西本康生流サクラマスジギング【Part 2】
SALT WORLD 編集部
- 2021年10月07日
スローピッチジャークを武器に、各地のさまざまなターゲットを楽しんでいる西本康生。そんな西本をここ数年に渡って惹きつけている魚がサクラマスだ。ここでは、岩手県大船渡市の越喜来湾をベースに展開した西本流ジギングゲームを、3回にわたって紹介。【Part 2】の今回は、釣行初日の様子をお届けする。
ブルーヘブンL30Pwモデルを実戦投入!
初日の釣りでは、小石浜港から30分ほど南下。名ポイント、綾里崎沖で最初の投入の合図が出た。
「今年は雪、雨が少なく、澄み潮が続いているようです。広く探るのも手だと思いますが、できるだけ大きい魚を釣りたいので、やや深めのレンジを意識して釣ってみます。ここでは水深50~60mで、20~45mを探るよう指示が出るケースが多い。これまでは大型がヒットするのは35~45mの間が多かった。でも、一週間前に釣ったサクラマスのお腹の中には表層付近に多いヨコエビがたくさん入っていたので、上のレンジにも注意したいですね」
▲釣りあげたサクラマスが吐き出したヨコエビ。表層付近でよく捕食されているベイト、とは西本。
握ったタックルは、ロッドがロジカル70#0、リールがブルーヘブンL30Pw(プロトモデル)、ラインはガリス ウルトラジグマンWX8PE1号、リーダーはガリスFCアブソーバーアンフィニ スリム&ストロング4号を3m、ジグはSPY-FIVE130g。西本が基本としているサクラマスセッティングだ。
なかでも注目は、2019年までハイギアタイプのみの展開だったブルーヘブンのパワーギアモデルであるブルーヘブンL30Pwのセレクトだ。
「サクラマスジギングの場合、30~50mくらいのレンジを釣るときに、10mをハンドル14回転くらいで釣るのが丁度いい、有効な巻き取り量かなと思っています。つまりラインが30~50m出ている状態で、ハンドル一回転70cmくらいというイメージです。いままではL30Hiを使って、巻き込むラインの量を減らすことで調整していたのですが、Pwモデルのギア比なら、調整いらずで使えるのがありがたい」
▲リールはブルーヘブンL30Pwがメイン機となった。写真奥はハイギアモデルの内部ギアを乗せ換えたプロト機。最終的にハンドル一回転の巻き取り量は77cmとなった。
巻き込むラインの調整だけなら、ハイギアモデルを使用し、ハンドルの回転数を1/4、1/2などにして対応すればPwモデルは不要では? という手練れがいるかも知れない。でも…、と西本は続ける。
「テストを繰り返してきましたが、アクションの出方は明らかに違います。リールを巻きながらだからこそ出せるアクションというものもありますし。Pwモデルは狭いレンジをネチネチと攻めるような釣りにはとても使いやすいリールだと思います。どうしてもテンポが速い釣りになってしまう人も、Pwモデルを使えば、意図的に巻き上げスピードを落とすことができる。釣果が変わってくると思います」
なかなかファーストフィッシュが出なかった。これまで好調だっただけに「逆Xデイ」の言葉があちこちで聞かれた。群れが抜けてしまった? という不安が頭をよぎるなか、西本は淡々とジャーク&フォールを繰り返した。
▲ロッドだけでなく、リールハンドルを握る右手を併用してジャーク。大型ハンドルのブルーヘブンL30Pwは心強い味方だ。
強めのジャークと、少し長めのフォール
船中1本目のサクラマスがキャッチされたのはスタートから1時間以上経過していた。これを皮切りに、ポツリポツリとアタり出した。西本にも1本目がヒットした。
「オマツリしそうだったので、回収しようと思って巻き上げたらヒットしました(笑)。セオリー通りにいかないのが釣りですね」
その後、SPY-FIVEをジャーク&フォールし追釣もしたが、思うようには後が続かなかった。
全体的にポツリポツリの拾い釣りが続くなか、明らかにヒット率の高い、並んで釣っている2人のアングラーがいた。強めにシャクり、ラインスラックを多く出す。そんなジャークでヒットを連発していた。ただ、強めのジャークだけに、テーリングも頻発していた。
友人でもあるその2人から、使用ジグとヒットレンジを聞いた西本は、その情報をヒントにジグをSPY-FIVEよりフォールでのアピールが強いSPY140g にチェンジした。アクションはハンドル一回転のワンピッチ&ワンジャーク。フォールを強く意識したパターンで、2本を追加した。
▲ジグはすべてディープライナー製。SPY-FIVE、SPY、SPY-NARROW、スピンドルNARROW、SPY-Cなどを用意。多用したのはSPYFIVE130g、SPY140gなど。
「SPY-FIVEの使用を前提に、いま自分で基本にしている、ジャーク&ちょっと長めのフォールの釣りを中心に展開していました。これが一番外さない、と自分では思っているので。ただ、途中でフォールをより重視した釣りをしている人にアタリが多く出ている傾向がみられた。自分もよりフォールでのアピールが高いSPYにチェンジして数を重ねることができました。でも、やはり釣り切れない感じもあって、最後の方はSPY-FIVEとSPYをチェンジしながら釣りました。潮の流れがほとんどなく、船が流れず、同じような場所で浮いている感じの一日でした。メロウド(イカナゴ)の反応があるところ、というのが基本だとしても、回遊を待ちながら辛抱強く続ける釣り。トップ釣果の方はかなり強くジャークしていました。自分もけっこう強くジャークしていたつもりですが、もっと強くしても良かったかも知れません」
西本の初日のキャッチ数は5本。上々ではあったが、思い通りに展開し切れたとまでは言えなかった。いくつかの反省点は翌日へと持ち越した。
▲当地でメロウドと呼ばれるイカナゴは、カタクチイワシとともによく捕食されているベイトフィッシュ。
(文中敬称略)
【この記事は2020年2月現在の情報です】
西本康生流サクラマスジギング【Part 1】はこちら>>>
西本康生流サクラマスジギング【Part 3】はこちら>>>
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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