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王者キナンを脅かす走りを見せた那須ブラーゼン谷順成|JCL

7月10日、JCL 広島トヨタ・広島ロードレース、新城雄大らキナンサイクリングチーム(以下キナン)4名の圧勝劇で幕を閉じたレースで最後まで最前線で戦ったのが那須ブラーゼンの谷順成だった。

2017年、今大会のホストチームであるヴィクトワール広島にプロ入りし、2020年に那須ブラーゼンへ移籍、今シーズンはチームのキャプテンとして第二の故郷である広島に戻ってきた。レース終盤チーム右京の吉岡とともにキナンサイクリングチームのの猛攻に立ち向かった谷、特にラスト1周を目前に繰り広げた渾身のアタックは大会のハイライトのひとつとしてファンの心に強い印象に残した。翌日のクリテリウムでも好走をみせた那須ブラーゼン、チームの好調を支える谷順成のレースを振り返ってみた。

序盤が決定づけた勝利への最終便

雨天でトリッキーな路面状況の中スタートしたレースは、1周目からキナンの山本、宇都宮ブリッツェンの小野寺らが攻撃的なスピードアップで集団を引き延ばす。パワーで駆け上がるクライムの後にゆるい下りで踏まされるコースレイアウトに、2周目には早くも集団が大きく分断された。

「1チーム6名編成で総人数も50名程のJCLのレースは、主力勢を含んだ大きな逃げの追っ手になる展開が非常に危険。那須ブラーゼンは西尾、柴田と自分をエスケープに乗せた事で先手を取りました」

そして、宇都宮ブリッツェン、チーム右京、そしてキナンがエースをここに乗せたことで後続と大きくタイム差が離れ17名の逃げ集団がメイングループ化、序盤にして一気に勝負が絞り込まれた。

「このメンバーの中で勝者が出ると感じたどき、レースは3、7周目のスプリント賞、4、7周回の山岳賞という中間賞の動きに細心の注意を払いました」

しかし谷はこれらの賞を巡る動きに同調するだけで獲りには行かなかった。
今季那須ブラーゼンは、日本代表としてオリンピックを走り、シマノレーシング、宇都宮ブリッツェンのエーススプリンターとして活躍した鈴木真理氏(現 トゥルースバイク代表)をコーチに迎え、大会に向け入念なシュミレーションを行なっていた。

「僕は当初山岳賞を獲りたいと思っていましたが、真理コーチから『レースは中間賞争いの流れで動く、谷はゴールだけを狙って欲しい』とオーダーがありました。」

谷はアシストの柴田と西尾にメイングループ内で分かれてポジショニングし、人数を減らすアタックを指示、集団を揺さぶった。

4対1のなかでイチカバチカに掛けた谷

そしてレースは憶測どおり山岳賞とスプリント賞を同一周回に迎える7周目に大きく動いた。谷がすかさず飛びつくとレースはキナン4人、チーム右京吉岡、そして谷の6名に…残りは3周いよいよレースはクライマックスが近づいてくる。

「キナンの枚数の多さには正直焦燥しました。戦線に残った中で自分が一番経験が浅い。ここで自分が勝つ方法は…」

後続との距離が開くとキナンの畑中を司令塔に中心にいよいよキナンの奇襲攻撃が始まった。先行を捉える度に次のアタックが繰り返される展開に気迫で追走する谷。ラスト2周、ファンの目にはこのまま力尽きてしまうのでは…と映った矢先に山本大喜、そして続く元喜のアタックに乗じて谷が最もきつい登坂区間で猛然と飛び出した。一気にバラける6名にハッと息を呑んだ瞬間だった。

「圧倒的な不利な状況での最大のチャンスとみたこのタイミングが1周早かった……キナンがバラけたメンバーをすかさず纏めて下り区間で追いつかれると一気に形勢が逆転してしまいました」

谷の渾身の一撃は失敗、ラスト半周で力尽きるとレースはキナンの表彰台独占を許してしまった。

「悔しい…、ここはプロ選手になったきっかけの地。勝ちを目指して広島に来た…。これまでレースの上位に入ることはあったけど、表彰台がこんなに近くて遠いものであると改めて思い知りました」

顔を泥々に汚しレースを戦い抜いた谷への応援は止まなかった。手に汗を握るレースの迫力や面白さを魅せてくれた谷の次のファイトに注目したい!

那須ブラーゼン 谷順成

1994年8月4日 O型
身長/体重:171cm 66kg
スポーツ歴:バレーボール 4年、サッカー 8年、自転車 7年目

チーム遍歴

2014-2016  関西大学自転車部
2017     ヴィクトワール広島
2020~    那須ブラーゼン

 

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第5戦は、8月8日に大分県オートポリスにて開催

JCL ロードレースツアー2021 第 4 戦 広島トヨタ広島クリテリウムで優勝した沢田桂太郎(スパークルおおいたレーシングチーム)。地元初開催となるレースでもの活躍に期待したい。

「三菱地所JCLロードレースツアー2021」の第5戦が、8月8日(日)大分県のオートポリスにて行われる。「第5戦 コーユーレンティアオートポリスロードレース」には、今年チームを設立したスパークルおおいたレーシングチームも参戦。広島のクリテリウムで白星を挙げたチームにとって、初の地元開催レースとなる。

 

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JCLロードレースツアー2021公式ホームページ
https://www.jcleague.jp/

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PROFILE

管洋介

Bicycle Club / 輪界屈指のナイスガイ

管洋介

アジア、アフリカ、スペインなど多くのレースを走ってきたベテランレーサー。アヴェントゥーラサイクリングの選手兼監督を務める傍ら、インプレやカメラマン、スクールコーチなどもこなす。

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