CANNONDALE・SUPER SIX EVO SERIES【ハシケンのロードバイクエクスプローラー】
ハシケン
- 2019年09月21日
8年の時を経て鍛えられたスーパーシックスエボ
完全武装をとげて新たな境地へ
近年のロードバイクのなかで高い人気を誇ってきたスーパーシックスエボ。
最新トレンドを融合し、いよいよ第3世代へと生まれ変わった。
初代モデルから3世代にわたる進化の過程を振り返ろう。
新旧モデル徹底比較
ブランド初のカーボンとアルミのハイブリットバイク、シックス13が誕生したのは今から14年前にさかのぼる。フロント三角にカーボン、リアステーにアルミを採用し、当時高い評価を得た。2006年にはフルカーボンロードのシナプスへと進化し、スーパーシックスエボが登場したのは2012モデルからになる。量産品として当時世界最軽量となる、695gのスペックを掲げたスーパーシックスエボ。当時デビューしたてのリクイガス・キャノンデール所属のペテル・サガンなどの活躍もあり、爆発的な人気を誇ったモデルだった。
その後もプロレースで鍛えられた本物の性能は進化を続け、ついに4年ぶりにフルモデルチェンジを果たし第3世代へ。軽さだけでなくエアロダイナミクス性能を突き詰めたモデルへと昇華。
丸型チューブと決別し翼断面チューブの後端を切り落としたエアロチューブシェイプへと変わり、リア設計もコンパクトにすることで、前作比で30ワットのパワーセーブを実現(時速48.3km走行時)。2019モデルとして誕生したエアロロード、システムシックスのために開発されたKNOT(ノット)ステムやホイールをアッセンブルしてシステムインテグレーションを突き詰めつつ、前作比19gの軽量化も果たした万能モデルとして生まれ変わっている。
キャドシリーズの最高傑作
守備範囲が広く一生もの高剛性が生むスパルタンな加速
いよいよアルミの元素番号13へと進化したキャードシリーズ。
シリーズトップモデルに位置するスラムフォースeタップAXS仕様をインプレッションする。
カーボン技術が進化している今、あえてアルミを選ぶ理由はどこにあるのか。キャード13に乗ればその答えがわかるかもしれない。
前作キャード12よりも車重の軽さを生かした軽快さは落ち着きを見せている印象だが、ペダリング半回転以降に生み出される流れるような加速性能は従来のキャードシリーズにはなかったフィーリングだ。コンパクトカーからSUVへと乗り換えたような、軽量アルミとは到底思えないラグジュアリーな世界観を表現している。
キャード13は新型スーパーシックスエボ同様に、シートステーを下げ、リアバッグ設定をコンパクトにし、エアロチューブへと刷新したことで空力性能の向上も期待できる。複雑なエアロチューブをアルミで実現してしまう技術力には感服だ。
さらに、新採用のノット27シートポストやノットホイールが高い走破性をもたらし、快適な高速クルージングから安心のコーナーワークへと導いてくれる。あらゆるロードシーンをストレスなく楽しめる走りに仕上がっている。
ルックスもスーパーシックスエボ同様にクールな装いへと刷新され、高級感もまとい価格を抑えたチープさは微塵も感じられない。ディスクブレーキ仕様の105完成車で21万円(税抜)からラインナップしている点は魅力だ。
INFO
CAAD13 DISC FORCE ETAP AXS
完成車価格:59万円(税抜)
■フレーム:C1プレミアムアルミ
■フォーク:バリステックカーボン
■ハンドル:ホログラム・セーブカーボン
■ステム:ホログラム・セーブアルミ
■コンポーネント:スラム・フォースEタップアクセス
■ホイール:ホログラム・45ノットカーボン
■タイヤ:ヴィッリア・ルビノプロ(28c)
■サイズ:48、51、54、56
■重量:8.5kg(ペダルレス/本誌実測)
1/ディスクブレーキに対応した高いフォークは、高い重量剛性比を実現するバリステックカーボンを採用
2/シートステー取り付け位置を下げることで空力性能とシートの快適性を高める
3/最新のホログラムセーブエアロハンドルとノットステムを採用
レスポンスとバランスのよさを継承エアロをまとって新時代を切り拓く
4年ぶりにフルモデルチェンジを果たし第三世代へと突入した新型スーパーシックスエボ。
インプレッションを終えた今、最新のトレンドへと舵を切った新型モデルを総括する。
購入から8年がたった今でも初代スーパーシックスエボの軽快でバランスのいいフィーリングに懐かしさを感じて乗ることがある。それほど、このバイクには愛着がある。
剛性を高めつつブラッシュアップさせた第2世代も、その延長線上にあった。そして誕生した第3世代。最新のトレンドを取り入れた新型は、フルモデルチェンジに潔よさも感じつつ、このバイクが継承してきたよさが失われているのではと心配にもなった。
ところが実際に走らせてみれば、最新のディスクブレーキロードのなかで、トップを争うレベルの初速のよさと伸びのよさを手に入れていることを実感できた。細部にいたるまでエアロ化を果たし、ディスクブレーキ搭載ながら、ライドフィールは雑にならず、極めて滑らかで運動性能は高い。
長年、トップレースシーンで鍛えられてきた乗りやすさ(=ライダーの能力を引き出す)を引き継ぎながら最新技術を融合することに成功している。
前作までがある種トラディショナルな設計だったがゆえに、トレンドの後追いと揶揄する声もあるが、そんなことはない。エアロディスクブレーキモデルにたびたび感じられる高剛性と重量増による軽快さの喪失の心配はない。
機敏なレスポンスでクライミングを楽しみたいライダーや、最後まで脚を残しながら勝負どころで勝負したいシリアスライダーが選ぶべきベストバイクだ。大きくルックスを変えてきたキャノンデールのオールラウンドレーサーは、新時代を堂々と切り拓くことに成功した。
OTHER MODEL
スーパーシックス エボ ハイモッド ディスク デュラエース
72万円(完成車/税抜)
最高級のハイモジュラスカーボンを採用するハイモッド完成車仕様は3モデル展開されるが、もっともコストを抑えた機械式デュラエース仕様。アッセンブルパーツに死角なし
スーパーシックス エボ カーボン ディスク アルテグラ
39万円(完成車/税抜)
スタンダードカーボンを採用し、コストパフォーマンスを高めたミドルグレード。オリジナルホログラム35mmカーボンホイールやノット27シートポストを採用
スーパーシックス エボ カーボン ディスク 105
26万円(完成車/税抜)
上位モデルの新型機構を積極的に採用つつ、新型スーパーシックスのなかで、もっとも価格を抑えたディスクブレーキモデル。シマノ105でアッセンブルしたレーシング仕様
IMPRESSION RIDER
ハシケン
問:キャノンデールジャパン canondale.com
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