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ギルマイがマチューとの競り合い制してグランツール初出場初勝利!|ジロ・デ・イタリア

ジロ・デ・イタリアは第2週がスタート。第10ステージは丘陵部を走った後半に集団の人数が絞り込まれ、最後は小集団スプリントで決着。ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エリトリア)が、マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)らを振り切りステージ優勝。ジロはもとより、グランツール初出場で初勝利を挙げた。また、純アフリカ系選手としても初の快挙となった。

終始主導権を握ったアンテルマルシェがギルマイを勝利に導く

第9ステージ・ブロックハウスでの個人総合大シャッフルで終えた大会第1週。1日休息日が充てられ、この日から第2週が始まった。レースのなかった1日が選手たちにどのように作用するかも見ものとなった第10ステージ。ペスカーラからイェージまでの196kmに設定されたルートは、前後半でまったく異なる趣き。ほぼフラットな前半と、急坂を含むアップダウンの後半。3つあるうち最後のカテゴリー山岳となる4級の頂上がフィニッシュ前8.5kmで、そこから7kmのダウンヒル。そのレイアウトは、リエージュ~バストーニュ~リエージュとも、ミラノ~サンレモとも評されるもの。純粋なスプリント勝負にはならないものと予想された。

リアルスタート後少しの出入りがあって、ローレンス・ナーセン(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、ベルギー)、マッティア・バイス(ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ、イタリア)、アレッサンドロ・デマルキ(イスラエル・プレミアテック、イタリア)が飛び出すと集団は3人逃げを容認。6分ほどのタイム差まで広がって、それからは集団が少しずつペースを調整していった。

©︎ LaPresse

この間、44.6km地点に設けられた1回目の中間スプリントポイントは、逃げ3人の後にジャコモ・ニッツォーロ(イスラエル・プレミアテック、イタリア)がメイン集団の先頭になる全体4番手通過。ポイント賞首位のアルノー・デマール(グルパマ・エフデジ、フランス)、ギルマイの順で続いた。

先頭の3人とメイン集団との構図はその後も変わらず。集団はアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、アルペシン・フェニックスが常時コントロール。残り80kmを切ってから、カレブ・ユアン(ロット・スーダル、オーストラリア)やマーク・カヴェンディッシュ(クイックステップ・アルファヴィニル、イギリス)らが後方へ。丘陵地帯に入って集団の人数は徐々に絞られていった。こうしている間には、リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)が落車、ファンデルプールがメカトラで一時的に集団から下がったが、問題なく前線へ復帰している。

©︎ LaPresse

残り30kmに前後して数人が集団からアタックを試みるが、いずれも集団がキャッチ。先頭でもデマルキが2人を振り切ってスピードを上げたが、残り21kmで集団に捕まった。そこからは、この日最後の4級山岳へ向けて全体のペースが上がっていった。

上りが始まると数人が単発でアタックするも、いずれもすぐに引き戻される。ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)の牽引で上りを終えると、下りでヴィンチェンツォ・ニバリ(アスタナ・カザクスタン チーム、イタリア)やファンデルプールがアタック。これらは決まらずも30人を切った集団は一気に活性化。直後の鋭角コーナーでギルマイがミスコースしかけたことで一瞬全体のペースが緩むと、この隙を利用してサイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イギリス)がアタック。ここに乗じたファンデルプールがカウンターで飛び出すと、集団ではギルマイ自らチェックに動いてファンデルプールの独走を阻止した。

©︎ LaPresse

決定打が出ないまま、前線で生き残った選手たちによるスプリントへ。フィニッシュ前600mでポッツォヴィーヴォが先頭へ出ると、引き連れられたギルマイが残り300mでスプリントを開始。一瞬反応が遅れたファンデルプールが懸命に追って、何とか並ぶところまでいったがそこまで。降参のサムズアップを見せたファンデルプールを横目に、ギルマイは勝利を確信。初勝利のフィニッシュラインを通過した。

©︎ LaPresse

今年大ブレイクのギルマイは、これがグランツール初出場で初勝利。東アフリカ・エリトリアの出身で、3月には伝統のヘント~ウェヴェルヘムを制覇。いったん帰国し高地でのトレーニングを行って、ジロに乗り込んでいた。今大会でも第1ステージで2位に入るなど、その走りは目立っていたが、ついに勝利のときを迎えた。純アフリカ系ライダーとしてもグランツール初勝利の快挙で、またもロードレースの歴史にその名を刻んでみせた。

©︎ LaPresse

歓喜のギルマイに続き、2位にはファンデルプール、3位にはヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(エオーロ・コメタ、イタリア)が入線。個人総合上位陣もしっかりと集団内で走り終え、フアン・ロペス(トレック・セガフレード、スペイン)も問題なくマリアローザを運んでいる。

現地5月18日に行われる第11ステージは、終始フラットなコースレイアウト。サンタルカンジェロ・ディ・ロマーニャからレッジョ・エミリアまでの203kmは、スプリンターが主役となるはず。第10ステージで苦戦したスピードマンたちが挽回するチャンスである。

ステージ優勝 ビニヤム・ギルマイ コメント

©︎ LaPresse

「このジロはステージ優勝が目標だった。今日はチーム全員が私のために働いてくれて、総合エースのドメニコ・ポッツォヴィーヴォまでもが助けてくれた。彼は最終局面で最高の走りしてくれて、残り600mで“来い”と合図してくれた。まぎれもなく勝利につながった瞬間だ。歴史をつくれたのもチームや家族のおかげ。本当に感謝している」

個人総合時間賞、ヤングライダー賞 フアン・ロペス コメント

©︎ LaPresse

「フィロットラーノを通過するときは涙が出た。ミケーレ・スカルポーニ本人との接点はなかったが、彼の家族のことはよく知っているので、とても感情的になった。

ギルマイとは3年か4年前に知り合って、それ以来とても良い関係だ。SNSを通じて連絡を取り合っていて、謙虚で友好的な人柄であることも知っている。私自身はマリアローザを楽しんだ。この先どこまで着続けられるか分からないが、明日はきっと大丈夫だと思う」

ジロ・デ・イタリア2022 第10ステージ結果

ステージ結果

1 ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エリトリア) 4’32’07”
2 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)ST
3 ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(エオーロ・コメタ、イタリア)
4 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)
5 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)
6 クーン・ボウマン(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)
7 ロマン・バルデ(チーム ディーエスエム、フランス)
8 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)
9 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)
10 マウロ・シュミット(クイックステップ・アルファヴィニル、スイス)

個人総合時間賞(マリアローザ)

1 フアン・ロペス(トレック・セガフレード、スペイン) 42:24’08”
2 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)+0’12”
3 ロマン・バルデ(チーム ディーエスエム、フランス)+0’14”
4 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)+0’15”
5 ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)+0’20”
6 ギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)+0’28”
7 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+0’29”
8 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)+0’54”
9 エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+1’09”
10 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+1’22”

ポイント賞(マリアチクラミーノ)

アルノー・デマール(グルパマ・エフデジ、フランス)

山岳賞(マリアアッズーラ)

ディエゴ・ローザ(エオーロ・コメタ、イタリア)

ヤングライダー賞(マリアビアンカ)

フアン・ロペス(トレック・セガフレード、スペイン)

チーム総合

ボーラ・ハンスグローエ

▼【保存版】ジロ・デ・イタリア2022スタートリスト&コースプレビューはこちら

ジロ・デ・イタリア2022

 

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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