BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ
  • Bicycle Club BOX

熱戦広がるバーチャルサイクルレースをマーケン社が主催|福島復興サイクルロードレース

福島復興サイクルロードレース2024シリーズ戦の前哨戦として、サイクリング・ランニングトレーニングプログラムZwift(ズイフト)によるバーチャルレースシリーズのRound6が3月12日(火)の夜におこなわれた。前回は比較的に平坦でのスプリント合戦となったが、今回は丘の連続が待ち構えたレースを、MCをつとめる牛むつみさんがレポート。

福島復興サイクルロードレースシリーズ・バーチャルレース:Round6「福島レース」Presented by Marken Corp(マーケン社)

2月7日から毎週、全10戦の開催を予定している今バーチャルレース・グループライド企画、いよいよ本日がラウンド6ということで折り返し地点を迎えた。今までのプロデュースで設定されたコースは、Zwiftが誇る実際には世に存在しない、一からオリジナルで設定された仮想場所でのコースであった。このオリジナルコースでは、さまざまな世界中の「本当に走れたらすてきな空間かも!」という素晴らしい場所や地形のエッセンスも取り入れて、おいしいところを摘まみ食いできるような、サイクリストが夢見る「あったらいいな、走ってみたいな」を実現したルートである。その代表格が新コースルートの「マクリ・アイランド」で、今後も夢空間が増えていくのが楽しみだ。

ロンドンをイメージしたコース、サリー・ヒルズ

今回のレースコースとなるロンドンの「Surrey hills(サリー・ヒルズ)」は、実際に英国に存在する場所と地形をモデルとしている。このような実際に存在するコースを、さらに自転車で走りやすくアレンジメントしているコースも多く設定されているのがZwiftの面白いところである。

この英国・ロンドンの他、フランスやパリ、オーストリアのインスブルック、米国のニューヨークやリッチモンド、最近になると昨年開催された「BIG世界選手権」の舞台である英国スコットランドやヨークシャーも設定されている。選定の基準としては、サイクリストや自転車ファンになじみのあるツール・ド・フランスの定番ステージや、歴代の五輪ロードレースコース、世界選手権のロードレースコースが反映されているようだ。

今回のコースであるサリー・ヒルズは、ロンドン中心街=グレーターロンドンの金融中心地であるシティ・オブ・ロンドンからスタート。通称「卑猥なキュウリ(別名Crystal Phallus)」と呼ばれ、地元から愛されている高層ビル「30セント・メリー・アクス」を背に平坦を進むと、テムズ川に架かる観光名所として名高い跳開橋「タワーブリッジ」を渡り、ロンドン名物の地下鉄「アンダーグラウンド」のタワーヒル駅へ。

ここから改札を通ってスローブに改造された階段を下ると、線路はなぜか全て板で覆われており、なんと自転車のまま線路の上を走り、地下鉄の経路に突入するのだ。ロンドンのアンダーグラウンド特有の少し狭い、丸い天井の線路内を抜けて行くと目の前が開けて、あか抜けた住宅街でロンドンへの通勤圏内としても人気があるサリー州へ到着。さらに、地上を走るナショナルレイルの駅を通過して、いよいよ「Box hill」「Fox hill」など実際に名称が存在する丘が点在する周回コースへと入っていく、2012年に開催されたロンドン五輪のロードレースコースを下敷きとしたレイアウトだ。

そのロンドン五輪のレースを中継などでご覧になっていた方には、にぎやかなロンドン中心街からスタートした集団が少しづつ住宅街を抜けて緑豊かなアップダウンが続く丘の数々を思い出すだろう。特に女子のロードレースではスタートから雨が激しく降りしきる中、Box hillの小周回で何度も集団の振るい落としがあり、ラストのロンドン中心街へ再び戻る道中でのアタックからの逃げ、そして地元・英国のリジー・アーミステッドも残る3名のゴールスプリントでオランダのベテラン選手マリアンヌ・フォスが五輪ロードレースで初の金メダルを獲得した瞬間を思い返す方もいるだろう。そして男子ロードレースでは別府史之が序盤から逃げのグループに乗り、22位という好成績を残したことも思い出されるだろう。

そんな熱い名レースの舞台にもなったコースで、今回のバーチャルレースをプロデュースするのはMarken Corp(マーケン社)。レース前の配信からゲスト解説で登場いただいたマーケン社の代表・マツケン社長によると「Zwift界に存在するナショナルブラックカンパニーです」という恐ろしいチーム紹介があった。

しかし、詳しく聞くと「外からはブラックに見えるんですが、実態は社内レースからワークアウトまで最高の福利厚生が用意されており、時には社内大運動会のレクリエーションもあります。昇格あり、賞与あり、そしてFTPとVo2max向上が保証されている超ホワイトカンパニーなんですよ」と、急に甘いコメント。

ご一緒にゲスト解説として登場いただく岩川専務も「初心者歓迎という甘い言葉で入社希望者が殺到し、現在社員数は1450名。楽しむためなら何でもやるをモットーなんです。まあ、常に斬新かつクレイジーな遊びを提供する社風なので、チーム練習に一度入ったら、なかなか抜け出せない沼のようになってます」と楽しみながら強くなる、という社風を懸命にアピールする。先週末の、びわこマラソンでフルを走った直後だという2人には、今レースの過酷な体験を通して、さらに強くなるキッカケを各々で見つけてほしいというマーケン社からの思いが伝わってくる。

コースイメージはツール・ド・かつらおをマーケン社がイメージしてレイアウト

このような過酷なマーケン社レースへ、最終的に290名が集まった夜8時30分からのスタートに先がけ、この日のレースが東日本大震災に見舞われた3月11日の翌日ということもあり、福島復興サイクルロードレース2024の第1戦である「ツール・ド・かつらお」の紹介を企画担当ハシケン氏からおこなった。

このレースの舞台となる福島県葛尾村は、2011年の震災により発生した福島第一原子力発電所事故の影響で、村内全域が計画的避難区域に指定され、全村民が村外に避難しなければならないという事態に襲われた場所だ。その後の2016年6月に一部避難指示を解除、2022年6月には帰還困難区域も避難指示を解除となったが、その歩みに並ぶように開催されたのが、2017年の初開催となった、この「ツール・ド・かつらお」で、ここから震災復興を目的にした福島県内での公道ロードレースを毎年、シリーズ戦で開催するという礎ができた記念すべき場所でもある。

緑豊かな里山の広がる葛尾村は、阿武隈地域の中にある比較的に標高が高い地域でダイナミックで程よいアップダウンと、震災後の整備によりきれいに整備された公道を走れるコースレイアウトが取れ、毎回熱いレースがおこなわれる。地元の皆さんのおもてなしが素晴らしく、今回のレースでは以前おこなわれていた「レース前夜祭」にあたる参加者同士や村民が交流できるウェルカムパーティーを初日の夜に実施。そして今年から地元との交流を通して、葛尾村の魅力を感じられる民泊サービスを開始するという。

レースメイン会場で2日間のレーススタート地点にもなる「葛尾村復興交流館あぜりあ」は、2018年6月に葛尾村が建設し完成した交流施設で、震災と原発事故による全村避難からの復興のシンボルとして、つながり・絆を深めるための活動や交流を推進し、現在はにぎわいと活力ある村づくりにさまざま活用され、レース当日は葛尾村の獲れたて新鮮野菜を集めた直売所「とも市」、そして葛尾村のお土産品ブースも出展する。2020年度にはグッドデザイン特別賞を受賞した、この施設を拠点とする今大会にぜひ皆さんもお越しいただけることをマスコットキャラクターの「しみちゃん」と一緒に私も楽しみにしている。

ツール・ド・かつらおの模様はこちら

葛尾村でツールドかつらおを開催、北野が優勝|福島復興サイクルロードレースシリーズ

葛尾村でツールドかつらおを開催、北野が優勝|福島復興サイクルロードレースシリーズ

2023年04月26日

続く5月18日・19日には福島シリーズ第2戦「ツール・ド・ふたば」も開催。「震災前に町にいた住民のみなさんが、どの程度戻って来られるかというのは非常に厳しい状況」と伊澤史朗町長が語るように震災当時、町のほぼ全域が「帰還困難区域」に指定され、現在もまだ多くの区域が指定解除には至っていない。そんな街で復興の明るい灯となるイベントの1つとして開催されるレースにぜひとも参加していただきたい。

ツール・ド・ふたばの模様はこちら

復興の進む福島の今を走る、ツールドふたば開催|福島復興サイクルロードレースシリーズ2023

復興の進む福島の今を走る、ツールドふたば開催|福島復興サイクルロードレースシリーズ2023

2023年04月17日

レースを完走すると抽選で豪華賞品がもらえる

そして前回のバーチャルレース完走者の中から抽選で5名に当たる福島県名産品・工芸品と当選者のご紹介を経て、いよいよスタート時刻となり、前回は双葉町・南相馬市・大熊町の名産品が、そして今回は浪江町・楢葉町・富岡町の名産品をご用意いただくなか、この過酷なレースでの完走を目指して、Aカテゴリーから最後のスタート区分となる女子Eカテゴリーまで、1分ごとに各カテゴリーが「よろしくお願いゴリラます!」とコースへ飛び出して行った。

世界一を決める「Zwift Games」出場のHONDA JUNSEI選手がヒルクライムでペースアップ

レギュラー解説者のKENTA氏はZWCの代表であるとともに、じつはマーケン社のアタック部長ということもあり「今回は丘の連続となるので、5分から10分ぐらいの歪んだ平地という感覚で走れるのではないかと思います。そのためヒルクライマーでなく短い時間で負荷をかけられるパンチャーでも十分に勝機があるレースになりそうです」と細かい分析をコメント。「ゴリラとか鬼畜とか呼ばれる、少しイカれたメンバーが大半を占め、何度もアタックをかけたり長く逃げているときはゴリラを模して『ドラミング』と言うんです。そんな力強い走りにも注目してほしい」とアタック部長らしいコメントのなか、まずは2.5㎞地点にある最初の丘・Fox hillへとライダーたちが入っていった。

その最初の丘でAカテゴリーの先頭に出たのは、マーケン社のヒルクライム部長でもあるA.Manabe(EMU)。その動きにつられるように次々とライダーが前に上がっていきペースアップ。その中で前をキープするNICO-OZのHONDA JUNSEI選手は21歳というU23の若手選手でありながら、Zwift主催の「Zwift Games」という世界選手権バーチャルロードレースに替わる、Zwiftの頂点を極めるシリーズ戦に、日本から唯一出場しているライダー。

今週末に開催されるAlpe du Zwiftを上るRoad to Skyの一本勝負となる最終戦が、男子が3月16日、女子は17日の深夜3時20分スタートと、日本から観戦するのは難しい時間帯ではあるが、HONDA選手の活躍にぜひともフォローや応援、そしてRide On!をお願いしたい。このZwift Gamesの日本語版視聴は、今バーチャルレース配信を担当する「タムロリエチャンネル」のYouTubeから視聴可能なので、ぜひご観戦を!

最初のFox hillではS.SEOが4分52秒がトップタイムで通過、その後の集団は縦に長く伸びたまま次の丘へと向かう、一方で女子Eカテゴリーは3km地点を通過した時点で、先頭集団は7名にまで絞られる。そんな女子では最初のFox hillでY.Takahashi選手が6分45秒でトップタイムとなり、その後の下りで先頭集団がY.Takahashi選手にY.Sawada、Aya Takahashi、S.mayumi、NA TOMIの各選手という5名となる。

その後、12.3km地点からはLeith hillの強烈なう上りが始まり集団がバラける中、AカテゴリーのD.HOSHINO選手が4分28秒でトップタイムを獲得。しかし再び下り区間では、先頭がHONDA、D.HOSHINOに、前回のTMRレースでAカテゴリーリーダーを務めたJ.Kamotora(TMR)選手の3名が後続を約10秒ほど引き離して、次の丘へ向かうが、集団はますますバラバラに崩壊。この状況にKENTA氏やマツケン社長は「思惑どおりです!」とうれしそうに語る。その後、マーケン社のパンチドランカーと言われるTomoaki takasugi選手とS Tatami(RICE ON)選手を含める9名が先頭集団を形成する。

女子ではY.Sawada選手がメカトラブルを乗り切り完走

21km地点から始まるBox hillでは、女子Eカテゴリーの先頭がマーケン社のAya TakahashiとS.mayumi、そしてTMRのY.Sawada、NA TOMIの2対2の展開となり、スプリントに定評のあるTMRが集団の後方に控えつつ、一方でマーケン社の2名が積極的にリードをしながら上っていく。ライバル同士ではあるが、レース中もチャットで笑わせるようなコメントを挟みながら終始、お互いを励ましあい、途中でチェーントラブルにより残念ながら、あと少しの30km地点でY.Sawada選手は集団からドロップするも最後まで走り切った。

Aカテゴリーには国内トップ選手が集結

そして最大のポイントとなる27.5km地点にある距離4.3km・最大標高が12%にもなるKeith hillの上りでは、ラストにあるゲート手前の短い下りでAカテゴリーのマーケン社takasugi選手、そしてHONDA選手が飛び出すも、その動きにつられて次々とライダーたちが10w/kg以上の倍数をかけて襲い掛かり、トップタイムはカウンターアタックでKamotora選手が9分49秒を叩き出した。同じ地点のBカテゴリーではT.Abe(NICO-OZ)選手が何度かアタックをかけるも、上り途中でまとまり先頭集団が10名ほどとなる。女子Eカテゴリーでは、mayumi選手が13分30秒でトップ通過。しかし、その後ほぼ同タイムでTakahashi、そしてNA TOMI、Sawadaと続く。

この後しばらく10kmほど続く下りの箇所で、レース前にXで「このコースで2連勝してる俺に勝てる日本人Zwifterはいるか?」と挑発をしていたS HASHIMOTO(ZWC)選手が飛び出し、その挑発に乗るように続々とライダーが前に飛び出し、事前にKENTA氏がコメントした「この下り地点はアタック合戦になりますよ」という予言どりの展開となる。

AカテゴリーはスプリントでSEO選手が勝利!

最後の丘となる41.7km地点からのFox hillは「2.4kmの距離、しかしゴール前の500m手前は下ってから上りとなるため、集団でのゴールスプリントとなるか、早めに仕掛けたクライマーが集団をバラバラにするか?が見どころになります」というKENTA氏の解説とともに、まずAカテゴリーのライダーがペースアップしながら丘へ突入。「このコースは5分、5分という長めの丘があるので、VO2MAXを鍛えロードレースが強くなるには最高のレイアウト」というマツケン社長の言うとおり、ロードレースの強豪選手たちが果敢にアタックしながら、9.0w/kgという異様なパワーで上り始める。その後、少し駆け引きをおこないながらD.HOSHINO選手を先頭にラストへ。そして、HASHIMOTO、SEO、HONDAが追い抜いてHASHIMOTO先頭に。しかしゴールスプリントとなりSEO選手がトップでゴール! 2位HONDA選手、3位HASHIMOTO選手となった。

BカテゴリーではポルトガルのM.PT選手が優勝

一方で雨の降る中、ゴールを迎えたBカテゴリーは一足早くアタックで逃げたポルトガルのM.PT選手が優勝、その後に続いたKuroNeko(ZEAL)選手が2位となり日本人トップに。3位にはebi ebi(ZEAL)選手、4位となり日本人3位にはOHTA OGE選手が入った。女子Eカテゴリーは「Zwiftのレースでは初めて勝った!」というNA TOMIが優勝、2位にプロデュースチーム・マーケン社のmayumi選手、3位にAya Takahashi選手が入った。

BカテゴリーにはZwift社・FUKUDA選手も参加しチャットで「マーケン社め!」という恨み節も出ていたが「それが聞きたかった」というマツケン社長の鬼畜ぶりに皆さん果敢にチャレンジいただいた。また、レース中にはコミニュケーションアプリ「ディスコード」などを使用し、リアルレースのワールドクラスチームにおける無線機のような使い方で、チーム内のみで作戦を伝えたり、またZwiftのチャット機能を使い、他の参加ライダーとコミニュケーションをしたり三味線を弾いたりなど、頭脳戦も展開していたのが特徴的であった。

バイシクルクラブYouTubeチャンネルではアーカイブ放送

バイシクルクラブYouTubeチャンネルでは、当日の配信終了後もじっくり楽しめるアーカイブ観戦が用意されている。リアルタイムで見逃してしまった方も、ぜひチェックしてみてほしい。Round7以降も参加者募集中!

次回は3月19日(火) Round7「福島レース」 Presented by ZWC

次回の福島復興サイクルロードレースシリーズVRは、3月19日の火曜日。レーススタートは夜8時。その30分前の夜7時30分からYouTube配信をスタートのRound7「福島レース」 Presented by ZWC。コースはワトピアの「Volcano Circuit CCW」でZWC代表であるKENTA氏いわく「距離は、たったの29kmですが、高強度クリテリウムレースで悶絶いただきます!」という厳しく、しかし短いレースなので「レース完走狙いで福島県名産品の抽選会に参加できる確率は高いので、皆さんぜひお気軽にご参加ください」とのこと。

3月19日(火) Round7 ZWC プロデュース オープンレース

→エントリーはこちら

3月26日(火) Round8 ZEAL プロデュース オープンレース

→エントリーはこちら

 

詳細はこちら

SHARE

PROFILE

Bicycle Club編集部

Bicycle Club編集部

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

No more pages to load