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フィリプセンが今大会3勝目、カヴェンディッシュ最多勝利記録更新はおあずけ|ツール・ド・フランス

ツール・ド・フランスは第7ステージ。現地7月7日はモン・ド・マルサンからボルドーまでの169.9kmで争われ、ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)が今大会3勝目となるスプリント勝利。ポイント賞のマイヨ・ヴェールの座を独走している。競ったマーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム、イギリス)は2位で、ツール最多勝利記録の更新は次の機会に。個人総合首位のマイヨ・ジョーヌはヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)で変わっていない。

フィニッシュ前最高速74.7km/hをマークするもカヴェンディッシュは勝利に届かず

ピレネーでの2日間を経て、プロトンはフランス中央部へ。第7ステージはオールフラットと言ってもよさそうなスプリンター向けステージ。最終局面は長い直線から、世界遺産「月の街ボルドー」の一部であるカンコンス広場近くにフィニッシュラインが敷かれる。なお、この日はフィニッシュ前3km以内でのトラブルに対する救済が、3.5kmに延伸している。

© A.S.O. / Pauline Ballet

第6ステージまでを終えて、マイヨ・ジョーヌはヴィンゲゴーのものに。前日はタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)がステージ優勝を挙げ、両者による“2強”のムードが高まっている。

© A.S.O. / Pauline Ballet

リアルスタート早々からアタックがかかり、そのまま最前線に残ったシモン・グリエルミ(チーム アルケア・サムシック、フランス)のひとり逃げの状態に。すぐに6分近いリードを得て、レースを先導した。

© A.S.O. / Pauline Ballet

メイン集団も少しずつペースを作って、フィニッシュまで100kmとなったところで3分差。やがて中間スプリントポイントにやってきて、グリエルミに続いてメイン集団ではビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、エリトリア)が先着。全体の2位通過として17ポイントを獲得。3番手にはフィリプセンが続いて、15ポイントを加算している。

© A.S.O. / Pauline Ballet

このポイントを通過した直後に、ピエール・ラトゥール(トタルエナジーズ、フランス)とナンス・ペテルス(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)がアタック。労せずグリエルミに追いついて、逃げは3人に膨らむ。

© A.S.O. / Pauline Ballet

ただ、この頃にはメイン集団も先頭3人を射程圏に捉えており、いつでもキャッチできる態勢に。残り40kmを切ってグリエルミが先頭から遅れたが、残った2人と集団はおおよそ1分差で進行し、レースは最終盤へと入っていった。

© A.S.O. / Pauline Ballet

残り10kmでタイム差は30秒。集団はリーダーチームのユンボ・ヴィスマやイネオス・グレナディアーズが主導権争い。マイヨ・ジョーヌのヴィンゲゴーも集団先頭付近に位置して危険を回避する。

© A.S.O. / Pauline Ballet

残り6km。それまで逃げてきたペテルスがラトゥールに前に行くよう促し、脚を止める。同時にラトゥールのひとり逃げに。しばし先頭で粘ったラトゥールだが、集団の勢いが上回って残り3.5kmで吸収。勝負はスプリントにゆだねられることとなった。

複数チームが前線を固める中、残り1.5kmあたりで主導権を得たのはアルペシン・ドゥクーニンク。これまでのスプリントステージ同様にマチュー・ファンデルプール(オランダ)のリードアウトでフィリプセンを引き上げる。しかし、最後の数百メートルで後方から上がってきたカヴェンディッシュが一気に先頭に立つ。

そのままカヴェンディッシュがフィニッシュまで突き進むかに見られたが、最後の最後に上がってきたのはフィリプセン。カヴェンディッシュをかわすと、ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)らの追い上げもものともせず、今大会3つ目のステージ優勝を挙げた。

© A.S.O. / Pauline Ballet

フィリプセンはこの日だけで65点を稼ぎ、ポイント賞争いで2位のブライアン・コカール(コフィディス)に88点差をつけている。

© A.S.O. / Pauline Ballet

個人総合上位陣には変動がなく、ヴィンゲゴーは引き続きマイヨ・ジョーヌを着用する。2位ポガチャルとは25秒差、3位のジャイ・ヒンドレー(ボラ・グローエ)とは1分34秒差となっている。

翌8日に行う第8ステージは、リブルヌからリモージュまでの200.7km。丘陵コースにカテゴライズされており、行程のおおよそ3分の1に細かなアップダウンが控える。上れるスプリンターにチャンスの1日となるか、逃げ切りが決まるか。各選手の脚やチーム力が試される一日となりそうだ。

ステージ優勝、ポイント賞 ヤスペル・フィリプセン コメント

© A.S.O. / Pauline Ballet

「チームメートに感謝している。彼らがいなかったら今大会3勝目は挙げられなかった。最後の数kmはアシストとともに走れたことは幸運だった。おかげで最終局面まで脚を使わずに済んだ。今年のツールはまるで夢のよう。このままパリを目指していきたい。

カヴェンディッシュはとても強かった。私もみんなと同様に彼が勝つ瞬間を見たかったよ(笑)。彼は仕上がってきているし、今後のステージも楽しみだね。

個人的にはマイヨ・ヴェールをパリまで運ぶことを目標にしたい。今後、それが可能かどうかが分かることだろう」

個人総合時間賞 ヨナス・ヴィンゲゴー コメント

© A.S.O. / Pauline Ballet

「前半からの逃げが1人だったので、全体的にイージーなステージになった。長く感じたけど、暑さ自体は問題なかった。暑いのは好きだし、昨年の大会で結果を残したのも暑い日だった。ステージごとに調子は上がってきていて、モチベーションも高い。大会前には、今の時期にポガチャルと25秒差で個人総合トップに立っているなんて想像していなかった」

ツール・ド・フランス2023 第7ステージ結果

ステージ結果

1 ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー) 3:46’28”
2 マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム、イギリス)ST
3 ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、エリトリア)
4 ルーカ・モッツァート(チーム アルケア・サムシック、イタリア)
5 ディラン・フルーネウェーヘン(チーム ジェイコ・アルウラー、オランダ)
6 ヨルディ・メーウス(ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)”
7 フィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス、ドイツ)
8 ブライアン・コカール(コフィディス、フランス)
9 アレクサンダー・クリストフ(ウノエックス・プロサイクリングチーム、ノルウェー)
10 マッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)

個人総合時間賞(マイヨ・ジョーヌ)

1 ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク) 29:57’12”
2 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)+0’25”
3 ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)+1’34”
4 サイモン・イェーツ(チーム ジェイコ・アルウラー、イギリス)+3’14”
5 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ、スペイン)+3’30”
6 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ、イギリス)+3’40”
7 ダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)+4’03”
8 ロマン・バルデ(チーム ディーエスエム・フェルメニッヒ、フランス)+4’43”
9 トーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)ST
10 セップ・クス(ユンボ・ヴィスマ、アメリカ)+5’28”

ポイント賞(マイヨ・ヴェール)

ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)

山岳賞(マイヨ・アポワ)

ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト、アメリカ)

ヤングライダー賞(マイヨ・ブラン)

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)

チーム総合時間賞

ユンボ・ヴィスマ 90:02’45”

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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