鰹〈カツオ〉|料理を愛する人のための魚図鑑
buono 編集部
- 2020年11月18日
INDEX
初ガツオと戻りガツオ、獲れた時期で味が変化する
初夏を告げる縁起物として江戸の頃より珍重された初ガツオ。現代でもその人気は健在だが、ぐっと脂ののった秋の戻りガツオも濃厚な旨さを持ち、こちらを好む人も多い。
時速約30キロで泳ぎ続けるカツオの身体は、弾丸のような紡錘形をしている。熱帯性の回遊魚で、春から黒潮にのって九州から北上し(初ガツオ)、秋になるとエサを食べて太り、脂がのった個体が南下してくる(戻りガツオ)ため、味が変化する。
カツオといえば、表面をあぶって「たたき」にするのが代表的な食べ方だが、サラダにしたり、厚めの切り身を揚げてカツにしたりするのも美味しい。
またカツオの保存食といえばカツオ節。江戸時代に生まれ、和食の肝となる役割を持つ。
おすすめの料理
たたき、フライ、アラ煮、カルパッチョ
さばき方のポイント
1
頭周辺のウロコが硬いので、おろす前に皮を剥く要 領ですき引きにする。
2
頭とハラワタを取り除いた後、三枚におろす前に身を立てて背ビレを起こすようにしながら包丁で切り取る。後は基本の三枚おろしで良い。
主なカツオの種類
カツオ
世界に広く分布し、日本では太平洋側が主な漁場。刺身、たたきなどで食べるほか、カツオ節の原料にもなる。本ガツオと呼ばれることもある。
ソウダガツオ
カツオの近縁種で、ヒラソウダとマルソウダがいる。食料で市場に流通する場合は区別せずにソウダガツオと呼ばれることが多い。
スマガツオ
日本の本州中部以南に生息している。味はカツオに似た赤身で、刺身や焼き魚などで食されているものの、流通量は少ない。
ハガツオ
南日本太平洋沿岸に生息。身は軟らかく、カツオよりやや味が落ちるとされる。傷みが早いこともあり、あまり流通していない。
DATA
分類
スズキ目 サバ科
学名
Katsuwonus pelamis
英名
Skipjack
産地
主な産地は、高知の土佐、九州地方、静岡県、伊豆諸島、神奈川県、千葉県など。
旬
初夏から秋。初夏に出回る初ガツオは、さっぱりとした味で美味だが、脂ののった秋の戻りガツオも味わい深い。
目利きのポイント
- エラぶたを開いて見て、エラが真っ赤なものは鮮度が良い。
- 魚体が鮮やかな青色に光っているもの。
- 尾の付近がザラザラの手触りのものは新鮮。
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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