GUSTO(グスト)・RCRチームデュロリミテッド|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2018年10月08日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回は、2019年にプロチームが使用するフラッグシップで、フレーム剛性と衝撃吸収性を両立したモデル、GUSTO・RCR TEAM DURO LIMITED(グスト・RCRチームデュロリミテッド)を管洋介がテスト!
剛性と振動吸収性を兼ね備える
RCRチームデュロリミテッド
台湾でトップブランドのOEM生産を手がけていたアタッキ社の自社ブランドであるグスト。優れたスペックのバイクを手の届きやすい価格で提供するブランドとして、日本でも急速に人気が高まっている。そんなグストに、エンデューロをターゲットとしたレースバイクが新たに登場した。
RCRチームデュロリミテッドを頂点とするデュロシリーズは、エンデューロ向けに開発されたカーボンバイクだ。2019年にプロチームが使用するフラッグシップで、フレーム剛性と衝撃吸収性を両立したモデル。使用されるカーボン素材は東レのT-800でBB周辺をT-1000で強化される。
また世界最軽量素材のひとつとされる高機能ファイバー、インネグラを積層に追加。アーカスダンピングデザイン(特殊アーチ型衝撃吸収設計)と名付けられたフロントフォークからトップチューブ、シートステーまでを一体的に機能させる形状とのマッチングにより、路面からの衝撃を良好に吸収して、乗り手のストレスを軽減する。
30万円を大幅に下まわる価格ながら、こだわりのパーツセレクトがされており、アルテグラをフルアッセンブルし、45mmハイトのカーボンホイールにチューブラータイヤを装備。そのままレースにも出場できる。多くのライダーにはロングライドに最適な仕様ともいえ、活躍できる場所は多い。
テーパードヘッドにより、レースバイクらしいシャープなハンドリングを生み出す。ケーブル類はフレームに内装。左右非対称のカラーリングを採用する。
ゆるくベンドした形状のフロントフォークはエンド部を前方にオフセットして、路面からの微振動を吸収してライダーの疲労を軽減する。
トップチューブからシートステーは一体化したアーチ型のデザインを採用。フロントフォークとも連動して快適性を最大限に引き出す形状だ。
動力伝達のキモとなるBB部分は、T-1000カーボンで強化するとともに十分なボリュームを確保。ペダリングをフォローするウイップを生み出す剛性コントロールも同時に行われている。
グスト
RCRチームデュロリミテッド
26万8000円(完成車/税抜)
■フレーム:T1000/800カーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・アルテグラ ■ハンドル/ステム/シートポスト:コントロールテック・CLS ■サドル:セライタリア・ノバスブースト ■ホイール:アタッキ・カーボン45mm ■タイヤ:マキシス・フォルツァ ■サイズ:S、M、L、XL ■カラー:チームゴールド ■試乗車重量:7.5kg(S)
※付属品以外のパーツはテストバイクのスペック
バランスのいいオールラウンダーレースバイク
管洋介がインプレッション
このモデルのターゲットはエンデューロであり、乗り始める前は柔らかな乗り心地を想像したが、あくまでもレースバイクとしての乗り味が特徴的なバイクだった。ダイレクト感がある踏み込みと、パワーをスムーズに路面に伝達していくのが魅力といえる。レースバイクとしての性能を求めたうえで振動吸収性を確保している印象だ。
緩急のある地形や展開で、フレッシュなテンポでペダルをプッシュしていくことができる感覚は非常にレーシーだ。この感覚は単に剛性が高いだけでなく、細かなBBウイップのレスポンスが演出するものだ。これによって小気味よいペダリングをフォローしてくれる。
クイックにコーナーに飛び込めるキレのあるステアリングも含めて、このバイクは攻撃的なライディングに素早く呼応できる。路面状況がよくない条件でのレースが主戦場ではあるが、守備範囲は広く、クリテリウムや、勾配に変化のあるヒルクライムにもマッチした乗り味といえる。
45mmハイトのオリジナルアタッキカーボンホイールの恩恵をかなり受けていて巡航性能にも優れている。チューブラータイヤのしなやかな乗り心地が、通常のコンプリートバイクとは一線を画した完成度を実現している。それでありながらリーズナブルな価格も非常に魅力的な一台だ。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴22年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
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問:エムティーシー www.gustobike.jp
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