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LOOK・795 BLADE RS【ハシケンのロードバイクエクスプローラー】

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軽さを手に入れてレスポンスに磨きをかけた期待以上の正常進化

本連載では、毎月ロードバイクの最先端というべき各ブランドのフラッグシップモデルに乗る機会に恵まれているが、ここ2〜3年ほどはディスクブレーキ仕様のエアロロードがトップトレンドだ。2021モデルのなかには軽量を打ち出したモデルも登場してきてはいるが、主流はエアロであることに変わりはない。そのようななかでの795ブレードRSは、まさに昨今のトレンドモデルだろう。

じつは2年ほど前に前作モデルに乗っていた(リムブレーキバージョン)が、そのときの印象を過去の試乗メモから振り返っておこう。パキパキのスパルタンな反応ではなく、踏ん張りが利き、踏み込むごとに伸びやかな加速感を得られる。操縦性、つまりステアリング性能は総じてマイルドな印象とあった。

そうだ、795ブレードRSは、リアの3Sデザインといい、個性的でアグレッシブなフォルムにもかかわらず、その走りはラグジュアリーだった。そんなイメージを持ちながら、新型モデルの進化を感じ取ることにした。

そのファーストインプレッションは、ダイレクトに路面を捉えるレーシングな感覚は残しつつも、やはりラグジュアリーだった。踏み込みに対して硬さを感じず、入力に対する出力は素直で、推進力をスムーズに得られる。これだけでは、いい言葉並べのインプレッションになってしまうので、もう少しその真価に踏み込みたい。

ところで、エアロかライトウェイトかと問われれば、個人的な好みとしては後者だ。どんなに空力性能のすばらしい数値を並べられても、足を引っ張るような重量感はマイナス要素でしかない。その点、前作の795ブレードRSは及第点だった。悪くはないが、特別ひいきにするでもなかった。

ところが、新型では空力性能はそのままに、システム重量で300gもの軽量化を実現。その恩恵は、しっかりと走りに現れている。まずゼロスタートから時速30km程度までのスピード域の加速性能に磨きがかかっている。ダンシングでトルクをかけても、バイクの振りの軽さを感じられる。絶対パワーが高くないアマチュアレーサーでも、速度変化の激しいロードレースやクリテリウムの局面で、しっかりついて来てくれる軽快な運動性能を有している。

剛性が高すぎないペダリングの入力感と、そこから生まれる推進力のマッチは、ヒルクライムシーンにおいても気持ちがいい。ホイールのチョイスさえ間違わなければヒルクライムにおける満足度も高い。

平均勾配5%台のMt.富士ヒルクライムなら795ブレードRSで勝負をかけたくなる。山岳でアグレッシブに攻めるなら、7 85ヒュエズという絶対的な存在があるが、ラグジュアリーなフィーリングを好み、一定ペースで刻んで自己ベスト更新を目指すなら795ブレードもオススメしたい。それくらいフレーム剛性を最適化して軽さを手に入れた新型の登坂性能は高まっている。

795ブレードの新テクノロジー、3Sデザインもいい働きをしてくれている。いわゆる長時間走行時の乗り心地のよさというよりは、路面とのタッチが穏やかになり、効果がトラクション性能に生かされている印象が強い。ダッシュをかけたとき路面をしっかり捉えてくれる安心感といったところが魅力だ。

新型モデルではロード専用エアロポスト3へと進化させるなど、性能をロードに特化させる方向へ進み、軽さを手に入れた。前作から空力性能は維持しつつ、軽量化を果たすという、エアロロードの王道的な進化を見せたと言える。

かつての695のような専用設計のデパートのようなモデルではないが、遠目から見てもしっかりとルックとわかる個性は魅力的だ。また、まぎれもないトップモデルでありながらも、フレームセットで50万円を切るプライスは昨今のハイエンドモデルのインフレ時代のなかで特筆すべき点だ。

軽さを手に入れたエアロロードは、期待以上の正常進化とともに新たなステージへ駆け上がった。

 

SPECIFICATION

LOOK/795 BLADE RS DISC

完成車価格:138万円(シマノ・デュラエースDI2ディスク/税抜)
価格:48万4000円(リムブレーキも同価格)専用ADSステム、専用フォーク+ヘッドパーツ、専用エアロポスト3付属
■フレーム:UHM60t、HM46t、IM30t、HR24tカーボン、ほかファイバー
■ステム:専用ADSステム(XS=90mm、S=100mm、M・L=110mm、XL=120mm)
■シートポスト:エアロポスト3 カラー:プロチームホワイトグロッシー(写真)、ブラックメタリックレッドマット、カーボンシャンパーニュマット、カメレオンマットグロッシー
■サイズ:XS、S、M、L
■リムブレーキフレーム本体重量:950g(未塗装・Mサイズ)、1050g(塗装済み・Mサイズ)

今回のテストバイク仕様
■ハンドルバー:ADH2カーボンハンドルバー
■ホイール:マヴィック・コスミックプロカーボンSL UST
■コンポーネント:シマノ・デュラエースDI2
■試乗車参考重量:7.3kg(Sサイズ・ペダルレス)

GEOMETRY

問:ユーロスポーツインテグレーション  www.eurosports.co.jp

 

ハシケンのロードバイクエクスプローラーの記事はコチラから。

「ハシケンのロードバイクエクスプローラー」一覧

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PROFILE

ハシケン

Bicycle Club / スポーツジャーナリスト

ハシケン

ロードバイクに造詣が深いスポーツジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライムの一般クラス優勝、ツールド宮古島優勝。UCIグランフォンド世界大会への出場経験あり。

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ロードバイクに造詣が深いスポーツジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライムの一般クラス優勝、ツールド宮古島優勝。UCIグランフォンド世界大会への出場経験あり。

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