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クロモリロードバイク完全ガイド!フレーム素材や特徴からオーダーメイドまで徹底解説

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クロモリロードバイクの製法と特徴

クロモリバイクのフレームとフォークは、11本のパイプ(チューブ)を繋いでできている。そして、それらの繋ぎ方(接合)にはさまざまな種類があり、また、仕上げにもいろいろな工夫がされている。それぞれの概要と特徴を見ていこう。

フレーム

ヘッドチューブ、トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブ、シートステー(2本)、チェーンステー(2本)の8本から構成され、フロントフォークやBB(クランク)、リアホイール、シートポスト(サドル)を保持する。リアホイールを装着する部分をリアエンドといい、リアエンドには正爪(トラックバイクやシングルバイク用)と逆爪(さらにロードエンド、ストレートドロップエンドなどがある、多段ギヤ用)がある。写真のように三角形(厳密には違うが)が組み合わさったような構造をしており、シートチューブから前側を前三角(フロント三角/フロントトライアングル)、後ろ側を後ろ三角(リア三角/リアトライアングル)という。クロモリではトップチューブが地上面と水平になったホリゾンタルフレームが基本で、別名ダイヤモンドフレームと呼ぶことも。

ラグ

クロモリバイクのポイントでもあるラグは、パイプとパイプを繋ぐ接手の役割をもつ。もともとは応力分散の意味が大きかったが、いまではビルダーやブランドの個性を表現する部位としても認められている。写真のようにシンプルなラインのラグをイタリアンカット、フランス車によく採用される複雑な装飾的ラインのラグをコンチネンタルカットという。ティグ溶接やフィレット仕上げなど、ラグを使わずにフレームを作る場合もある。

フロントフォーク

フォークコラム、フォークブレード(2本)の3本で構成され、ステムやフロントホイールを保持する。フロントホイールを装着する部分をフロントエンドといい、フォークコラムとフォークブレードを繋ぐ部分をフォーククラウン(肩)という。フォーククラウンがないユニクラウン(フォークコラムに直接フォークブレードを溶接するタイプ)もあるが、ロードバイクではほとんど採用されない。

フォークブレードの曲げ

先曲げ(左から1番め)、剣先曲げ(同2番め)はクロモリバイクに合う美しい曲げ方とされるいっぽう、かっくん曲げ(通称、同3番め)はアールが緩やかでないためかっこ悪いとされる。オフセットしていても曲げのないストレート(右)もある。

ほとんどの自転車のフロントフォークはエンドをオフセットさせることで、走行中の直進性や操舵性をコントロールしている。そのオフセットをさせるための加工が「曲げ」で、そのシルエットも重要なポイント。滑らかなアールを描いたフォークブレードのほうが美しいとされ、ロードレーサーでは剣先曲げ、ツーリングでは先曲げが多い。

冶具(ジグ)

パイプやラグを固定(仮組み)するための冶具は、ビルダー、または作るフレームによってそれぞれ異なる。また、小物(アウター受けやWレバー台座など)をロウ付けするためだけの冶具などもある。いっぽう、冶具上で精度を出して組んでも、ロウ付けすると熱による歪みが生じるため、基本的に定盤に乗せて芯出ししなければならない。

パイプの接合法

クロモリフレーム&フォークの接合は、ガストーチ(酸素-アセチレン、または酸素-プロパン)によるロウ付けが一般的だ。ロウ付けは正しくはロウ接といい、母材(パイプやラグ)を溶かさずに、毛細管現象によって母材間すき間にロウを流し込んで結合する方法をいう。広義にはハンダ付けもロウ接に含まれるが、ハンダが軟ロウを使うのに対し、クロモリフレーム&フォークには真鍮ロウや銀ロウといった硬ロウ(融点450度以上)が使われる。また、ロウ接は母材を溶かさないので、厳密には溶接(母材を溶かす)とは区別して語られる。

ラグ

パイプとパイプを繋ぐ接手であり、フレーム全体の強度向上、応力分散がおもな目的。いっぽうで、デザイン面でも重要な役割をもち、ひげの長さやカットライン、厚みなど、ビルダーの個性を色濃く反映する部位としても注目される。プレス、鋳造、ロストワックス(消失型鋳造法)などさまざまな製法がある。

フィレット

ラグを用いずに、接合部付近にロウを盛り込んでから滑らかに削る方法。塗装すると継ぎ目がなく美しいアールに仕上がる。また、ラグよりも軽く仕上がるので、あえてフィレットを好む人もいる。

ティグ(TIG)溶接

ティグはTangsten Inert Gasの略で、タングステン不活性ガス溶接という電気溶接の一種。さまざまな金属を溶接でき、独特のビード(溶接痕)が特徴だ。母材への熱影響が少なく軽くでき、生産性が高い接合法。

スーパーウェルディング(内ロウ)

一見するとティグ溶接のようだが、パイプとパイプの接合部内側にあらかじめロウを置いておき、トーチで熱して接合する方法。熟練したビルダーであればほぼ仕上げる必要がなく、極めてシンプルな仕上がりに。

バイラミネート

金属板をカットし、パイプに巻き付けてロウ付けする技法。ラグの製法技術が未熟だった時代、イギリスなどでよく行われていた。強度はそれほど期待できないが、複雑な意匠も加工しやすい。

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PROFILE

トモヒロ

Bicycle Club / DIY系自転車ビルダー

トモヒロ

メッセンジャー⇒自転車屋⇒BiCYCLE CLUB編集部⇒ホビービルダーという、自転車についてだけ遠距離パワー型のFUNQディレクター。休日の楽しみは娘と自転車で散歩、文房具屋巡り。

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