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シマノレーシングが完璧な連携で魅せる!中井唯晶と石原悠希がワンツー|志布志クリテリウム

2月23日(日)、鹿児島県志布志市の志布志しおかぜ公園で「JBCF 第3回 志布志クリテリウム」が開催された。メインレースとなったJクリテリウムツアーの決勝では、シマノレーシングの中井唯晶が集団スプリントを制して優勝。チームメイトの石原悠希が2位に入り、見事なワンツーフィニッシュを達成。チームとしては同大会の2連覇という快挙も成し遂げた。

新たな挑戦、Jクリテリウムツアーの幕開け

2025年シーズンより新設された「Jクリテリウムツアー」は、短距離・高速の市街地コースで行われるクリテリウムレースに特化したシリーズ戦として注目を集めている。この新シリーズの特徴は、従来のJプロツアーとは異なり、Jプロツアーの選手とJエリートツアーのE1クラスタの選手が同じ舞台で戦えること。また、個人成績のみで争われ、チームランキングは設定されないという独自の形式を採用している。年間5戦が予定されており、スピード自慢の選手たちによる、よりスリリングでエンターテインメント性の高いレース展開が期待されている。

志布志の特色あるテクニカルコース

舞台となったのは、志布志港に面した志布志しおかぜ公園と、海に突き出た志布志国際コンテナターミナルを結ぶ、1周2.9kmのL字型コース。2つのヘアピンカーブと2つの直角コーナーを含むテクニカルなレイアウトに加え、海風の影響を強く受けるという特徴的なコースだ。

国内のクリテリウムレースとしては比較的長い周回距離も相まって、選手たちには風への対応、コーナーでの位置取り、そしてスプリント力といった総合的な能力が求められる難しいコースとなっている。

また、レース会場となった志布志市営しおかぜ公園では、「志布志シーサイドジョブフェス」が同時開催された。地元企業8社によるブース出展やスタンプラリー、子ども向けランニングバイクイベントなど、家族連れでも楽しめる多彩な催しが行われ、地域色豊かなイベントとして大会を盛り上げた。さらに、地元の特産品を味わえるフードブースも充実し、レース観戦とともに志布志の魅力を満喫できる一日となった。

激戦の決勝レース、予期せぬ展開を乗り越えて

先頭に並ぶシエルブルー鹿屋

メインレースとなったJクリテリウムツアーの決勝には、午前中に2組に分けられて行われた予選を通過した104名が出場。1周2.9kmのコースを17周する49.3kmのレースとして、地元チームのシエルブルー鹿屋を先頭に定刻通り13時にスタートを切った。

ローリング中の集団
最初の中間スプリント賞を獲得した永井健太(ヴィクトワール広島)

1周のローリングの後、アクチュアルスタートすると3周目の中間スプリント賞を永井健太(ヴィクトワール広島)が獲得。しかし、この直前、集団の中程では30名以上が巻き込まれる大規模な落車が発生。救護やコースの安全確保のため、レースは一時中断を余儀なくされた。

スタートライン前でレースが一時中断
畑中勇介コーチ(キナンレーシング)が中心となりどうするべきか関係者に意見を聞く
新城雄大(キナンレーシングチーム)とチーフコミセールの平 武氏
チーフコミセールの平 武氏が今後のレースの状況を説明

落車の原因は、コース幅の狭さや風の影響で選手たちが密集したことなど、複合的な要因によるものとみられる。主催者、審判団、チーム関係者や選手による協議の結果、安全確保のため、4コーナーの規制緩和というコースレイアウトの一部変更と、残り周回数を11周に短縮(合計15周)してレースを再開することが決定された。この中断を受け、マトリックスパワータグはレースからの撤退を決断した。

中間スプリントを巡る激戦

レースがリスタート
中間スプリントに向け先頭に出る中村悠太(ミルキーウェイ和歌山)

レースリスタート後も2周回に1度の中間スプリント賞が設定され、接戦が続いた。7周目の中間スプリントは、黒枝咲哉(スパークルおおいたレーシングチーム)と中村悠太(ミルキーウェイ和歌山)によるマッチスプリントとなり、黒枝が制した。

集団から飛び出した矢萩悠也(チームブリヂストンサイクリング)

8周目には矢萩悠也(チームブリヂストンサイクリング)と風間翔眞(シマノレーシング)が果敢な飛び出しを見せるも、集団はこれを許さなかった。

チームキャプテンの河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング)が飛び出す場面も

9周目の中間スプリントでは、地元チームの伊澤将也(シエルブルー鹿屋)が獲得。鹿屋体育大学出身で鹿児島県ともゆかりのある伊澤の活躍に、地元ファンから大きな声援が送られた。

中間スプリント賞を獲得した長谷川大(イナーメ信濃山形)と渡邉和貴(シマノレーシング)が飛び出す

その後もメイン集団1つでレースが進み、11周目の中間スプリントは長谷川大(イナーメ信濃山形)が獲得。12周目には前日の鹿屋肝付ロードレースで3位に入った渡辺一気(京都産業大学)が単独で飛び出し、10秒近くのリードを獲得。13周目の中間スプリントを獲得した後、集団に吸収された。

果敢にアタックした渡辺一気(京都産業大学)
最後の中間スプリント賞を獲得した渡辺一気(京都産業大学)

シマノレーシングの完璧な連携で中井が優勝を手中に

各チームがトレインを組む

最後の中間スプリントが終わり、レースが終盤に差し掛かると、集団スプリントに向けて各チームが主導権争いを繰り広げた。残り2周となる14周目で、風間翔眞(シマノレーシング)が仕掛けたアタックは集団に封じられたものの、これが最終局面への序章となった。

シマノのトレインに愛三が割って入る
先頭から3人並べて完璧に最終コーナーを抜けたシマノトレイン
中井唯晶がスプリントする中、後ろで石原悠希が勝利を確信

優勝した中井唯晶(シマノレーシング)
2位の石原悠希(シマノレーシング)も喜びをアピールする

最終周回、各チームがトレインを組んでポジション争いを展開する中、シマノレーシングが圧巻の連携を披露。石原悠希を先頭に、中井唯晶、香山飛龍と続く完璧な布陣で最終コーナーへ。不運にも香山は落車に巻き込まれたものの、中井は石原から理想的な形でスプリントを開始。後続を寄せ付けない力強い走りでトップでフィニッシュラインを通過した。石原も2位でゴールし、シマノレーシングの圧倒的な強さを見せつけた。3位には日野泰静(ヴェロリアン松山)が入った。

MCシンジ氏からインタビューを受ける中井唯晶(シマノレーシング)

優勝を飾った中井は表彰式で「すごく嬉しいです。チームが完璧なアシストをしてくれたので、僕はもがくだけって形だったんですけど、勝ててよかったです」と喜びのコメント。作戦については「僕がエースということで、ラスト180度ターン手前から全部前でという感じでやってくれて、ラストコーナーを1番手か2番手で曲がってくれたら勝てるかもしれないですという話をしてて、その通りに石原くんが先頭で曲がってくれて僕はもがくだけという感じで勝ててよかったですね」とレースを振り返った。

鹿児島賞を獲得した伊澤将也(シエルブルー鹿屋)

また、鹿児島県にゆかりのある選手の最上位に贈られる鹿児島賞は、8位完走を果たした伊澤将也が獲得した。

中間スプリント賞を獲得した選手たち

今後の展望

クリテリウムリーダージャージを獲得した中井唯晶(シマノレーシング)

Jクリテリウムツアー初戦を制した中井は、当然ながらクリテリウムリーダージャージも獲得。しかし、シマノレーシングはトルコへの海外遠征が予定されており、中井は次戦の宇都宮清原クリテリウムを欠場する可能性が高い。出場の可能性は完全には否定されていないものの、次戦で誰がこのジャージを獲得するのかにも大きな注目が集まっている。

リザルト

1位 中井唯晶(シマノレーシング) 1h45m14s
2位 石原悠希(シマノレーシング) +01s
3位 日野泰静(ヴェロリアン松山)
4位 岡本隼(愛三工業レーシング) +02s
5位 柚木伸元(キナンレーシングチーム) +03s
6位 松本一成(チームサイクラーズ・スネル)
7位 岡本勝哉(チームブリヂストンサイクリング) +04s
8位 伊澤将也(シエルブルー鹿屋)
9位 道見優太(シエルブルー鹿屋)
10位 孫崎大樹(ヴィクトワール広島) +05s

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PROFILE

せいちゃん

せいちゃん

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

せいちゃんの記事一覧

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