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悲劇のトーマス、ウッズが山頂フィニッシュで勝利、総合優勝へ|ツール・ド・ロマンディ

スイス西部で開催中のツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)は、現地51日に第4ステージが行われた。今大会のクイーンステージとされた、標高2000m超の山頂フィニッシュに一番に到達したのはマイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネイション、カナダ)。ステージ優勝とと合わせて、個人総合首位に立って最終日を迎えることになった。ウッズと競ったゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)がフィニッシュ前50mで落車し、ステージ優勝を逃すハプニングも発生している。

残り50mでトーマス落車、思わぬ形でウッズに軍配

大会期間中で最も厳しいステージを迎えた。シオンからティヨン2000までの161.3kmに設定されたこの日は、前半から1級山岳を含む複数の上りをこなして、最後は標高2090mのフィニッシュ地点に向かって約20km上り続ける。ティヨン2000は平均勾配7.6%、最大勾配11%。フィニッシュ手前6kmから急斜面になり、頂上を目指す選手たちの行く手を阻む。なお、このステージの獲得標高は4157m

前日からの天候不良により、第4ステージはスタートを2時間前倒し。未出走の2人をのぞく129人が一斉に出発すると、ファーストアタックをきっかけに早い段階で逃げグループが形成された。

7人の飛び出しが容認されると、メイン集団に対して5分ほどの差でレースを先導。中盤を過ぎてからは、脚の合わない選手を切り離しながら集団とのタイム差を維持して進行した。

©︎ KEYSTONE/Jean-Christophe Bott

逃げとメイン集団の形勢に大きな変化が生まれないまま、この日最後の上りであるティヨン2000へと突入。すると、先頭に残ったのはマグナス・コルト(EFエデュケーションNIPPO、デンマーク)とシモーネ・ペティッリ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)の2人。さらには、残り9kmとなったところでコルトがペースを上げてペティッリを引き離し、独走態勢に持ち込んだ。

一方、リーダーチームのモビスター チームやトーマスを擁するイネオス・グレナディアーズが主にコントロールを担っていたメイン集団は、上りの中腹あたりから本格的に先頭とのタイム差を縮めていく。5分台だったその差は、残り5kmを迎えたところで約3分とした。

すると、急勾配を利用してルーカス・ハミルトン(チーム バイクエクスチェンジ、オーストラリア)とウッズが立て続けにアタック。これにベン・オコーナー(AG2Rシトロエン、オーストラリア)も続き、逃げグループからこぼれてきた選手たちをパスしながら最前線を目指す。この3人の中ではハミルトンが先に遅れると、ウッズが再度ペースを上げてオコーナーも振り切った。

この間、先頭では一度遅れたペティッリが盛り返してコルトをパス。頂上まで残すは4km、逃げ切りのわずかな可能性に賭けて懸命に上り続けた。

だが、この直後にウッズがペティッリに追いつき、そのまま追い抜く。勢いの差は歴然、後方から追いあげてくる選手たちのスピードが勝った。ウッズの後ろでは、ファウスト・マスナダ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イタリア)とトーマスがスピードアップ。ここにリーダージャージのマルク・ソレル(モビスター チーム、スペイン)もついたが、やがて引き離され、ジャージの防衛が厳しい状況に。トーマスはもう一段階ギアを上げると、マスナダを置き去りにするとともにオコーナーも追い抜いて猛然とウッズに迫る。そして残り2.2km、ついにウッズへの合流を果たした。

©︎ KEYSTONE/Jean-Christophe Bott

個人総合2位でスタートしていたトーマスは、このままフィニッシュするとリーダージャージを得ることもあり、ライバルとのタイム差拡大を優先。ウッズを引き連れながら、自身は前へ出て牽引を続ける。そのまま残り1kmのフラムルージュも通過し、ステージ優勝は両者のうちどちらかのものとなるのが濃厚な情勢になった。

先に仕掛けたのはウッズ。残り500mでアタックするが、トーマスがすかさずチェック。フィニッシュまで100mのところでトーマスが前へ出ると、それを許すまいとウッズも横に並ぶ。山頂征服をかけた争いだったが、まさかの事態が発生する。

あと50mのところでトーマスがハンドルにかけていた手を滑らせ、バランスを崩して落車してしまったのだ。スプリント態勢に入っていたウッズはそのままフィニッシュへ。雨中の頂上決戦は、思わぬ形で幕切れとなった。

©︎ KEYSTONE/Jean-Christophe Bott

トーマスは結局、後ろから来たオコーナーにもかわされて3位に後退。リーダージャージ奪取のチャンスがフィニッシュ目前で滑り落ちる格好になってしまった。

©︎ KEYSTONE/Jean-Christophe Bott

このステージを終えて、勝利したウッズが個人総合首位に浮上。リーダージャージに袖を通して最後の1日を迎えることになった。トーマスとオコーナーがそれぞれ総合タイム差11秒と21秒で追う立場に。また、首位でスタートしたソレルは4位に順位を下げている。

大会は残すところあと1日。フリブールを発着とする16.19kmの個人タイムトライアルで、6日間の熱戦に終止符が打たれる。ここまでのロードレースステージと同様に、タイムトライアルコースも変化に富む難コース。スタートから1kmを過ぎたところでパヴェ(石畳)の上りが700m続くほか、フィニッシュ手前でも急坂が待ち受ける。レース距離こそ短めながら、タイムトライアル能力と登坂力が試されるレイアウトとなっている。

ステージ優勝、個人総合首位 マイケル・ウッズ コメント

©︎ KEYSTONE/Jean-Christophe Bott

「今日のレースには本当に満足している。チームのレース構築と自身の脚の感覚に手ごたえがあった。チームメートは私を前へ送り出すために素晴らしい働きをしてくれた。特にマッド(マッズ・ウルスシュミット)が逃げに入ってくれたことで、最後の上りまで楽にレースを進めることができた。

トーマスが落車してしまい、このような形で個人総合首位に立つのは心苦しいが、ワールドツアーのレースでリーダージャージを着ることはいつだって特別だ。この状況はとても誇らしいし、残る1ステージで総合表彰台に立てるよう全力を尽くしたい」

ツール・ド・ロマンディ2021 第4ステージ(161.3km)リザルト

1 マイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネイション、カナダ) 4:58’35”
2 ベン・オコーナー(AG2Rシトロエン、オーストラリア) +0’17”
3 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス) +0’21”

個人総合時間賞
1 マイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネイション、カナダ) 17:37’35”
2 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス) +0’11”
3 ベン・オコーナー(AG2Rシトロエン、オーストラリア) +0’21”

各賞ライダー

個人総合時間賞 マイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネイション、カナダ)
ポイント賞 ソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)
山岳賞 コービー・ホーセンス(ロット・スーダル、ベルギー)
ヤングライダー賞 テイメン・アレンスマン(チームDSM、オランダ)
チーム総合 イネオス・グレナディアーズ

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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