アルメイダがステージ勝利、マリアローザはGトーマスの手に|ジロ・デ・イタリア
Bicycle Club編集部
- 2023年05月24日
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ジロ・デ・イタリアの第16ステージが現地5月23日に行われ、ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)が優勝を飾った。レースは逃げを吸収し総合勢の争いに。終盤、ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)やプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)を含む6人の中からいち早くアタックしたアルメイダが勝利を引き寄せた。
マリア・ローザを着用していたブルーノ・アルミライル(グルパマ・エフデジ、フランス)は、残り10km弱で脱落。総合2位だったがゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)がアルメイダと同タイムでフィニッシュしたため、マリア・ローザを取り返した。
休息日明けは、山頂フィニッシュ
休息日を終えた23日の第16ステージは、サッビオ・キエーゼ~モンテ・ボンドーネまでの203kmのコース。難易度5の山岳ステージだ。
1級山岳パッソ・ディ・サンタ・バルバラ(登坂距離12.7km、平均勾配8.3)と3級山岳パッソ・ボルダラ(4.5km、6.7%)、さらにマッソネ(11.4km、5.6%)とセラダ(17.7km、5.5%)をクリアし、モンテ・ボンドーネを上りきってフィニッシュとなる。モンテ・ボンドーネは距離21.4km、平均勾配6.7%の1級山岳。最大勾配15%となる箇所もある。
26人を超える大逃げ
休息日明けもアタック合戦が勃発。打ち合いの末、17人の逃げが形成された後に、9人の追走がジョイン。結局26人の大逃げとなった。
メンバーは、オレリアン、ヴァランタンのパレパントル兄弟(ともにアージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)、ワジム・プロンスキー(カザフスタン)、クリスティアン・スカローニ(ともにアスタナ・カザクスタン チーム、イタリア)、ジョナサン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)、ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト、アイルランド)、ダヴィデ・ガッブロ(グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ、イタリア)、ジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス、オーストラリア)、フィリッポ・ザナ(チーム ジェイコ・アルウラー、イタリア)、パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)、ヨナタン・ラストラ(コフィディス、フランス)、ベン・スウィフト(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)、カルロス・ベローナ(モビスター チーム、スペイン)、ディエゴ・ウリッシ(UAEチームエミレーツ、イタリア)などで、複数の選手を乗せるチームもいくつかみられた。
最初の山岳ポイント、パッソ・ディ・サンタ・バルバラは山岳ジャージを狙うヒーリーが1位、ガッブロが2位、続くパッソ・ボルダラはガッブロが1位、ヒーリーが2位で通過。ヒーリーがポイントを積み重ねていった。
また約100km地点に設定されたスプリントポイントは、ポイント賞ジャージを着用したミランがトップで通過した。
一方メイン集団はエドアルド・アッフィニ(イタリア)を先頭にユンボ・ヴィスマがタイム差6分程でコントロールしていた。
アスタナコンビが先行
レースに動きが出たのは、スプリントポイントを通過した約94km。プロンスキーとスカローニが2人で先行する。今ジロで勝利を挙げられていないアスタナ。第16ステージへのモチベーションの高さがうかがえる動きをみせた。
2人は快調にレースを進めマッソネの上りをクリアしセラダを上りはじめた。この頃になると残された逃げは12人に減少。メイン集団は、相変わらずユンボ・ヴィスマがコントロールしていたが、徐々にタイム差を減らしていた。
セラダの山頂を目前にした52km、ここまで逃げていたアスタナコンビが追走に吸収される。程なくしてスカローニは脱落。先頭は13人なった。メンバーはパレパントル兄弟、プロンスキー、ヘイグ、コンラッド、ラストラ、ヒーリー、スウィフト、ジー、ベローナ、ザナ、ウリッシだ。
なお、山頂はヒーリーが1位通過し山岳ジャージを獲得した。
モンテ・ボンドーネへ
いよいよフィニッシュライン前にそびえたつモンテ・ボンドーネに突入。先頭13人に変わりはない。メイン集団はユンボ・ヴィスマのけん引で4分ほど後ろを走行していた。
上り初めてすぐの残り20km、先頭で早速動きがでる。ラストラ、ベローナ、ザナがアタック。そこからベローナとザナが抜け出す。しかし18.6kmにザナ、ベローナにヘイグ、コンラッド、オレリアン・パレパントル、プロンスキーが追いつく。さらにウリッシ、スウィフトも追いつき先頭は8人になった。
一方、メイン集団はローハン・デニス(オーストラリア)を先頭にしたユンボ・ヴィスマがタイム差約2分でコントロールしていた。そのデニスも仕事を終えると、今度はUAEチームエミレーツが集団けん引にまわった。
総合争い勃発
10kmを切ったところ、マリア・ローザを着用していたアルミライルがメイン集団から遅れてしまう。同じころメイン集団前方では、アルメイダがアタック。この動きでペースがグンと上がり約8kmで先頭が吸収された。
先行するのはアルメイダ。そこにすかさずトーマス、ログリッチ、セップ・クス(ユンボ・ヴィスマ、アメリカ)、エディ・ダンバー(チーム ジェイコ・アルウラー、アイルランド)、さらに先ほどまで先頭で走っていたダンバーのチームメイト・ザナがついていく。勝負は6人に絞られた。
約6km、再びアルメイダが攻撃をしかける。しかし、残りの5人は動かず様子をうかがっていた。その中から動いたのは4.6km、トーマスだった。あっという間にアルメイダを捉える。一方、ログリッチはついていけなかった。アルメイダとトーマスはログリッチとタイム差をつけられるチャンスと思ったのだろう、協調体制をとりレースを進めていく。
結局、終盤までアルメイダとトーマスは一緒に走行。最後は200mを切ったところからのマッチスプリントとなり、アルメイダが勝利を手にした。トーマスはタイム差なしの2位でフィニッシュ。ログリッチは、25秒遅れの3位でまとめた。
アルミライルはトップから4分24秒遅れの19位でフィニッシュ。結果マリア・ローザはトーマスの手に渡った。アルメイダはこの日の走りで総合2位にジャンプアップした。また、遅れていたログリッチはクスのアシストもあり3位にまとめた。
マリア・ローザのトーマスから3位のログリッチまでのタイム差はわずか29秒。タイム差が開きそうなステージは残り3ステージ。誰がどこでどう仕掛けるか、目が離せない。
翌日の第17ステージは197kmの平坦ステージだ。先週の14ステージも平坦にカテゴライズされていたが、序盤の1級山岳が影響し逃げ切り勝利となった。一方、17ステージは上りもなく純粋なスプリント争いが予想される。引退を発表したマーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム、イギリス)の活躍にも期待したい。
ステージ優勝 ジョアン・アルメイダ コメント
「元々、タイムトライアルでステージ優勝を狙っていたけれど、体調を崩して勝てなかった。今日は独走勝利を狙っていた。ただ、スプリントで勝つことができてラッキーだったよ。ちなみに、フリーゴは再び追いついてくると思ったよ。今、チームはジョアン・アルメイダが総合争いをしている。今日の勝利が総合争いに向けたチームのモチベーションアップにつながることを期待したいね」
個人総合時間賞 ゲラント・トーマス コメント
「上りも多くハードな1日だったけど、今日の結果には満足している。アルメイダはとてもいい選手だ。彼もマリア・ローザを狙える選手だ」
ジロ・デ・イタリア2023 第16ステージ結果
ステージ結果
1 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)5:53’27”
2 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)ST
3 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)+25”
4 エディ・ダンバー(チーム ジェイコ・アルウラー、アイルランド)ST
5 セップ・クス(ユンボ・ヴィスマ、アメリカ)+1’03”
6 イラン・ファンウィルデル(スーダル・クイックステップ、ベルギー)+1’16”
7 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)
8 エイネルアウグスト・ルビオ(モビスター チーム、コロンビア)
9 ローレンス・デプルス(イネオス・グレナディアーズ、ベルギー)
10 テイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアーズ、オランダ)
個人総合時間賞(マリア・ローザ)
1 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)67:32’35”
2 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)+18”
3 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)+29”
4 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+2’50”
5 エディ・ダンバー(チーム ジェイコ・アルウラー、アイルランド)+3’03”
6 レナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+3’20”
7 ブルーノ・アルミライル(グルパマ・エフデジ、フランス)+3’22”
8 アンドレアス・レックネスン(チーム ディーエスエム、ノルウェー)+3’30”
9 テイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアーズ、オランダ)+4’09”
10 ローレンス・デプルス(イネオス・グレナディアーズ、ベルギー)+4’32”
125 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+3:50’44”
ポイント賞(マリア・チクラミーノ)
ジョナサン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)
山岳賞(マリア・アッズーラ)
ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト、アイルランド)
ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)
ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)
チーム総合時間賞
バーレーン・ヴィトリアス 202:09’02”
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