メッシュバッグピローを作ろう|長谷部雅一のバックパッカーズワークショプ
フィールドライフ 編集部
- 2021年01月10日
道具好きが最後に行き着くのはカスタムや自作。自分が本当にほしいモノは、自分の手でしか生み出すことはできない!今回は日中、夜と違った役割で活躍してくれる、シンプルな作りの枕を自作する。
文・イラスト◎長谷部雅一 Text & Illustration by Masakazu Hasebe
写真◎後藤武久 Photo by Takehisa Goto
出典◎フィールドライフ No.66 2019 冬号
手ぬぐいひとつで快適な枕に
長年悩みの種だったのが、山で快眠できる枕がないこと。服を適当に丸め、手ぬぐいで巻いて頭を置くも、朝には枕ではないなにかに変わり果てている始末……。
その日の夜の好みの高さや硬さ調整ができ、心地よく朝までしっかりと〝枕のまま〞でいてくれる枕代わりの物。今回はそれを目指して製作に取りかかった。
ベースはなにかと便利なメッシュのスタッフバッグにした。もちろんサイズはミニマムでも機能する枕サイズだ。ここにダウンジャケットでも、フリースでも、靴下でも(未使用推奨!)、好きな物を好みの高さや硬さになるように詰め込めば枕の完成だ。
さらには肌触りがいいように手ぬぐいを巻くのだが、朝までズレない仕様になっているのが今回のポイント。
行動中は多用途に使えるシンプルなメッシュバッグが、夜は最上の枕へと一気に変身。重さもわずか46g。簡単なのでぜひ作ってみてほしい。
事前の準備
必要なもの
①メッシュ生地50×62cm
②バンジーコードφ1.5mm×100cm
③細引きφ1.5mm×70cm
④コードストッパー小2個
本体にはメッシュ生地を使用。通常のナイロン生地などでも枕の用途は果たしてくれるが、濡れたものを外付けして乾燥させる、ウエアを防水目的でなく簡単に収納しておく場合などにメッシュバッグは便利に使える。その他は手ぬぐいを固定するためのバンジーコード、口を絞るための細引き&ストッパーを用意。
道具
①家庭用ミシン
②カッター
③ハサミ
④ライター
⑤チャコペン
⑥ミシン糸30番(厚地用)
⑦ミシン針14番(厚地用)
⑧カッターマット
⑨定規
特殊な道具は不要で、通常ミシンを使って裁縫する際に使う一般的な道具があれば大丈夫。糸と針に関して、糸が太めのほうがしっかりと縫えるので厚地用のものを使用、それに合わせて針も厚地用を用意する。ライターはバンジーコード、細引きの末端がほつれないように火で炙るときに使用。
型紙
事前にメッシュ生地を左の型紙のサイズに合わせてカット、さらに折る部分などの内側の線もチャコペンで引いておくと作業が一気にラクになる。型紙を作らなくても制作は可能だが、工作用紙のような厚めの紙で作っておくと、カットする際、また線を引く際に型紙を定規のように使うことができる。
型紙を定規のように使ってカット。ロータリーカッターだと生地が切りやすい。もちろんハサミなどでもOK。
作り方
1 メッシュ生地を縫う
①生地を半分(型紙の中央縦の黒い線)で折り返し、袋の底部分(型紙の下)を端から10㎜内側で縫う。縫う際に生地が伸びないように注意。
②袋のサイドにあたる部分を縫う。縫い始めは底の部分から。最後、写真のように80㎜は縫わずに残し、返し縫いをしておく。
③ ②で縫い残した袋の上部の縫い代を両サイドに開き、縫い終わりの部分(上部から80㎜)を横に何度か往復し縫っておく。
④ ③で左右に広げたサイドの縫い代の生地端から2~3㎜内側を直線で縫う。縫う箇所は下のイラストの赤色部分を参照に。
⑤袋の上部、細引きを通す輪の部分を縫う。端を10㎜、20㎜と折り、折り端から数ミリ内側を縫っていく。返し縫いも忘れずに。
⑥底部分のサイドを縫う。写真のようにサイドの縫った部分を中央にすると三角ができるので、底・サイドの厚みが100㎜になるように縫う。
⑦ ⑥で縫った三角部分の残り二辺を底部分に沿わせるように縫う。これを反対サイドも行なったら袋の縫いは終了。次はバンジーコードを付ける。
メッシュピローバックの使い方
1)入れるものの量に合わせてバンジーコードの長さを調整。コードを短く絞ると、サイズは小さ くても厚みがある枕になる。
2)メッシュバッグの中にウエアなどを入れ枕のボリュームを調整。このときバンジーコードが外側になっていることを確認。
3)2本バンジーコードの間から手ぬぐいを出し、写真のように外側に倒すようにして手ぬぐいを広げる。
4)バッグを包むように手ぬぐいを回し。手ぬぐいの反対の端をバンジーコードの間から出す。外側に広げたら完成。
メッシュだからこその使い方
メッシュバッグの利点は湿気が抜けやすいこと。濡れた手ぬぐい、ソックスなど、見栄えを悪くせずにこのように乾かしながら行動することができる。
2 バンジーコードを取り付ける
①バンジーコードをハサミなどでカットし、写真のようにライターの火を近づけて熱処理する。こうすることでほつれにくくなる。
②縫い代が内側にくるように袋をひっくり返し、半分に折ったバンジーコードの中央が型紙上部の赤丸部分にくるようにメッシュを通す。
③メッシュを通したバンジーコードの輪に直径10㎜程度の結び目を作る。コードの抜けを防ぎ、さらに引っ掛けるためのループにもなる。
④メッシュの反対側にも結び目を作る。これにより③で作った結び目とこの結び目の間(5㎜程度)でメッシュ生地が固定される。
⑤バンジーコードの端の部分をボトム側から出す(位置は型紙の下の赤丸参照)。この本体上のバンジーコードが手ぬぐいを引っ掛ける部分となる。
⑥バンジーコードの端からコードストッパーを通し、結び目を作る。ここを調整することで枕で使う際のフィッティングが調整できる。
3 細引きを開口部に通す
①細引きもライターで端を熱処理。袋の上部、スリーブ状になっている部分に細引きを通していく。途中でメッシュから抜けないように注意。
②細引きを通し終わったら末端同士をコードストッパーに通し、そのあとストッパーが抜けないように結び目を作って終了。
完成!
実際に枕として使う際はメッシュバッグに手ぬぐいを巻いて使用。こうすることでメッシュバッグ、中に入れたウエアなどを汚さずに済む。
先生:長谷部雅一
アウトドアプロデューサー。自然学校「Be-NatureSchool」スタッフ。野外でのインタープリテーションを中心にファーストエイド講習、モノ作り、イラスト制作などマルチに活躍中。
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文・イラスト◎長谷部雅一 Text & Illustration by Masakazu Hasebe
写真◎後藤武久 Photo by Takehisa Goto
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PROFILE
フィールドライフ 編集部
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。