三陸三昧スリーデイズ|ホーボージュンの全天候型放浪記 装備編
フィールドライフ 編集部
- 2021年07月10日
さまざまな海況を漕ぎ進むシーカヤッキングでは独自の装備が必要だ。ここで紹介するパッキングリストは今回の三陸の海旅で実際に僕が使ったモノ。20年以上に及ぶ外洋航海と遠征のなかで選び取った実戦的ギアばかり。参考にしてほしい。
>>>ホーボージュンの全天候型放浪記「三陸三昧スリーデイズ」はこちら
文◎ホーボージュン Text by HOBOJUN
写真◎山田真人 Photo by Makoto Yamada
Special Thanks◎Masashi Takeda(SURFACE)
出典◎フィールドライフ 2019年夏号 No.64
シーカヤックツーリング全アイテム公開
HOBO’S Packing List
僕はフォールディングタイプとリジットタイプの2艇のシーカヤックを持っていて、海域や目的によって使い分けている。
今回使ったのはケプラー&カーボンで作られたリジット艇で、世界的冒険家のナイジェルデニスがデザインした遠征用モデルだ。長くて細身なので非常にスピードが出る。荒れた海況では一刻も早く危険ゾーンを脱出しなければならず、この速さは厳しい遠征では武器になる。その分荷物はあまり積めないが、これで瀬戸内海横断(約300㎞)をしたときは1週間分の食糧と飲料水を積み込み、無補給で行なった。国内ツーリングでは充分なサイズである。
キャンプ用品で特徴的なのはストーブ。海旅の場合は離島や無人浜でのキャンプが多く、登山用のガス缶はまず手に入らない。そのためカートリッジガスを使うのが定石だ。先日発売になったソトのフュージョンストーブはレギュレーターを内蔵し低温に強く、独自のヘッドのおかげで横風にも強い。冒険的な航海でも安心できる。
また海旅は濡れたウエアを乾かしたり冷えた身体を暖めるために流木で焚き火を熾すのが基本。だから焚き火で料理できるように調理関係の道具も登山に比べ頑丈なギアを使っている。
Pick Up GEAR
遠征航海用のシーカヤック
英国の海洋冒険家ナイジェル・デニスがデザインした遠征航海用カヤック。全長219㎝、全幅50㎝と細身で高速巡航が可能。最大153ℓの荷物が積載できる。
砂浜用のローチェア
大人気のヘリノックスだが、通常モデルは砂浜に脚がめり込んでしまう。そこでこれ。構造的に砂に埋まりにくく、ローモデルなので焚き火との相性もいい。
ペリカンと座布団
小型の1120番にスマホ、ヘッドランプ、財布、取材ノート、予備電池などを入れて常時携行。
青い座布団は整備工場などで使われる低反発クッションだ。
コッフェルセット
プリムスのライテックを中心に組んでいる。ベルモントの二重中空ボウルは中身が冷めにくいのでオススメ。ナイフはモーラのステンレスモデルを愛用。
ネイチャーストーブ
小枝や薪などを燃料とするネイチャーストーブ。独自構造で二次燃焼するので火力が強く、燃料が完全燃焼する。専用のステンレスポットにぴったり収納。
焚き火クッカー
シーカヤック旅は焚き火が基本なので長いハンドルのクッカーが大活躍。ホットサンドから酒の肴まで簡単に作れる。30年来の愛用品でこれでもう4本目。
分離型ストーブ
ガスカートリッジは離島や僻村でも手に入るのでカヤック旅には最適。ソトの新作は横風や低温に強く、分離型なので大きな鍋を乗せても安定感が高い。
スプーンフルのトート
防水生地の大型トートバッグだがサイドのジッパーをフルオープンすると80×116㎝のグランドシートに変身。薪拾いからビバークまで多用途に使えるのだ。
610ナイロンのタープ
新開発の「610ナイロン」を採用。極めて保水しにくい素材で、濡れても重くならずハリを保つ280×340㎝の長方形でデッドスペースがなく使いやすい。
- シーカヤック<SeaKayaking U.K. /ピリグリムエクスペディション>
- パドル<AT/XCEPTION SL>
- 予備パドル<AT/Odyssey Carbon>
- マップケース・海図<三陸海岸>
- デッキバッグ<メッシュバッグ>
- パドルフロート<harmony/ブレードエイド>
- ビルジポンプ<Beckson/サースティメイト>
- ナイフ<spyderco/ソルト>
- リーシュコード<SEA TO SUMIT/バンジータイプ>
- GPS<GARMIN/eTrex20>
- ギアバッグ<SPOONFUL /#17ターポリントート>
- 防水バッグ<SEA TO SUMITなど8~10袋>
- テント<MSR/ハバNX(1人用)>
- マット<mont-bell /エアマット150+ポンプ袋>
- シュラフ<mont-bell/ダウンハガー#3>
- 焚き火台<monoral/ワイヤーフレームライト、トング、着火材>
- 薪ストーブ<solo stove/タイタン+ポット>
- ガスストーブ<SOTO/フュージョンST-330(CD缶)>
- コッフェル<primus/ライテックセット、フライパン>
- 食器<belmont/ステンレス二重カップ>
- 武器<野箸と枝スプーン>
- ナイフ<MORAKNIV/ブッシュクラフト オレンジ>
- ツール<LEATHERMAN/ウェーブ>
- 防水ケース<PELICAN/1120ハードケース>
- 水筒<NALGENE/ 広口1ℓ>
- 水タンク<MSR/ドロメタリー10>
- ライト<PETZL/アークティックコア
- ランタン<SOLAR PUFF/LEDソーラーランタン×2>
- 細引き<φ3mm×5メートル>
- 保温ボトル<THERMOS/500ml>
- 共同装備・タープ<mont-bell /L.W.タープワイド>
- 洗面セット<洗面セット(歯ブラシ、石鹸、ヒゲそりなど)>
- タオル<finetrack /ナノタオル>
- エマージェンシー<ブランケット、ダクトテープ、防水ペンなど>
- ファーストエイド<ロキソニン・抗生物質・外用薬・その他>
Pick Up WEAR
新型ハバN X
軽くて小さいのに居住性がいいソロテント。今年モデルからイーストン社のサイクロンポールを採用し、これまでとは比較にならないぐらい剛性が上がった。旧モデルに比べ横風にも強くなった。
シェイクドライ
防水透湿メンブレンを表地に剥き出しにした最新のゴアテックス・シェイクドライを採用。表面はまったく保水しないからパドリングウエアに流用している。
メリノウール
海ではメリノウールのベースレイヤーを愛用している。海水に濡れても臭くなりにくいし、潮かぶれもしにくい。薄手の150番手相当が海旅には使いやすい。
偏光サングラス
ぎらつく反射光から目を守るサングラスは必須だが、パドリングには水面下の岩礁や障害物が見える偏光レンズがいい。最近は鯖江の「FLOAT」をよく使う。
船乗り用のハット
ヴィンヤードヘヴンというオイルドコットン製ハットを愛用している。ツバが広くて強烈な陽射しをしっかりカットし、波をかぶってもビクともしない。
- パドリングジャケット<mont-bell /ピークドライシェル>
- パドリングパンツ<patagonia /ストレッチウェーブフェアラー>
- パドリングシャツ<SmartWool /150番の半袖>
- ライフジャケットPFD<KOKATAT/ローニン>
- スプレースカート<REED/キーホール型>
- パドリングシューズ<LEBEL SIX /クリークブーツ>
- パドリングハット<WATERSHIP/ヴィンヤードヘブン>
- サングラス<FLOAT/SHMWモデル>
- レインジャケット<mont-bell /トレントフライヤー>
- レインパンツ<mont-bell /トレントフライヤー>
- ミッド上<patagonia /クロストレックフーディ>
- アンダー上<Tシャツ2枚>
- アンダー下<パンツ3枚>
- 短パン<patagonia /ウェーブフェアラー・ウォークショーツ>
- 防寒ウエア<patagonia /マイクロパフプルオーバー>
- サンダル<げんべい>
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- フィールドライフ
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文◎ホーボージュン Text by HOBOJUN
写真◎山田真人 Photo by Makoto Yamada
Special Thanks◎Masashi Takeda(SURFACE)
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PROFILE
フィールドライフ 編集部
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。