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我らが推しハイ、ここにあり。酒場の達人が語る至高のチューハイとは?

チューハイ片手に酒場の達人たちが集まり、 愛され続ける老舗名店から、知られざるマイナー酒場まで、人生で一度は飲んでおきたい珠玉の一杯について語ります。

座談会に参加してくださった酒場の達人のみなさん

雑誌『古典酒場』編集長 倉嶋紀和子さん
主要出没エリア:西荻窪

チューハイは甲類焼酎ベ ース、テキーラベース、ジンベース等、酒が入っているものなら何でもこい。荻窪『よるべ』には、コーヒー酎の豆乳ハイにシナモンスティックを入れた「クラシマスペシャル」なる裏メニューも。

酒場ライター パリッコさん
主要出没エリア:石神井

家でも甲類焼酎を炭酸で割ったものを飲むほどプレーンタイプのチューハイ好き。チェーン居酒屋のチューハイも嗜む。著書に「酒場っ子(スタンド・ブックス)」、「晩酌百景(シンコーミュージック刊)」ほか。

ブログ『居酒屋礼賛』主宰 浜田信郎さん
主要出没エリア:野方

初訪問店では「甘くないのをください」と頼むという根っからの左党。長年、訪れた店のメニューや価格、日付までも記録。著書に「酒場百選(ちくま文庫刊)」、「ひとり呑み(WAVE出版刊)」ほか。

『宝ホールディングス』環境広報部 奈良有里代さん
主要出没エリア:立石

仕事と趣味を兼ねて、酒場に日々繰り出す。会社近くの日本橋、八重洲付近の他、最近は立石方面にも遠征多数。好きなチューハイのタイプはプレーンで、渋谷や恵比寿など下町エリア以外のチューハイ事情にも通じている。

酒場の達人4名が語り明かす、いま魅力的な酒場&チューハイ

―― 今回の座談会にあたり、 メンバーの皆さんに伺ったおすすめ店アンケートでは、赤羽『まるます家』と南千住『大坪屋』は、 やはり2強のようですね。

浜田 『まるます家』といえばジャンボ酎ハイ、「ジャン酎」ですね。ハイリキの1L瓶に色々と足しますが、一番人気は100円で追加できる生ライムとミントのモヒートセット。

倉嶋 若女将のひらめきをきっかけに、銀座『ロックフィッシュ』の間口さんが、レシピをブラッシュアップして生まれたのが「ジャン酎モヒート」。9年ほど前、間口さんがライムやミントを持参してこの店で行ったお披露目の飲み会に、私も同席していました。ハイリキとの相性は素晴らしく、頼めばビターズも出してくださる時もあって、苦味を足すともっとカクテル風の味になるんですよね。

酒場の女将は、花形役者のような存在感。(倉嶋さん)

浜田 これに合わせるなら、やっぱり「たぬき豆腐」かな。

パリッコ 僕も。具だくさんで、たぬき豆腐の最高峰ですね。

倉嶋 私のテッパンはジャンボメンチ。サルサソースの辛酸味がモヒートにすごく合うんです。

浜田 『大坪屋』は、とにかく女将に躍動感がありますよね。

倉嶋 強炭酸のチューハイが絶品で、それを注ぐ女将の所作も素晴らしく、私は「下町の女優」とお呼びしてます。男前で色気があってかっこいい。

浜田 タン・タ・タン・タ〜ンってすごくリズミカルに作る。

パリッコ むしろ「ドスン」に聞こえてビビりましたよ(笑)。

倉嶋 チューハイは、キンミヤ25度にシロップを薄く垂らして。そのバランスが抜群で、肉豆腐にマッチしますよね。

僕の血は、チューハイでできている。(パリッコさん)

パリッコ 僕は南千住だと『大林酒場』。勢いよく注いだチューハイが、ピタっとコップの縁で止まる光景の美しさが印象的です。あと、私語厳禁で3人以上入店お断り、警告カードも出るって噂もあり緊張しましたが、実際はすごく親切な大将で。

倉嶋 私が飲みに行った時も、酔客を断っていましたが、おかげで、女性一人でも安心して飲めるのはありがたいんですよ。

奈良 『丸千葉』も大将の心意気が心地良いし、料理は何を食べても美味しいですよね。

――鐘ヶ淵・八広エリアでは『はりや』が挙げられていますね。

パリッコ 老舗だけどすごくモダンで、老若男女誰がいても自然。それでいて、伝統ある元祖下町ハイボールが飲める良い店です。一度閉店されて、娘さんが別の場所で再開したっていうエピソードもすごくいいなと。

奈良 『亀屋』も最近移転したけど、一枚板のカウンターは昔のまま。氷を入れないスタイルで、よく冷やしたエキス入り焼酎と炭酸をお母さんが混ぜてくれるんですけど、その配合は息子さんにもまだ教えていないって。この辺りは「酎ハイ街道」とも呼ばれていますが、ルーツってご存知ですか?

倉嶋 「酔わせて下町」(大衆酒場案内サイト。外部リンク)の藤原法仁さんが名付け親だと思います。素敵なセンスですよね。

――自家製エキスの文化は、いつ頃始まったのですか?

浜田 これも藤原さんが言うには、昔は焼酎のストレートに、少しエキスを入れていたようです。京成立石の『宇ち多゛』の「梅割り」もそのひとつ。1948年頃にホッピー、その数年後にチューハイが登場しました。最初は焼酎を炭酸で割るだけで、次第にエキスで味や色をつけるようになったんでしょう。

倉嶋 立石だと『東邦酒場』の「元祖酎ハイ」も素敵ですよ。 元々お花茶屋にあった、新鮮なモツが売りの老舗。カットレモンひとつとっても、フォトジェニックで美しい。

奈良 『張小姐餃子(ちょうさんぎょうざ)』が私は好きで、タカラ「焼酎ハイボール」を缶で出してくれます。本格的な中国家庭料理がとても美味しく、おつまみに最高です。

パリッコ モツ焼きだと、赤羽の『米山』が絶品ですよね。変わり種チューハイもある。

浜田 あと、米山といえばシャリキン。凍らせた金宮はいまでこそよくあるけど、私の記憶では2005年時点で、すでに米山では普通に出していましたよ。

パリッコ 東十条の『埼玉屋』もシャリキン長いですよね。

浜田 埼玉屋では、最初にレモンチューハイを頼んで、そのグラスで2杯目からホッピーを飲むのが楽しみで。レモンの残り香が利いて、これが何ともいい。

もう一杯足りないという時に頼むのがチューハイ。(浜田さん)

倉嶋 日本酒店ながら、阿佐ヶ谷の『燗酒屋』も外せませんよ。

浜田 なぜかチューハイもあって、ものすごく丁寧に作ってくれるんですよ。

倉嶋 割烹着の女将が、手の甲にちょこっとのせて味見をされる仕草が、色っぽくて。

浜田 小ぶりのグラスに焼酎を並々と注いで、上のちょっとした隙間に入れる炭酸がすごく利いてバランスが抜群。いまは女将の実家で採れたユズのサワーを出していて、香りが鮮烈で、濃いのにスイスイ飲めてしまう。

奈良 日本橋にある角打ち、『小野屋酒店』も面白いですよ。酒屋の地下にある秘密基地のような酒場です。400〜500円のおつまみが並ぶ中、なぜか1000円超の「コンキャベ」という逸品が、チューハイにも合うご褒美的な美味しさです。

パリッコ すごく気になる!

倉嶋 ここでしか飲めない一杯としては、荻窪『鳥もと本店』の「おろしショウガ入りチューハイ」もおすすめです。以前、一緒に飲んでいた方が「おろしショウガを入れてもらえませんか」と言い出して。飲んでみたら抜群にキレと香りが良かったんです。それ以来、裏メニューになっていて、頼めば誰でも作ってくれるはずですよ。

甲類焼酎も色々と飲み比べると面白いですよ!(奈良さん)

――そもそも、甲類焼酎は銘柄によって違いはありますか?

奈良 とても良い質問ですね。特徴がなさそうな甲類焼酎でも、商品によって全然違います。宝酒造では、樽で寝かせた約85種類の貯蔵熟成酒を約2万樽保有していて、目指す味わいに応じてブレンドしているんですよ。

倉嶋 貯蔵熟成酒、飲んでみたいですね! 確かに、甲類焼酎×炭酸のシンプルな組み合わせでも各店の個性が出るのは、お酒の違いも大きいでしょうね。

浜田 甘くないチューハイを頼むと、その違いは結構分かりやすいんですよ。

パリッコ 私もプレーンが好きです。まずは何も足さずにその店の味を知るのが、マニアへの第一歩かもしれませんね。

酒場の達人に推しハイを聞いてみた!

最後に、みなさんのナンバーワン・チューハイ(推しハイ)を挙げていただきました。チューハイの味にとどまらず、酒場の空気も含めてのナンバーワンというところに、溢れる酒場愛が伝わってきます。

【パリッコさんのナンバーワン】
石神井公園『ゆたか』の梅酎ハイ

「緊急事態宣言が解除されてから、恐る恐る久々に行った居酒屋で飲んだ一杯。『やっぱり酒場っていいなぁ』としみじみ感じさせてくれた、味云々ではなく記憶に深く刻まれたナンバーワン」

【奈良有里代さんのナンバーワン】
八広『亀屋』の焼酎ハイボール

「下町ハイボール特有の、門外不出というお店独自のエキスも入っていながら、焼酎の味もしっかりとしていて飲みやすい。これぞ秘伝の味!という一杯が、自分は一番美味しいと感じます」

【浜田信郎さんのナンバーワン】
阿佐ヶ谷『燗酒屋』の柚子サワー

「旬の柑橘の美味しさを存分に楽しめる至極の一杯です。これはチューハイというより、完成されたひとつのカクテル。日本酒主体のお店なのに、1杯目からチューハイを頼んでしまいます」

【倉嶋紀和子さんのナンバーワン】
赤羽『まるます家』のジャン酎モヒート

「ハイリキをお洒落にしてしまう、オリジナリティ溢れるカクテルのようなチューハイ。また、お父さんたちがこれを飲んでいる時の笑顔が、すごく可愛らしくて良い。その様子も含めて一番好きです」

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buono 編集部

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使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。

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