医師が教えるサイクリストのためのwithコロナ対策
Bicycle Club編集部
- 2021年01月08日
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1月8日、関東の1都3県が「緊急事態宣言」の対象地域になった。withコロナが求められるなかで、自転車は密を避けて移動できる手段、さらに健康維持のための運動としてのエクササイズとしても注目を集めている。
改めてサイクリスト向けのコロナウイルス感染症(COVID-19)対策はどうしたらいいのか? 強豪ホビーライダーとして知られる医師、メディカルサイクリストとして活動している本田母映先生にQ&A形式で話を聞いた。
2020年4月、前回緊急事態宣言が出された当時、同様の感染対策記事を掲載しているが、状況が当時とは変わってきている。前回はvsコロナといった状況下だったが、
(取材は2021年1月8日現在です。事態の変化により変わり可能性があります。行政からの最新の情報を確認ください)
メディカルサイクリスト本田母映先生が教えるQ&A
Q.感染対策はどうしたらいいですか?
飛沫予防策と接触予防策をきちんと行うことが大切です。下記の3つのすべてそろう場合にのみ、感染が成立します。逆にいうとこの3つの条件の1つでもそろわなければ感染は成立しません。
- ウイルス(感染源)の存在
- ウイルスが体に入る
- 体に入ったウイルスが増殖する
つまり、3つがそろわないように複合的に感染対策を行います。
具体的な対策方法
- 感染源がありそうな場所に行かない、人や物に触れない
- ウイルスが体内に侵入しないように、感染経路を断つ(手指衛生、咳エチケット、環境の除菌)
- 体内でのウイルスの増殖を防ぐために、免疫力を高める
Q.自転車に乗る際に気を付けることはありますか?
ここではサイクリスト向けに、具体的に気を付けたいことをまとめてみました。
- ライド中はなるべく顔を触らない。
- 物を触る前後は、手をアルコールで消毒する。
- 換気が悪く、人が集まって過ごすような空間、不特定多数の人が出入りする場所へは立ち寄らないようにする。
- 毎日体温を測り、体調不良(特に発熱や咳)の場合は自転車に乗らない。
- 高齢者、妊婦、持病持ち(特に呼吸器系疾患)の方は感染した場合に重症化する可能性や致死率が高いため、そのような方と同居している場合は、特に感染予防・感染拡大防止に努め、不要不急の外出は自粛すべき。
- 感染拡大地域や感染のリスクが高い場所に行った場合、2週間はグループライドへの参加を自粛する。
Q.ライド中にマスクの着用は必要なのでしょうか?
運動中のマスクの着用の是非については、専門家の間でも議論が分かれるところです。運動中にもマスクをした方がウイルスの飛散を防げる一方で、運動中にずれてくるマスクを触って手を汚染したり、呼吸がしにくいなどのデメリットもあります。
ただ、自転車に乗る際にもマスクは用意しておき、お店や人込みに立ち寄る際にはマスクを着用するようにしましょう。
- ライド中のマスク着用は、走る地域やコース、人数などに合わせて、メリットやデメリットを考えて判断する。
- お店や人込みに立ち寄る際は着用することが推奨される。
- 一人で走っていても通行人等に飛沫拡散する恐れがあることは念頭においておく。
- マスクはフィルター部分を触らない事が原則であるが、サイクリングの場面では現実的に難しい。(例;サングラスが曇ったためマスクを触って位置を調整する。鼻水が垂れてきたためぬぐうなど。)そのため、触った後に消毒するという対応が大切と思われる。具体的には手洗い、アルコールティッシュで手を拭くなど。
- 着脱方法は、フィルター部分を触らず紐部分のみ掴んで着脱すること。
今、自転車を楽しむために
自転車に乗る際の注意点をお伝えしてきましたが、適度な運動は健康の維持、体力作りや免疫力の向上に良いとされています。新しい生活様式にストレスを感じていたり、気持ちが落ち込んでいる人も多いと思うので、気分転換や精神を安定させるためにも感染対策を理解し実施した上でのサイクリングは許容されると考えています。
現在は、自宅にいながら仲間と一緒にサイクリングを楽しめるバーチャルライドも人気ですので、新しい生活様式ならぬ、新しいライド様式を取り入れてみるのもいいかもしれませんね。
例えば、私の住んでいる新潟県ではZwiftというサイクリングアプリで仲間とバーチャルライドを楽しむ取り組みをしています。外乗りにこだわらなくてもサイクリングを楽しむための工夫も行われています。
こんなときでも、創意工夫で自転車を楽しんで、汗と一緒に不安やストレスを流しましょう!ラ~イドオン!!
医師 本田母映
2015年に自転車漫画「弱虫ペダル」に影響を受けてロードバイクに乗り始め、2016年からはトラックレーサーにも乗る。現在は勤務医として働きながら、国体や実業団レースに参加する。日本初のインターナショナル女子チーム、High Ambition 2020 jpに所属。主な戦績:ツールド沖縄市民レース 優勝(2017年)、Mt.富士ヒルクライム 3位入賞(2017年)、国民体育大会新潟県代表(2019, 2018, 2016年)、Zwift national championship 優勝(2018年)など。ブログメディカルサイクリストでは、救急救命士の夫と情報発信を行っている。
※新型コロナウイルス(COVID-19)に関する最新情報は 厚生労働省 や 首相官邸、お住まいの各自治体など公的機関の情報でお確かめください。
参照
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html
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