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第2ステージは逃げ切り、ヴィエルモが制してマイヨジョーヌに袖通す|クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ

ツール・ド・フランス前哨戦、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネは現地6月6日に第2ステージが行われた。レース前半に決まった逃げがメイン集団の追随を許さず、5人が先着。最後はアレクシー・ヴィエルモ(トタルエナジーズ、フランス)がスプリントを制してステージ優勝。同時に個人総合でも首位に立ちマイヨジョーヌに袖を通している。

終盤の驚異の粘りで逃げ切りに成功

前日と同様に、4つの丘を越える170kmのステージ。サン・ペレからブリーヴ=シャランサックまでのルートは、中間地点に前後して立て続けにカテゴリー山岳が控える。なかでも、11.6kmと登坂距離が長い2級の上りで耐えられるかが、ステージ優勝を狙う選手にとっては重要なポイントと言えそうだ。

第1ステージに勝ってマイヨジョーヌを着るワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)を中心に、レーススタート。リアルスタートからしばし激しい出入りがあったが、やがて6選手がリードを開始。ヴィエルモのほか、オリヴィエ・ルガック(グルパマ・エフデジ、フランス)、アンネシュ・スコーシェス(ウノエックス・プロサイクリング チーム)、アントニー・ドゥラプラス(チーム アルケア・サムシック、フランス)、クサンドレス・フェルフローゼム(ロット・スーダル、ベルギー)、ケヴィン・ヴェルマーク(チーム ディーエスエム、アメリカ)がメイン集団に対し、最大で4分10秒ほどのタイム差を得た。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

前半に設けられた2つの3級山岳はどちらもフェルフローゼムが1位で通過したが、その後先頭グループから後退。逃げメンバーは5人になったものの、勢いは衰えず、大小さまざまなアップダウンをこなしながらレース後半を進んでいった。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

一方メイン集団は、リーダーチームのユンボ・ヴィスマに加えて、イネオス・グレナディアーズ、トレック・セガフレード、EFエデュケーション・イージーポストといったチームがアシストを出してペーシング。途中までここに加わっていたチーム バイクエクスチェンジ・ジェイコは、エーススプリンターのディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)が2級山岳で遅れたことにより、前線から完全に姿を消した。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

快調に逃げ続ける先頭の5人は、残り10kmで集団との差が43秒。勢いは集団が勝っているかと思われたが、ここから驚異の粘りを見せる。約5kmタイム差が変わらず、フィニッシュが目前に迫っても35秒前後のリードを維持。集団はファンアールトで連勝を狙うユンボ・ヴィスマが総合エースのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)も使って追撃を図るが、土壇場にきてこの動きに乗じるチームが現れず、ユンボ勢だけが引っ張る状況に。残り1kmを前にようやくイネオス・グレナディアーズも前線へと上がってきたが、前とは約20秒差にするのが精いっぱい。うまく追撃をかわした先頭5人の逃げ切りは決定的となった。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

迎えた最終局面。残り500mでドゥラプラスが早めの加速を試みるが、これは失敗。続いて残り300mでルガックがアタック。他4人の反応が遅れルガックがバイク数台分のリードを奪うが、最後の100mでヴィエルモが逆転。そのままフィニッシュへと飛び込んで、ステージ優勝を決めた。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

34歳のヴィエルモは、これがドーフィネ初勝利。2015年にはツール・ド・フランス第8ステージで「ミュール・ド・ブルターニュ」を制したり、2017年にはイル・ロンバルディアで4位に入るなど、数々の実績を上げてきた。前日はメイン集団でレースを終え、このステージでフィニッシュボーナスとメイン集団に対して得たタイム差が生きて個人総合首位に浮上。第3ステージはマイヨジョーヌを着て走ることが決まった。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

なお、2位にはスコーシェス、3位にルガックが続き、逃げた選手たちが5位までを占めた。メイン集団はその5秒後にフィニッシュ到達。ファンアールトが先着しステージ6位で終えたが、マイヨジョーヌは手放すことになった。

大会2日目にして情勢が変化したドーフィネ。7日に行われる第3ステージはサン=ポーリアンからシャストレ・サンシーまでの169kmで争われる。丘陵ステージにカテゴライズされているが、96.9km地点に置かれる中間スプリントポイントを通過後はほぼ上り通し。フィニッシュは2級山岳の頂上に敷かれ、最後の6.2kmは平均勾配5.6%。フィニッシュ前200mは8.1%を一気に駆け上がる。個人総合争いに変化が見られるか、各チームの思惑が見え隠れする1日になりそうだ。

ステージ優勝、個人総合時間賞 アレクシー・ヴィエルモ コメント

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

「信じられない! この2年間、骨盤骨折や調子の上がらない時期が続き、走るのをやめようかと思ったこともあった。でも、プロトンに戻りたいとの思いが勝った。逃げたタイミングは、チームメートが周りにいなくて、チャンスがあったのがたまたま自分だけだったからフォローすることにした。逃げ続けられるとは思っていなかったが、この機会を生かすことができてよかった。

最後は長いスプリントで、少し混乱気味だった。オリヴィエ(ルガック)がアタックしたときは捕まえられないと思ったが、残り50mで彼の勢いが衰えたので追い抜くことができた。明日のステージでマイヨジョーヌを守れるかは分からないが、スペシャルジャージを着ることは初めてなので、それだけで至福の時間を過ごせそうだ」

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2022 第2ステージ結果

ステージ結果

1 アレクシー・ヴィエルモ(トタルエナジーズ、フランス) 4:03’34”
2 アンネシュ・スコーシェス(ウノエックス・プロサイクリング チーム)ST
3 オリヴィエ・ルガック(グルパマ・エフデジ、フランス)
4 ケヴィン・ヴェルマーク(チーム ディーエスエム、アメリカ)
5 アントニー・ドゥラプラス(チーム アルケア・サムシック、フランス)
6 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)+0’05”
7 イーサン・ヘイター(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)ST
8 ユーゴ・パージュ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、フランス)
9 クレマン・ヴァントゥリーニ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
10 アレクサンドル・リアブシェンコ(アスタナ・カザクスタン チーム)

個人総合時間賞

1 アレクシー・ヴィエルモ(トタルエナジーズ、フランス) 8:40’55”
2 アンネシュ・スコーシェス(ウノエックス・プロサイクリング チーム)+0’03”
3 オリヴィエ・ルガック(グルパマ・エフデジ、フランス)+0’04”
4 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)+0’05”
5 ケヴィン・ヴェルマーク(チーム ディーエスエム、アメリカ)+0’07”
6 イーサン・ヘイター(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+0’09”
7 アントニー・ドゥラプラス(チーム アルケア・サムシック、フランス)+0’10”
8 ショーン・クイン(EFエデュケーション・イージーポスト、アメリカ)+0’11”
9 マキシム・ブエ(チーム アルケア・サムシック)+0’12”
10 ローレンス・ハイス(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、ベルギー)+0’13”

ポイント賞

ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)

山岳賞

ピエール・ロラン(B&Bホテルズ KTM、フランス)

ヤングライダー賞

ケヴィン・ヴェルマーク(チーム ディーエスエム、アメリカ)

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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