時間
この計算式によると、体重55kgの人が5kgのザックを背負って6時間登山するならば、1800mlの水分が必要です。コーヒーを淹れたり、調理に使ったりする方は、さらにその分をプラスする必要があります。
水分はミネラル不足に陥らないため、スポーツドリンクで取るのがおすすめです。しかしケガをした際に水を洗浄に使う場合もあるので、全てスポーツドリンクにするのではなく、粉を別に持って行くのが良いでしょう。
行動食
登山では行動食と呼ばれる食料を、少しずつこまめに食べると、エネルギー切れを起こさず登ることができます。行動食はカロリーが高くて、軽量なものが適しています。チョコレートや羊羹などのお菓子、ナッツ、ドライフルーツなどがおすすめです。
行動食や食事とは別に、緊急時のための非常食も忘れずに持ち物に加えてください。
行動食の選び方やおすすめ商品は、以下の記事で詳しく紹介しています。
何かと必要なアイテム
ティッシュペーパーやタオルなどは、さまざまな使い方ができるアイテムです。
ティッシュペーパーやトイレットペーパー
汚れを拭いたり、ケガの治療に使ったりと、ティッシュペーパーやトイレットペーパーはさまざまな使い方ができます。汚れが拭き取りやすい、ウェットティッシュもあると便利です。
ゴミ袋
当然ながら、山ではゴミは持ち帰りが基本です。ゴミ袋も忘れずに持ち物に加えてください。
タオル
汗を拭いたり、頭や首に巻いたり、止血に使ったりと活躍するのがタオルです。速乾性のある素材のものがおすすめです。
緊急時のために
登山での緊急事態といえば、天候悪化や体調悪化、害獣や害虫による被害、遭難、滑落などが考えられます。あらゆる事態を想定して、持ち物で備えをしておきましょう。
エマージェンシーシート
防災グッズでもあるエマージェンシーシートは、薄くて軽量なシートです。畳むとポケットティッシュサイズになり、非常にコンパクトです。エマージェンシーに包まれると、寒い環境でも熱が放出されず、体温の低下を防げます。また雨も弾くので、すっぽりくるまれればザックが濡れるのも防げるでしょう。エマージェンシーシートは、ホームセンターや100円ショップで気軽に購入できます。
SOL(ソル) ヒートシート エマージェンシーブランケット 1人用
断熱効果の高いアルミ素材が、体から出る熱の90%を保持します。耐久性が高く、滅多なことでは破れる心配がありません。目立ちやすいオレンジカラーで、遭難時に発見されやすくなっています。
- 使用サイズ:142×213㎝
- 重量:82g
細引き
細引きとは、ナイロンやポリプロピレンで編まれた2mm~7mmの太さのロープのこと。切れた靴紐の代わりにしたり、剥がれた靴底を簡易的に押さえたり、ツェルト(緊急用テント)を吊るしたりと、さまざまな使い方ができます。細引きはアウトドアショップで販売しています。量り売りのものが多く、必要な分だけ購入可能です。
CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ) カラーロープφ3.5mm×20m(レッド)
3.5mmとやや太めで、安定感ある結び方ができます。素材は耐久性の高いポリプロピレンで、繰り返しの使用が可能です。
- サイズ:φ3.5mm×20m
- 材質:ポリプロピレン
ファーストエイドキット
ケガの応急処置に使うファーストエイドキット。いち早く治療することで、症状の悪化を少しでも軽減します。ぜひ持っておきたいのがポイズンリムーバー。蜂やアブなどの虫に刺された際に、毒を吸い出す道具です。毒を吸い出しておくと、腫れがかなり抑えられます。
ファーストエイドキットはセット購入しても、自分で必要なものを一つずつ揃えていってもOKです。必要なものが少しずつ入っているセットは、リーズナブルに全てが揃うのでおすすめです。
OHKEY(オーケー) ファーストエイドキット
災害時にも使えるファーストエイドキット。遭難時に使えるホイッスルや、エマージェンシーシートもセットになっています。
- ケースサイズ:20×13×5cm
- 重量:367g
- セット内容:キズテープM、ポイズンリムーバー、使い捨て手袋、消毒ワイプ×10、安全ピン、消毒ワイプ×4、ホイッスル、カット綿×2、ガイド(取り扱い説明書)、綿棒、多機能ガード、テープ、止血帯、ピンセット、はさみ、包帯、アルミブランケット、三角巾、LEDライト
ファーストエイドキットに揃えたい中身については、以下の記事で詳しく紹介しています。
必要なものを揃えて山に行こう
素晴らしい体験が詰まっている登山は、気をつけるべき危険もはらんでいます。服装や持ち物で、万全の準備をして望む必要があります。
そこで今回は初心者が悩んでしまう、登山での服装や持ち物について、以下の内容で詳しく紹介しました。
- 基本的な服装やアイテム
- 絶対に必要な持ち物
- 緊急時のための持ち物
服装や持ち物は専門のものを一度に揃えるのが難しい場合は、まずは手持ちのもの代用してみて、必要なものを少しずつ揃えていくのも良いでしょう。登山靴やザックなど高額なものは、レンタルで試してみるのもおすすめです。
万が一に備えれば、最悪なケースは回避できます。しっかり服装や持ち物を準備をして、快適な登山を楽しんでくださいね。
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