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テントにリビングスペースを作ろう|使い勝手のいい居住空間にするには?

長い時間をすごすリビングはキャンプの要。動線、ファニチャー、寝室との接続などを意識して、最高のベースキャンプを作り出そう!

文◉藤原祥弘 Text by Yoshihiro Fujiwara
写真◉矢島慎一 Photo by Shinichi Yajima
出典◉フィールドライフ 2020年春号 No.67

教えてくれたのは

シエルブルー 茨木一綺さん、実加さん

ルーミーなシェルターか、開放感のタープか

「最高のグループキャンプのリビングの作り方を教えて!」というお願いに応えてくれたのは、アウトドアファニチャーを作るシエルブルーの茨木さんご夫妻。

愛用のテントとタープは大小合わせて30張り以上。あらゆる条件下でキャンプを繰り返し、いまでは多数のメーカーのアドバイザーも務める正真正銘の上級者だ。

一綺「キャンプのリビングを大別すれば、シェルター利用とタープ利用に分けられます。シェルターは閉じた空間が魅力。キャンプ場でもプライベートな空間を作り出せます。対するタープは開放感が特徴。自然とシームレスにつながれるのはタープならではですね」

実加「シェルターは虫を遮れるところもいい! なかに入ってメッシュを閉じれば虫をシャットアウト。それにシェルターは中が見えないから、盗難の予防にもなる」

一綺「でも、大きいシェルターは撤収日に降られると片付けが大変。その点、タープは濡れもの1枚だから、マンション住まいの人でも片付けが楽チンなんですよね」

むむむ、それではどちらがより快適なんでしょう?

一綺&実加「どっちも楽しいから、両方とも揃えちゃえ!」

Technique.1 シェルター

テンマクデザイン/ビッグルーム ¥248,000 / サイズ:約D500×W500×H230cm 収納サイズ:約82×44×H40cm / 重量:約26.05㎏ 問ワイルドワン TEL.028-651-0570

風雨と人目を遮り、快適なプライベートな空間を生み出すシェルター。キャンプ場でのんびりすごすなら、こっち!

メリット

まるで自宅! どんな天候でも快適

大型シェルターのいちばんの魅力は、外界と室内をくっきり分けること。風雨も人目も吸血昆虫も、中へ逃げ込めば関係なしに。まるで家にいるような感覚でリラックスできる。

冬でもあったか!

閉じた空間を作り出すシェルターは、真冬のキャンプでも風知らず。薪ストーブをインストールできるモデルなら、寒風吹きすさぶ雪中キャンプでもリビングは常春!

デメリット

濡れたら、どーする!?

最終日の朝、幕を叩く雨で目が覚めた……なんてときは、そっと会社に体調不良の電話。雨中での撤収も大変なら、再び広げて乾かすのも大変。出社しなくていい自由人向け!?

ひとりじゃ立てられない!?

太いポールに強いテンションをかけて立ち上げるモデルでは、成人ひとりでは立てるのが困難なものも。立てるときもたたむときも、必ず友だちが必要になる仲良しデザイン。

Technique.2 タープ

鎌倉天幕/タープ530DL DAC ¥55,680 / サイズ:D530×W570×H260cm 収納サイズ:23×79×23cm / 重量:約9kg。KTM530SW ¥8,450 / サイズ:約D150×W240×H200cm 収納サイズ:32×41×28cm / 重量:約1.2kg 問ニューテックジャパン TEL.045-312-7895

開放感と設営のしやすさは段違い。身軽でいたいミニマリスト向けリビング。アウトドアとの一体感を楽しみたい人は、こっち!

メリット

気軽に展開、気軽に撤収!

設営に必要なのは、幕1枚と数本のポールだけ。ひとりでも簡単に設営でき、形の変更も高さの調整も自由自在。たとえ撤収日に降られても、自宅のベランダで簡単に乾かせる。

アウトドアを満喫! オープンエア

タープが遮るのは雨と日差しだけ。前後左右が大きく開いているので、リビングの外はぐるりと大自然の借景。外遊びを楽しむなら、これ以上のナチュラルリビングはなし!

デメリット

雨にも負ける、風にも負ける

横殴りの風雨は一枚布の大敵! サイドからは容赦なく雨が降り注ぎ、濡れずにすごせる空間は大幅減。リビングの道具は濡れそぼり、壁面がないため道具が飛ばされることも。

来るものは拒めず、去るものは追えず

自然との一体感が魅力のタープは、吸血生物や野生動物もウェルカム仕様。サイトにいるときは虫、留守中には動物がやってくる。装備が丸見えなので、盗難を誘発することも。

キャンプ上級者に学ぶ、快適リビングテクニック

レイアウト上手がキャンプ上手! 目指すのは「出かけたくなくなる」リビングスペース。茨木流のノウハウを特別に公開。

①働き者こそ快適に!「王様ポジション」から考えよう!

キャンプをいちばん楽しめるのは、ホスト役が座る「王様ポジション」。チェアに座ったまま火器、食器、テーブルに手が届くこの席は、働かなくてはいけないように見えて、そのじつ、おいしいものがつねに生み出される最前線でもある。

「座ったまま作業を完結できる王様ポジョンが作れたら、ホストもゲストもキャンプを楽しめる。動線やレイアウトは王様ポジションを基準に考えましょう。もちろん、テーブルの下にはソフトクーラーに入ったビールを完備したいよね~」

②ファニチャーは天井高に合わせてチョイス

「高いテーブルとチェアを使うハイスタイル、低いテーブルとチェアを使うロースタイル。それぞれに良さがあるけれど、気をつけたいのは天井高とのマッチング。立って歩ける高さならハイスタイルでもいいけれど、天井高が低いタープやシェルターならロースタイルのほうが圧迫感がありません」

テーブルはメタルとウッドの二刀流

天板が木製のテーブルは雰囲気が出るもののシミやコゲがつきやすい。熱いオーブンや汚れものを気軽に載せられるメタルのテーブルがひとつあると便利。

チェアとコットはテーブルに合わせる

テーブルとチェアの高さがチグハグだとリビングの使い勝手が悪くなる。「メインのテーブルの高さを基準にチェアを選ぶと統一感が出てすごしやすい」

③食器は洗って干して魅せる

「大容量のジャグがあれば、使った食器を自分のサイトで洗える。洗った食器はカゴで乾かしつつすぐ使え食器は洗って干して魅せるるようにする。ジャグはシェルターのときは屋外に、タープのときはサイト内で地面がいちばん低い屋根の下に設置します。こうすれば水がリビングに流れ込みません」

④タープで快適「垂直収納」

どこからでもリビングにアクセスできるタープスタイル。しかし、動線を塞がないようにすると自然と荷物がリビングの中央部に集まってしまう。

「リビングの中央部は天井高があり雨にも濡れない一等地。ここを荷物で埋めないためには、垂直方向にものを収納できるハンガーやラックが便利です」

⑤シェルターで快適「壁面収納」

「雨の降り込みを気にしなくても良いシェルタースタイルでは、リビングを囲うように荷物を配置する壁面収納が便利。シェルターの壁面にかけられるラックやテーブルを活用して、道具を上下に収納すると居住空間を大きく取れます」

⑥ランタンは用途で使い分け

左から、手軽なCB缶、明るいホワイトガソリン2点、光が自然なケロシン2点、キャンドル風ガスランタン、風と衝撃に強い白金、明るくて熱が出ないLED。

「ランタンは用途と場所で使い分け。ホワイトガソリンやガス、ケロシンを燃やすランタンは光が自然な反面、手間がかかり高温にもなる。その点でLEDは安全だけど本物の火のような安らぎはない。引火や怪我が心配な場所ではLED、明るさや使用感を楽しむならホワイトガソリンやケロシン、手軽に雰囲気がほしいときがガスタイプ、といった使い分けがおすすめ」

⑦寝住隣接で濡れずに寝床へ

「大型のシェルターをリビングにするなら、寝床は室内に設けるのが快適。暖かいし、先に眠ることになっても寂しくない(笑)。専用のインナーがあればそれを使えばいいし、なければ手持ちのテントのインナーを中に入れちゃってもいい。タープの場合はテントの入り口がタープのひさしの中に入るように設営すると、濡れずに寝床とリビングを行き来できます」

⑧ライトはタイプで使い分け

「最初に手に入れるべきライトはヘッドランプ。これがあれば行動中も寝床でも周囲を照らせます。これに加えて、面で発光するライトがあると、夜間の設営や撤収がラクになる。ホヤが丸くて電球色の大型ライトはサイト全体を柔らかく照らしたいときに活躍」

⑨飲食物は「保温」と「保冷」

クーラーは硬軟どっち?

「私はAOクーラーのソフトクーラーを愛用していますが、一般的なハードクーラーと比べても保冷力に遜色はありません。釣りなどで椅子として使いたいときや、夏の連泊で大量の氷を使うときはハード、それ以外の場面ではソフトを使っています」

魔法瓶で省エネ&やけど予防

「お湯は、いちど沸かしたら魔法瓶で保存する。倒してもこぼれず、沸かしなおすときも少ない燃料で温まります。夏場はクラッシュアイスの保存にも!」

⑩収納テクで楽チン撤収

1)クーラーで緩衝

クーラーは保冷だけではなく、緩衝材としても優秀。「食器をソフトクーラーに納めれば、内容物が柔らかく保持されて音もしない。ハードクーラーは外からの衝撃に弱いガラス製品や、液漏れするものの収納に便利」

2)出し入れ簡単二段収納

「ラゲージスペースを丈夫な板で2段に仕切っておけば、荷物の出し入れが簡単に。間仕切りがないと下にあるものを出すのが大変だし、壊れ物は上にしか積めない。2段だと積み込みと撤収が短時間で済みます」

3)雨のテントはがばっと撤収

雨の日の撤収では濡れたテントをそのまま入れられる防水袋が活躍。「結局すぐに干し直すのだから、きつい収納袋に収めずに短時間で入れられたほうがいい。すばやく撤収できるから体も濡れにくくなります」

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PROFILE

フィールドライフ 編集部

フィールドライフ 編集部

2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。

フィールドライフ 編集部の記事一覧

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