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いま渦中のスペインからレポート「プロ自転車選手たちの現実」

ヨーロッパでコロナウイルス(COVID-19)による感染者、死者数が急増している。その影響は連日の報道にもあるように自転車ロードレースの世界にも深い爪後を残しつつある。今回は、コロナウイルスによるヨーロッパのロードレース界への影響をスペイン在住の對馬由佳理がレポートする。

ツアー・オブ・エミレーツでの感染から3月には急展開に

多くの女子のレースも中止あるいは延期が決定されている。写真は今年のボルタ・コムニタット・バレンシアーナ・フェミナにて。Photo by Yukari TSUSHIMA.

2020年のヨーロッパの自転車レースは1月下旬のチャレンジ・マヨルカから予定通りスタートしました。しかし、2月に入るとコロナウイルスに関するニュースがヨーロッパで報道されるようになり、同時にツアー・オブ・エミレーツに参加した選手やスタッフの中からコロナウイルスの感染者が見つかりました。

こうした状況を受けて、まず国際自転車連盟(UCI)は3月18日に、4月末日までのレースをすべて中止・あるいは延期することを決定します。これを受けて、ジロ・デ・イタリアやパリ・ルーベをはじめとする様々なクラシック・レースが続々とキャンセルを決定しました。

続いて4月1日に、UCIは自転車レースの中止及び延期期間を5月30日まで延長することを発表します。とはいえ、この時点で5月開催予定だったレースのほとんどがすでにキャンセルされていました。

以上のような状況から、自転車レースがカレンダー通り開催されるのは、早くても6月以降となります。

今回、コロナウイルスのために中止あるいは延期になった自転車ロードレースは、男女合わせて約200レース。延期になったレース開催のために、UCIは今年のレースシーズンを11月末日まで延長することを既に決定しています。

選手の給与カットあるいはレイオフ

このようにレースができない状況では、各チームのスポンサーの宣伝効果はなくなります。その影響はまわりまわって、チームの活動費が減ることを意味します。チームの活動費が減ると、レースが再開した時に、勝てる可能性のあるレースが減ることにもなりかねません。

そのため、3月下旬からいくつかのプロチームが、選手やスタッフのサラリーを一部あるいは一時的な削減を表明し始めました。

まず、最初に動いたのは、人気者のティム・ウォレンス選手やトーマス・デ・ゲン選手を擁するロット・ソウダルでした。

今回のレースキャンセルにより、同チームのメカニックやドライバー、マッサージャーといったチームスタッフ約25人がレイオフ(一時解雇)となりました。このことを聞いたロット・ソウダルの選手たちは、このコロナウイルスによるレースの中断期間に受け取る自分たちのサラリーの一部を、チームへ返上することを決定します。この判断は、選手たちにより自主的になされたものでした。

次いで、アスタナ・プロ・チームが、少なくとも今後3か月間は選手とチームスタッフ全員のサラリーを30%削減することを発表します。アスタナは今年の1月と2月分のサラリーの支払いが遅れており、もともとチームの経済状況に問題を抱えながら、今年のシーズンを迎えていました。

バーレン・マクラーレンも減給に、ブルゴスBHは選手も解雇

今年のブエルタ・アンダルシアに出走したバーレン・マクラーレン。Photo by Yukari TSUSHIMA.

そして4月になると、今度はチーム・バーレン・マクラーレンが、3月から5月分までの選手の給与の70%を削減すること発表しました。しかし、一方で、この削減された70%分のサラリーは、後日チームから支払われる予定との情報もあります。

とはいえ、ロット・ソウダルとアスタナそしてバーレン・マクラーレンのケースでは、選手とチームの間の契約関係は今までと変わらずに維持されている状態にあります。しかし、中にはすでに選手たちのレイオフに踏み切ったチームもあります。

スペインのブルゴスBHは、3月30日付で、選手20人とチームスタッフ全員のレイオフを決定しました。この決定により、選手とチームとの契約関係は一時的に凍結され、その間、選手にサラリーが支払われることはありません。

選手やスタッフのレイオフを決定したブルゴスBH。写真は今年のブエルタ・アンダルシアにて。Photo by Yukari TSUSHIMA.

読めない今後の展開、そして広がる南北の環境の差

現段階(4月3日)で確かなことは、UCIは早くても6月1日以降のレース再開を考えていること、そして、11月31日まで今年の自転車シーズンが延長されることの2点です。

そして、サイクリストやチーム関係者またレースの主催者等は、遅くとも夏までにはレースが再開されることを期待して、この苦しい時期を乗り切ろうとしています。

しかし、たとえばスペインでは現在外出禁止令が発令されており、選手たちは外でトレーニングすることができません。

その一方で、同じヨーロッパでもオランダやドイツでは選手が外でトレーニングすることは認められています。そのため、レースが再開後の選手たちのコンディションの違いを心配する声もあります。

こうした状況で、選手たちは一日も早くレースが再開される日を待ち望んでいるのです。

※原稿は2020年4月2日時点のものです。

 

著者紹介
對馬由佳理
スペイン在住。当地で10年以上ファンとして自転車レースを追いかけた後、ジャーナリストへ転向。スペインで開催される男子のレースはもちろん、女子のレースやパラサイクリングも取材経験あり。
Twitter: @TsushimaYukari
Instagram:yukaritsushima1

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BiCYCLE CLUB 編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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