MERIDA/SCULTURA TEAM【日本バイシクル・オブ・ ザ・イヤー2022】
Bicycle Club編集部
- 2022年01月30日
「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2022」にノミネートされたMERIDA/SCULTURA TEAM。
その概要と、選考委員ハシケン、難波賢二による試乗レビュー、さらにモデルの深掘りレポートをお届けする。
進化を続ける第5世代! 新城幸也が乗る超軽量オールラウンダー
新城幸也擁するバーレーン・ヴィクトリアスのチームバイク、スクルトゥーラチーム。前作までは軽量モデルとしてカテゴライズされていたが、今作はもうひとつの主力機「リアクト」のエアロ性能をも引き継ぎ、真のオールラウンダーとして生まれ変わっている。
とくにエアロダイナミクス性能に大きく影響を及ぼすフレームの前面には大幅な変更がなされており、一体型ハンドル&ステムでコクピットを形成。ケーブルフル内装化が施されるとともに、ステアリング部の耐久性も向上している。
フォークもエアロモデルのリアクトデザインで刷新しつつ、横剛性は前作比12・8%上昇。さらにフレーム重量のダイエットにも成功し、861g(Mサイズ)を実現。完成車重量としても楽に7㎏を下まわる仕様だ。
こうして軽さ、エアロ、剛性を獲得すると快適性が犠牲になりがちだが、今作はBBからサドルまでの垂直剛性を 111 N/㎜から80N/㎜以下に下げ、さらにシートポストのしなりを生かすデザインに再設計したことで、これをカバー。まさに死角のないオールラウンダーモデルであり、トッププロたちを納得させる傑作バイクとして君臨する。
メリダ・スクルトゥーラ チーム
価格:132万円(完成車)
DATA
●フレーム:スクルトゥーラCF5 V ●フォーク:スクルトゥーラCF5ディスク ●コンポーネント:シマノ・デュラエースDI2 ●ホイール:ヴィジョン・メトロン45SLクリンチャーディスクチューブレスレディ ●タイヤ:コンチネンタル・グランプリ5000Sチューブレスレディ 700×28C ●サイズ:XXS(44)XS(46)、S(48)、M(50) ●試乗車実測重量(ペダルレス):6.87㎏
問:メリダジャパン
www.merida.jp
トレンドの先端を体現しつつユーザー目線も忘れない世界的名車
ハシケン
メリダの技術レベルは世界的にもトップクラスだ。新型スクルトゥーラもさすがと断言できる納得の性能を有している。フレーム剛性はフォーク、BBともに高く、機敏な運動性能を体感できる。ダイレクト感の強い踏み感で、スムーズというよりはアグレッシブな味づけが濃く、短時間のヒルクライムレースでも活躍できる印象だ。軽量セミエアロというトレンドの先端を体現しているうえに、シートポストのしなりを生かしたシッティング時の快適性の高さも〇。高性能な一方でユーザー目線を忘れない価格もさすがだ。豊富な完成車ラインナップもうれしい。
軽量オールラウンダーの王道を行く仕上がり
難波賢二
昨年フルモデルチェンジしたリアクトで、エアロと乗り心地、剛性、軽量化を両立してみせたメリダだが、今回の新型スクルトゥーラも同じようにトレンドのバランス型バイクとして仕上げてきた。とはいえ直進安定性や剛性よりも、登坂性能とハンドリングに重きを置いた走りとして個性が分けられている。2台の共通項としては乗り心地が大変にいい点。他ブランドの軽量オールラウンダー同様、突き抜けた個性や装備が存在しないモデルでもあるが、バランス型バイクとしては王道とも言うべき乗りやすさ。山岳とレースが目的ならオススメの1台。
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PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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