10㎏オーバーも夢じゃない!!福島県沖のヒラメ・ゲーム【PART2】
SALT WORLD 編集部
- 2021年11月05日
数も釣れれば、サイズもいい。昔に比べて魚が釣れなくなったと言われて久しいが、いま日本でそんなフィールド、そしてターゲットがここ福島沖のヒラメ以外にあるだろうか……?
それは、「日本一ヒラメの魚影が濃く、サイズもいい」と言われるほど。その釣れっぷりは、もう事件です!
前回は独自の理論で大型を狙って釣る賀沢さんのタックルの選び方について触れた。今回はそんな賀沢さんのジグを選ぶ際の考え方について紹介していこう。
10㎏オーバーも夢じゃない!!福島県沖のヒラメ・ゲーム【PART1】はこちら>>>
ビッグ・ベイト=ビッグ・フィッシュだ!
次はメタルジグ。賀沢さんが主に使用するのは3種類。ひとつは、状況が分からないときにパイロット的に登場させ、最もオールマイティーに使えるゼスタの「スローエモーション・フラップ」。2つめは、ジグを飛ばしたほうがよいような状況で活躍する、同じくゼスタの新製品「チャフ」。3つめは、フォールが攻略のメインとなる状況に最適な、やはりゼスタの「スローエモーション・フリッピー」である。
ちなみに、取材日は圧倒的にチャフでの釣果が目立った。チャフは新製品ながら、福島ヒラメには効果絶大であった。
カラーは圧倒的にゴールド系に実績が高く、グローが入ったものも有効という。
賀沢さんのジグセレクトで特徴的なのは、ウエイトだ。前述のような水深であば、季節ごとの違いはあれど、おおむね130〜150ℊをセレクトするのが一般的だろう。最も深い秋の90ⅿラインを攻めるとしても、200ℊあれば事足りる。
ところが賀沢さんは、ベイトタックルではその2倍以上となる200〜270ℊをメインに180〜300ℊ、スピンスローでも80〜220ℊとかなり重いジグを多用する。その理由は、
「私のこれまでの経験から、水深に対して標準的な重さのジグでは、アベレージサイズが小さく、数も伸びない傾向にありました。それが、重いジグはシルエットが大きく、アピール力もあります。ですから、必然とサイズも数も伸びやすい傾向にありました」
〝ビッグ・ベイト=ビッグ・フィッシュ〞というわけだ。
重いジグを使う理由はこれだけではない。
「ポイントは砂地に根がからむ場所が多いので、重いジグをダイレクトに入れてやることにより、底がしっかりと取れ、根掛かりを極力減らすことができます。さらに、潮の変わり目や底質も把握しやすくなります」
フックも重要だ。賀沢さんが主に使っているのが、ゼスタ「Wクロウ・ホールドチューン」の#5/0、3㎝。
「アベレージサイズが大きいということと、ヒラメの硬い口をしっかりと貫通させる目的で太めのハリを使っています。また、ヒラメは青物のように走りますし、扁平なため上げて来る際に抵抗があってかなり重いので、細いハリでは伸ばされてしまいます」
▲大型を狙って釣るため、ジグのウエイトはポイントの水深に対して重い180~220g。今回はゼスタの新製品「チャフ」をメインで使用した。ワームは手軽ながら不思議と大型がヒットしやすいといい、ゼスタの「シャッドスター」6インチがとくによかった。
▲ジグのカラーはゴールド系が圧倒的に強かった。その他、グローが入ったカラーもオススメ。
▲ゼスタスタッフの土屋圭子さんは、ハイピッチ用の「PPJ」も持ち込んだ。「ジグが重いので、パワーのあるロッドはむしろ快適でした」
▲賀沢さんが持ち込んだジグ。とにかくいろんなこと、いろんな物を試す。それによって導き出された答えが、現在のところ「大型ジグ」なのだ。
ヒラメは遊泳力のある魚。まずは上げで誘っていく
ヒラメの攻略法といえば、スロージギングのフォールメインで、というイメージではないだろうか。もちろんそれは正解なのだが、賀沢さんの攻め方はちょっと違う。
というのも、ヒラメはその見た目以上に遊泳力が強く、瞬発力もあり、釣り人が想像する以上にアグレッシブにベイトを追う。水深30ⅿ程度なら、海面までエサを追うこともあるほどだ。
そこで賀沢さんは、最初からスローの釣りを行うのではなく、まずは青物を狙うような上げメインのワンピッチジャークで探ってみるという。
「こうすることで、活性の高い大型個体を先に釣ることができます。活性がいいときは、逆にジグが落ちていかないほどです」
誘う範囲は、どんな水深であってもボトムから10ⅿは必ず探るという。
上げで反応がなければ、いよいよスロー系アクションの出番。1/2ピッチ、1/4ピッチといったように、少しゆっくりめに細かく刻んでいくという。そのなかで、活性に応じてロングフォールも入れていく。
さらに食い渋りの時間帯は、スピニングタックルでジグをキャストし、斜めに広範囲に誘っていく。いわゆる、スピンスローである。
▲ヒラメのジギングといえば、スロー中心というイメージだが、賀沢さんは、まずは“上げ”の釣りから試していく。
▲ヒラメは見た目以上に瞬発力も遊泳力もある魚。かなり上の方までジグを追って来る。それを考慮して、最初は青物狙いのように上げメインで、最低でも底から10mは探りたい。その有効性の証拠に、案外フロントフックへのヒットが多い。
▲ゼスタ代表の宇都宮基浩さんはスピンスロー×チャフで良型マダイ。マダイはヒラメ狙いの定番ゲストで、「これはまだかなり小さいです」という。大型なのは、ヒラメだけではないようだ。
▲上からホウボウ、ソイ、イナダ・ワラサ(これはイナダ)。すべて福島沖のヒラメジギング定番ゲストたちだ。これに上のマダイが加わる。とくに秋は多彩な顔ぶれのゲストが登場する。ソイは厳密にはマゾイとクロソイが顔を出すという。このホウボウはかなり大きい。豊かな海の証だ。
【この記事は2020年11月現在の情報です】
10㎏オーバーも夢じゃない!!福島県沖のヒラメ・ゲーム【PART3】はこちら>>>
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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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