KUOTA(クォータ)・コバルト ディスク|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2018年12月03日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回は、エントリーモデルの理想型として、クセのない素直な乗り味で定評のあるリムブレーキモデルのコバルトをディスク化した、KUOTA・KOBALT DISC(クォータ・コバルト ディスク)をベテランライダーの管洋介がテスト。
乗りやすさで定評あるコバルトのディスクモデル
2018年よりコフィディスにバイク供給を行い、ハイエンドモデルのカーンがツール・ド・フランスにも出場を果たしたクォータ。イタリアの比較的新しいブランドながら、カーボンバイクに対する高度な技術によって、性能はもちろんのこと、所有する喜びを感じるモデルを展開している。またハイエンドからエントリーまでカバーしており、低価格帯のモデルでも手を抜かない姿勢が特徴だ。
2019年モデルで新たにラインナップに加えられたコバルトディスクは、エントリーモデルの理想型として、クセのない素直な乗り味で定評のあるリムブレーキモデルのコバルトをディスク化したものだ。ディスクブレーキの制動力や、リムブレーキマウントが不要になったことに対応して、カーボンレイアップが最適化された。
足まわりの剛性を高めるために前後ともスルーアクスルを採用、走りの質をさらに高めているともいえる。同時にベースモデルのよさも生かされており、ケーブルの内装化や電動コンポーネントにも対応している。
リムブレーキモデルでは完成車の販売となっていたが、ディスクブレーキモデルでは、あえてフレームセットとした。これは自分好みのディスクブレーキをアッセンブルしたいユーザーへの配慮であり、グレードの高いコンポーネントとすることで中級者まで対応することを物語っている。
スルーアクスルにより足まわりの剛性を高め、コーナリングや加速性能に貢献。ブレーキはフラットマウント規格を採用。
プレスフィットBBと横幅を広げたチューブにより、レスポンスに優れた走りを可能とした。
幅広のモノステーで横剛性を高め、振動吸収性も両立した。
上下異装径ヘッドと上位モデル由来のチューブ形状で、素直なハンドリング性能を生み出している。ケーブル内装化で電動コンポにも対応する。
クォータ
コバルト ディスク
12万8000円(フレームセット/税抜)
■フレーム:カーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:スラム・ライバル ■ハンドル&ステム:デダ・ゼロ ■シートポスト:クォータ ■サドル:プロロゴ・カッパエボ ■ホイール:ジップ・30コース クリンチャー ディスク ■タイヤ:ヴィットリア・ザフィーロ ■サイズ:XXS(407)、XS(437)、S(469)、M(503)、L(522) ■カラー:グレー/ホワイトグロッシー ■試乗車重量:8.4kg(M)
確実に前に進む秀逸な加速性と素直なハンドリング
管洋介がインプレッション
滑らかなフレームアーチと美しい塗装を施したクォータのエントリーモデル。しかし、この価格帯では非常に実力の高いバイクとして位置づけられるテイストに仕上げられている。フレームセットでの販売としたのも、コンポーネントの選択にこだわりたいライダーのためともいえ、うれしいポイントだ。
まずペダリングでウイップを生かした俊敏な初速のスタートアップに驚かされる。やや低重心の安定性を感じながら、ほどよくコシのあるBBウイップは、ペダリングをきれいにまとめあげ、前に押し出されていくようにバイクが進んでいく。このバイクの最大の特徴だ。ペースの変化に合わせて細かな加速を必要とするレースはもちろん、ロングライドでも疲れ知らずのパフォーマンスを期待できるオールラウンドバイクといえる。
ディスクブレーキ化によるスルーアクスルの採用で、エンド部の剛性が上がり、このことがコバルトのフレームの性能を引き上げているといえる。この影響でハンドリングも素直で、路面をつかんで滑らかに理想のコーナーラインをなぞることができるだろう。ペダリングのなじみのよさから加速も流れるように決まり、ライダーのアグレッシブな気持ちをバイクが限りなくライディングに落とし込んでくれるところがこのバイクの持ち味だ。コスパにも優れたこの一台は、間違いなく注目される存在となるだろう。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴21年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
ニューモデルインプレッション
一覧はこちらから
管洋介のその他の記事は
こちらから
問:インターマックス www.intermax.co.jp
SHARE