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棚田に佇む一軒家で、恐ろしく新鮮な地鶏を食らう。 熊本県山鹿市『ろばた焼き 山ろく』

日本全国津々浦々、秘境にひっそりと佇む名店を巡り、その魅力を余すこと無く紹介する連載。記念すべき第1回目は、“火の国” 熊本の最北端の山奥にある地鶏焼きの店がメディア初登場。阿蘇くまもと空港から車で1時間半かかる僻地にもかかわらず、全国各地から訪れるリピーターが後を絶たないという隠れ家の全貌を明らかにする。

知る人ぞ知る隠れ家は朝挽き地鶏の桃源郷

熊本県山鹿市。福岡県との県境に位置し、温泉地としても知られる熊本県最北部に、知る人ぞ知る “地鶏焼き” の店があるという。熊本空港から国道325号線を北上すること約1時間、人もまばらな峠を越え、岳間渓谷の山間を走っていると、飾り気のない集会所のような建物がぽつねんと現れた。

壁にあしらった「地鶏 炭火焼き」の文字が目印。九州だけでなく、ここだけの為に遠方から訪れる人も多い。

『ろばた焼き 山ろく』。隣には清流が流れ、棚田が広がる場所は、知らなければ辿り着くことはない僻地だ。

午前11時過ぎ。中に入ると20畳以上はある板張りのワンフロアに4〜10人用の囲炉裏がある。靴を脱ぐ際に、ホワイトボ ードに書かれた「本日の処理羽数」という文字が目に留まった。

平日は30羽前後で週末は50羽程度。この日の品切れはなんと14時! 日曜・祝日以外は予約可。

「毎朝、処理したての地鶏だけを使っていて、年間の羽数が決まっているんです」と教えてくれたのは店長の樺氏。熊本の地鶏と言えば「天草大王」が有名だが、こちらで使用するのは、耳慣れない「紅(あこ)うどり」だ。隣の菊池市の地鶏で、原原種、原種の種鶏が国内生産された雛を、半開放鶏舎や無農薬飼料で育成した純国産だという。

9年前からこの店で働く店長の樺浩一氏。「鮮度を守り続けます!」。

『山ろく』は、馬肉びいきで安くみられがちな地鶏の価値を高めたいという思いで平成7年にオープン。契約する養鶏所が陽も昇らないうちから処理し、丸鶏で運ばれて店で解体する、まさに「朝挽き」の鮮度とセルフ焼きという独特のスタイルが口コミで広がり、全国からリピーターが訪れる店になった。

「紅うどりはさっぱりした肉質なのに、味わいは濃厚。地鶏ならではの歯ごたえも楽しめます。一度食べてもらえればわかりますよ」と笑顔で話す樺氏。

そうこうしているうちに、ガラスの向こうに続々と来る客の姿が見えた。

火持ちのいい樫の木の炭は、火力も強い。

鮮度がほとばしる地鶏を心ゆくまで食らう喜び

開放感溢れる空間でゆっくり楽しめる。

メニューをめくりながら、地方にしても安すぎる価格に軽く驚いていると「刺身は1時間も待たずになくなることもあるので……」と樺氏。冷凍ものは一切使っていないので、数羽どころか、その日の数すべて合わせて1人前になる部位もあるという。急いで4種類の刺身、看板メニューの「地鶏焼き」の塩とタレ、最も少ない部位の「ホルモン焼き」など焼き物も数種類注文する。

ビールジョッキと共にまず運ばれてきたのは刺身。一見するだけでその新鮮さが分かる。艶めく「砂ずり」を一口食べると、ざくっと歯切れのいい鮑のような食感! クセのない味わいに思わず目を見張ってしまう。その砂ずりの一部分である「砂とろ」は弾むようなコリコリ感があり、瑞々しく甘みが広がる。さらに、透明感溢れる「ささみ」はしっとりした肉質。噛むほどにじんわり広がる淡白な旨味は、ささみとは思えないほど濃い。彩り野菜に刻んだ柴漬けを潜ませた和風アプローチの「カルパッチョ」も面白い。

「ジュワ〜」という音と芳ばしい香りだけでも酒が進む。焼き方や加減が分からなければ教えてくれる。

ひと通り刺身を楽しんだ後は、芋焼酎に切り替え、焼き物へ。まずは地鶏塩焼き。国産の樫の木の炭は火力が強く、パチパチと皮が焼かれる音と芳ばしい匂いが食欲をそそる。店では海水を汲み上げて天日干しした手作りの二番塩を使っているとのことだが、肉そのものの持ち味を引き出すことこの上ない。地鶏ならではの歯ごたえと、噛めば溢れる豊潤な味わいが口の中で踊り、ジューシーながらも脂はすっと消える。

脂を落としてくれる焼酎は「森伊蔵」をはじめ「村尾」や「佐藤」など稀少銘柄も。これ以下は見たことがない驚きの価格は、ぜひ店で確認されたし。その他、白州ハイボールや「出羽桜」「醴泉」など日本酒も。
刺身やタレのベースに使うのは、「阿蘇のマルキチ醤油」。

控え目にいっても極上の肉はまだまだ続く。自家製の芳ばしい醤油ダレが食欲を刺激するタレ焼き、臭みは一切なく、さっと炙るだけでねっとり美味い「レバー」、牛よりもやわらかくコク深い味噌ダレと相性抜群の「ホルモン」、そして脂っぽさがなくさっぱりいただける「ボンジリ」……。めくるめく続く地鶏の宴は、鶏出汁の効いた「炊き込みご飯」と優しい甘さの「団子汁」で〆た。

「団子汁」、山鹿市内のヒノヒカリを使った「炊き込みご飯」。
地鶏100%の「山ろくウインナー」は和辛子でいただく。

その味もさることながら、少人数で一組一組丁寧に接客し「わざわざ来ていただいたから」と時間制限を設けない心配りは、清々しさすら漂う。

「うちの店は、野菜を届けてくれる農家さんや業者さん、そしてお客様がいるから成り立っているんです」

ただ気持ち良く、新鮮な鶏を食べて楽しんで欲しい。そのシンプルな思いが、店の全てに現れている。

めくるめく至福の時間を約束するメニューをご覧あれ!

1.皮タレ焼き

首の部分の厚い皮を使用し、身のような食べごたえ。

2.レバー焼き

ぷりっぷりの食感。焼きすぎに注意。

3.ささみの刺身

鯛を思わせる味わいに驚く。

4.地鶏塩焼き&地鶏タレ焼き

地鶏焼きはもも肉とむね肉。塩焼きは辛味の効いた柚子胡椒で。

5.砂ずりの刺身

軽快な食感と甘みがクセに。

6.ホルモン焼き

最も希少な食道の部分。

7.ボンジリ焼き

未体験の「あっさりしたボンジリ」はマスタードで。

8.砂とろの刺身

スライスオニオンと山葵、すだちでいただく。

9.ささみのカルパッチョ

新メニュー。野菜は主に近隣農家から仕入れる。

地鶏 “焼き” の極意

1 皮目が下になるように網の中心にのせる。

2・3 皮目をしっかり焼いたら返し、両面を焼く。

4 はさみで一口サイズに切る。

5 トングで全体をしっかり混ぜながら焼く。

6 中心に少し赤身が残る程度で焼きあがり。

 

 

ろばた焼き 山ろく
住所/熊本県山鹿市鹿北町椎持3264
TEL/0968-32-2245
営業/11:30〜無くなり次第終了(土・日・祝日 11:00〜)
休み/水曜
https://www.robatayaki-sanroku.com/

出典

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buono 編集部

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使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。

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