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CERVELO/R5 DISC【日本バイシクル・オブ・ ザ・イヤー2022】

「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2022」にノミネートされたCERVELO/R5 DISC。
その概要と、選考委員安井行生と編集部山口による試乗レビューをお届けする。

あえて剛性を落として軽量化したクライミングモデル

第4世代としてフルモデルチェンジを果たし、ピュアクライミングバイクとなったR5ディスク。昨年チーム・ユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチが駆り、クラシックレースからそのままブエルタ・ア・エスパーニャでの3年連続総合優勝にも貢献したモデル。
シートチューブ、シートステー、トップチューブなどのカーボン積層を見直し、前作からフレーム単体で130gもの軽量化を果たしている。51サイズ以下だと700gを下まわる超軽量を実現。こうした軽量化は、より軽さを求めるプロ選手からのリクエストに応えた結果だ。
同時に前モデルの供給を受けた選手から指摘されたのは「スルーアクスルなど先端部分の剛性過多」。これをきっかけに、Rシリーズにおける剛性重視の思想自体を見直し、剛性をあえて落とすことでハンドリングの安定性や快適性を高めている。いっぽうでエアロダイナミクス方面にも抜かりはなく、ほぼケーブルフル内装となったハンドルバー&ステム(一体型ではない)の採用で抵抗値を25g減。タイヤクリアランスの拡張エアロフローなどでも空力性能の向上を図っている。

サーヴェロ・R5 ディスク

価格:159万5000円(シマノ・R9270デュラエース完成車)、69万3000円(フレームセット一部パーツ込み)

DATA

●フレーム:カーボン ●フォーク:カーボン ●コンポーネント:シマノ・デュラエースDI2(R9100) ●ホイール:トーケン・ベントス ●タイヤ:パナレーサー・レースAエボ4 ●サイズ:48、51、54 ●試乗車実測重量(ペダルレス):6.80㎏
問:東商会
http://www.eastwood.co.jp

硬いのになぜか踏める登坂競技専用車
安井行生

R5ディスクもRP9と同様、斬新で先鋭的なコンセプトや時代性は持たないし、コスパがいいとは言えない。しかし、R5の「フレーム剛性は高いのに高負荷下での嫌な硬さが少ない」こと、それに伴って「硬くて速いのに踏める仕立てになっている点」は評価に値すると判断した。高い駆動剛性と快適性の両立、クイックだが扱いやすいハンドリングなど、登坂を主戦場とするレーシングバイクとしての完成度の高さは屈指のレベルにある。6種類もあるサイズ(日本に入ってくるのは4サイズのみだが)や、真っ当なジオメトリーも高評価ポイントだ。

一枚重いギヤが踏めるようになる高い戦闘力が魅力
山口博久

サーヴェロは開発にこだわるブランドで、空気抵抗やフレームの剛性などいまではあたりまえとされる指標をいち早く取り入れてきた。近年ではカレドニアに代表されるような、乗り心地やライドフィールを重視する同社がクライミングバイクとして出したのがR5ディスクだ。その味付けは腕っぷしでぐいぐい上れるバイクだった。乗り出しでその硬さに驚くが、乗り慣れてくると、縦方向にプッシュするとスピードが伸びていくバイクだ。レースならいつもより一枚重めのギヤをかけられる、高い戦闘力をもったマシン。その走りの性能を高く評価した。

 

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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