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冬の新潟でバーチャルサイクリング! 夫婦がエベレスティングで標高8848m上り切る

1月9日、自転車でエベレストと同じ標高8848mを走る「エベレスティング」に新潟に住む本田竜介、母映夫妻がチャレンジした。本田夫妻が走ったのは屋外ではなく、インドアでバーチャルサイクリングZwiftを利用してのエベレスティングチャレンジだ。

本田夫妻はメディカルサイクリストとして活動、夫の竜介さんが救急救命士、妻の母映さんが医師という医療関係者だ。WEBでもサイクリストのためのコロナ対策を書くなど、Withコロナでのサイクリングの楽しみ方を紹介してきている。今回は「エベレスティング」にチャレンジしたことで、コロナ禍、さらに大雪にも見舞われている新潟でもサイクリングを楽しめることを配信し、多くの共感を呼んだ。ここでは本田夫婦のチャレンジの様子を聞いてみた。

3連休を使ってチャレンジする計画、深夜3時30分にスタート

今回企画したきっかけはなんですか?

昨年、強豪ホビーレーサーの高岡さんをはじめ、エベレスティングチャレンジが流行りました。自分たちもいつかはやってみたいという想いがあり、2021年の目標のひとつに掲げました。

コロナ禍で多くのレースやイベントが中止となり、レースを目標に日々のトレーニングに励んでいる私たちはモチベーションの維持が難しくなりました。でも、こんなときだからこそ、レースとは違うことにチャレンジしてみるチャンスだと前向きに捉え、今回のチャレンジに至りました。

どんな計画でおこないましたか? 目標タイムやスケジュールを教えてください。

計画

エベレスティングチャレンジの体へのダメージが想像できなかったので、3連休の初日に実施することにしました。残りの2日は休息日をいうことで・・・(笑)。コースはZwiftのAlpe du zwiftという距離12.22km、 標高差1036m、勾配8.5%のセグメントを9往復することにしました。

コース選択の理由
  • 走りなれているコースであること(1回の登坂タイムや下山タイムを把握しているため、目標タイムが計算しやすい)
  • ある程度長く勾配のあるコースの方が、標高差を稼ぎやすい
  • 1回で約1000mなので、9回上ればちょうどよく終わる(※エベレスティングチャレンジは8849mを登った地点で終了でなく、山頂まで登り切らなければならない)
目標タイムとスケジュール

1往復1.5時間と計算して、実走行時間は約14時間と予想。補給やトイレ休憩も考慮して実際の経過タイムは15時間程度になると考え、3時半スタート18時半終了の計画にしました。

実際にやってみていかがでしたか?

無事にやり遂げられてほっとしていますし、何より楽しかったです! しかし、きつかったです(笑)。獲得標高5000mまでは順調に走れていましたが、それ以降だんだんと疲れが出てきて、特に7000mを超えたあたりからは、精神的にも身体的にもつらい時間でした。

母映

私は、7本目が完了した7200m地点まではほとんど一定ペースで順調に走れていたのですが、徐々に空腹を感じるようになったためハンガーノック防止にと思って8本目のスタート前にもりもり食べたんです。そしたら、8本目スタート時から逆に身体に力が入らなくなって、おなかも苦しくてつらい終盤戦になってしまいました。胃の中のものが吸収されている感じがしなくて、消化吸収能力が落ちていたのかなと。次からはカーボローディングと計画的な補給が必要だなと感じました。

竜介

自分は序盤(5000mまで)に想定よりややオーバーペースで登ってしまい、後半は脚が無くなって垂れる「黄金のタレ」の状態となってしまいました。また、5000m以降の後半はサドルとの接地面が長時間圧迫される事により痛みが出始めた事が辛かったです。やむを得ずダンシング率が高くなっていきました・・・(笑)補給に関してはこまめに摂るよう意識して、1回の補給量は抑え目にしたため内臓系は最後まで問題なく機能してくれたと思います。

経過時間やパワーデータ

エベレスティングを達成した瞬間の画面、Zwift内で8849m上ると、バッジがもらえます!

竜介:走行時間 11時間46分 経過時間 12時間19分
母映:走行時間 13時間12分 経過時間 14時間26分

 

2人のタイムとパワー
竜介(58㎏) 母映(51kg)
1本目 1:02:21(183w) 1:07:23(150w)
2本目 1:01:20(186w) 1:07:40(150w)
3本目 59:11(194w) 1:07:05(151w)
4本目 1:01:55(185w) 1:08:02(149w)
5本目 1:01:45(184w) 1:07:09(151w)
6本目 1:03:46(178w) 1:11:06(142w)
7本目 1:09:29(162w) 1:09:27(146w)
8本目 1:13:43(152w) 1:26:44(117w)
9本目 1:08:38(165w) 1:44:43(95w)

この日の総走行距離は233㎞ 獲得標高は9380m

励みになったことはなんですか?

竜介さんがZwift上で応援メッセージをもらっているところ

Zwift内やSNS上で応援メッセージをいただき、力になりました!わざわざzwift内の同じコースに応援にきてくれた方もいて、その時は頑張って踏めましたね(笑)。また、偶然だと思うのですが、海外の方が複数人で同じ時間に同じ場所でバーチャルエベレスティングに挑戦しており、お互いに励ましのメッセージのやりとりができたのもバーチャルサイクリングならではの面白さだったと思います。

応援していただきまして、本当にありがとうございました!

夫婦で達成はなかなかないと思いますが、2人だからこそできたエピソードなど教えてください。

二人にとって未知の獲得標高、走行時間だったため、一人だったらなかなか挑戦への一歩を踏み出せなかったかもしれませんが、二人だったらできるかも!?と思えました。上るペースが違うので同じコースにいても走っている場所は違いますが、現実世界では隣でローラーに乗っているため、「あと少しで山頂だね!」などの声掛けでお互い励ましあうことができました。

また、隣でそれぞれが頑張っている姿を見ていたため、お互い心の中で(これはさぼれないな…)と思っていました(笑)

竜介

(妻に遅れをとるわけにはいかない…)

母映

(女子だからといって、大きく遅れるのは嫌だ!)

という心境でした。一緒に上ろうという気はさらさらなくて、「ゴールの瞬間は2人同時で!」という発想もなかったですね(笑)今から思い返せば、一緒にゴールすればよかったかもしれません。

達成するためのコツや準備があれば教えてください

走り方のコツ
  • 抑えめで走る
  • 一定ペースを心掛ける
  • ダンシングをしたり、サドルに座る位置を変えるなど、使う筋肉を分散する
ウエアを工夫する
  • 汗冷え防止や不快感の軽減のために、こまめに着替える
  • 衣擦れ、おまたのおでき防止にシャモアクリームやワセリンを使用する。

汗冷え対策のために何度も着替えた。ローラーは実走と違って風で汗が乾くってことがないので、着替えは大切だ

補給食の準備

補給食はたっぷりと用意。甘いものとしょっぱいものをバランス良く用意しました。パン大量・肉まん・うどん・作り置きのカレーなど、大きな休憩でたっぷり食べるより、少量ずつこまめな補給をした方が内臓系のダメージが少ないと考えました。ただ、ジェル系は摂らなかったです。水分はBCAAを溶かしたものにマルトデキストリンやパラチノースを混ぜたものや、真水も用意しました。

母映

個人的にはうどんが良かったです。つるつると食べられて消化吸収もいいので。

竜介

カレーが美味しかった(おい!)。

 

足を止めていてもアバターは下山してくれるので、この間にトイレや補給などを済ませることができる。

バーチャルエベレスティングの場合、下山中は自転車から降りてもいいというルールなので、ストレッチをしたり着替えたり、トイレに行ったり補給したりできました。

これからチャレンジする人に向けて、アドバイスがあれば教えてください

目標にチャレンジできたこと、やり遂げられたこと、その両方に達成感があります。

今後、違う目標にもチャレンジする自信にも繋がりました。夫婦で一緒に頑張ったことで達成感を共有できたので、皆さんもお仲間を誘ってやってみるのもいいかもしれません。(さぼれない理由にもなります。笑)

母映

エベレスティングチャレンジをいきなりするのは難しいと思い、難易度を少し下げた富士山ing(獲得標高3776mを目指すチャレンジ)をZwift内の同じコースで昨年12月にやりました。登坂タイムの確認や、どれくらい補給が必要かを確認しました。エベレスティングにおいても、半分までは登りきれるという自信がついたので、富士山ingをやっておいてよかったと思います。

竜介

Zwiftで平坦コース8時間300kmを走った事がありました。その時はひたすら淡々と脚を回していただけで、平坦なので脚を止めるタイミングも無かった事がなかなか辛かったです。今回のエベレスティングチャレンジは概ね1時間走って10分休むというサイクルが脚休めとしても補給を摂るタイミングとしても良かったですね。

 

最後に、コロナ禍でもできる楽しみ方なので、皆さんもぜひ挑戦してみてください! ラ~イドオ~ン!!

プロフィール

りゅーじ(本田竜介)

救急救命士で妻のもえまぐろ(本田母映)とともにメディカルサイクリストとして活動。ヒルクラㇺを得意とし、新潟ヒルクライムでは男子Bで優勝。「バーチャルレース新潟県選手権2020」には自身も参加し、僅差で2位ゴールとなっている。

もえまぐろ(本田母映)

2015年に自転車漫画「弱虫ペダル」に影響を受けてロードバイクに乗り始め、2016年からはトラックレーサーにも乗る。現在は勤務医として働きながら、国体や実業団レースに参加する。日本初のインターナショナル女子チーム、High Ambition 2020 jpに所属。主な戦績:ツールド沖縄市民レース 優勝(2017年)、Mt.富士ヒルクライム 3位入賞(2017年)、国民体育大会新潟県代表(2019, 2018, 2016年)、Zwift national championship 優勝(2018年)など。ブログメディカルサイクリストでは、救急救命士の夫と情報発信を行っている。

メディカルサイクリストWEBサイト
https://medicalcyclist.com/

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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