BIANCHI(ビアンキ)・インフィニートXEディスク|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2019年12月02日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回は、インフィニートCVの性能を受け継ぐスペックながら、リーズナブルな価格が話題のミドルグレードモデル、BIANCHI・INFINITO XE DISC(ビアンキ・インフィニートXEディスク)を管洋介がテスト!
旗艦モデルのDNAを受け継ぐミドルグレードエンデュランス
「インフィニートXEディスク」
ビアンキのレーシングラインナップのなかで「エンデュランスレーシング」として位置づけられるインフィニート。そのミドルグレードとなるのが、2020年モデルからラインナップされるインフィニートXEだ。
トップモデルであるインフィニートCVは、「CV」の名が示すとおり、カーボン素材自体に振動減衰性をもたせたカウンターヴェイル素材を採用。それに対してインフィニートXEはカウンターヴェイルを使用しないものの、フレームの設計で振動吸収性を生み出しているのが特徴だ。
細身のシートステーのシートチューブへの接合部分をわずかに下側へオフセットさせるなどの構造により、長距離のライディングでもライダーに疲労を残さない振動吸収性能を獲得している。
フレーム重量も1100gとミドルグレードとして軽量なレベルで、安全性も担保したレベルに仕上げられている。105の完成車で実測値8.7㎏だが、アルミパーツ中心の構成であり、ホイールやハンドルなど、さらに軽量化する余地は十分残されているといえよう。
ブレーキはフラットマウント規格のディスクブレーキを採用。前後スルーアクスルによって剛性を確保することで、走行安定性を高めている。グランフォンドをはじめとして、さまざまな用途に対応するために最大32Cのタイヤが使用可能なクリアランスをもたせた。
標準では28Cタイヤがアッセンブルされるが、よりレースライクなライディングなら25C、路面が悪い場合には32Cを選択するなど、それぞれの状況に合わせた味付けが可能だ。
インフィニートCVの性能を受け継ぐスペックながら、105仕様で30万円を切る価格に設定され、初級者から中級者まで多くのライダーがインフィニートの性能を享受できる。憧れのチェレステブルーをまとった、ロングライドに最高の相棒となれるバイクだ。
ビアンキ
インフィニートXEディスク
29万8000円(105完成車/税抜)
■フレーム:カーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・105 ■ハンドル&ステム:オリジナル・レパルトコルサ ■シートポスト:アルミ ■サドル:セラロイヤル・アスファルトGF ■ホイール:フルクラム・レーシング918 ■タイヤ:ヴィットリア・ザフィーロプロスリック、700×28C ■サイズ:47、50、53、55、57 ■カラー:CK16×ブラックフルグロッシー、ブラック×CK16グラファイトフルグロッシー ■試乗車実測重量:8.7kg(53 /ペダルレス)
優れた振動吸収性と軽快な走行感が魅力
管洋介がインプレッション
定評のあるインフィニートの血統を受け継いだバイクで、ミドルグレードながらも質感が高く、所有する喜びも感じられる。見た目にボリュームのある角型断面のチュービングや車重からは想像できないほど振動減衰性に優れていて、走行感は驚くほど滑らかな印象を受けた。
ペダリングフィールは明快なトルクを受け止め、テンポのいいBBウイップとの相乗効果によって、メリハリとしなやかさを見事に調和させて路面を駆けていく印象だ。この特性は素早い加速を生み出すだけでなく、その先に登坂が続く場面でも「まだこのギヤでいけるだろう」と期待を膨らませてしまうほど優れている。バイクが作り出してくれる躍動的な推進力に信頼を置いて走っていくことができる。
また、ホイールを包み込むような卵型形状かつ先端が後方にオフセットしたフロントフォークは、車軸をしっかりとつかみ、安定したステアリングでコントロールの性能を上げてくれる。コーナリングにおいても重心をとらえやすく、バイクに身を任せてハイスピードで進入することができる。
振動吸収性の高さを生かしたロングライドはもちろん、立ち上がりや細かなアップダウンの多いロードレースシーンでも重宝されるミドルグレードの注目バイクだ。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴22年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
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問:サイクルヨーロッパジャパン www.japan.bianchi.com
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