アウトドアで自転車を楽しむ王道のアクティビティ。登山好きの女子がMTBに乗ってみた
フィールドライフ 編集部
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小学生時代にはレスリングで全国3位になるなど、体幹は幼いころから自然と鍛えられていた登山好きの編集部員・加藤里。
そんな加藤がMTBに興味をもったが、「走る場所も走り方もわからない……」。
というわけで、MTBの先生にマナーやルール、走り方を習いに行ってみた!
文◎今坂純也(DIRT SKIP) Text by Junya Imasaka
写真◎後藤武久 Photo by Takehisa Goto
まずはマウンテンバイクのルールやマナーを知ろう
MTB(マウンテンバイク)は、オフロードを快適に走るためのスポーツ自転車。意外と知られていないことだが、歩道の通行は「普通自転車」と称される規格の自転車のみが可能で、多くのMTBはハンドル幅が600㎜を超えるため普通自転車には該当せず、走れるのは車道のみ。それ以外は、ほかのロードバイクやクロスバイクと同様に、「車道の左側を通行する」「交差点は二段階右折」などのルールを守って走らないといけない。もちろん、クルマと逆方向を向いて走行する「逆走」も明確な違反行為となる。
ではMTBのフィールドである山の道(トレイル)ではどうか?
そもそも、どこのトレイルも走って大丈夫なのか? MTB初心者の加藤は悩んでしまった。
そんな彼女のために、MTBの先生にレクチャーを依頼。かつては海外ブランドのスポーツバイクを扱う会社に勤め、MTBの大会にも積極的に参戦。現在はスポーツバイク専門ショップのオーナーとなった柴谷智則さんを先生として、ルールやマナー、走行テクニックについていろいろ習ってきた。
まずはルールやマナーについて。山には持ち主である地権者がおり、基本的にはマウンテンバイカーはそこを「通らせてもらっている」というスタンス。各地域のトレイルは、地元のマウンテンバイカーなどと取り決めたルールやマナーなどが存在していることが多く、それを知るには今回のような地域に根ざした専門ショップに聞くのが一番だ。難しいことはあまりなく、まずは「自分がケガをしないこと」、そして「地権者や歩行者に迷惑をかけないこと」「トレイルや環境に配慮すること」などを目的としたものがほとんど。
具体的には、「ハイカーや登山者とすれ違うときはMTBから降りて道を譲る」「追い抜くときは歩行者レベルまでスピードダウン」「あいさつをする」など、特別なことはなにもない。要は、歩行者や地権者の立場に立って想像力を働かせればいいだけの話なのだ。
ルールやマナーの考え方が理解できたところで、いよいよライディングへ! 先生は「基本フォーム、登りフォーム、下りフォームさえきちんと理解すれば大丈夫!」と言うけれど、果たして?
きちんと装備を揃えて走ろう!
レイザー/ジャッカルKC。優れたベンチレーションでヘルメット内はつねに快適。アイウエアはシマノ/ S-PHYRE Xでレンズはクリア。トレイルでのあいさつ時に「目が見えること」は意外と重要。
背中から転倒した際にプロテクター代わりとなるバックパックも用意したい。
専用ウエアに加えヒジ&ヒザプロテクターは必須。通常はウエアの内側に装着するが、ここではウエアの損傷を考えてあえて外側に。ヒジはジャケット内側に装着した。シマノ/ET3シューズはペダルや地形を問わない優れたグリップ力のソールで安心!
基本フォームを覚えたら、いよいよトレイルへGO!
加藤は街でのスポーツバイクに乗り慣れていて、基本的な操作はとくに問題なく行なえる。ただし、凹凸路面の走り方や急な登り下りの坂の走り方などは未経験。柴谷先生は、「まずは基本フォームをしっかり覚えましょう」と、ペダル上に立つスタンディングポジションを伝授。「左右どちらかの足を前にして、ペダルを地面と平行にするように体重をペダルに均等にかけて立ってみてください」と先生。このとき、左足が前でも右足が前でもOK。自分のやりやすいほうで問題ないという。ヒザはほんの少し曲げ、腕は突っ張らないように少し曲げると、凹凸路面の衝撃を吸収しやすくなるのだ。
次は登り坂のポジション。「スタンディングからシッティング(座るポジション)に変更し、そのまま坂を登ってみるとバイクの前輪が浮きそうに感じると思います。それを防止するために、登り坂ではハンドルの真上あたりにまで上半身をかぶせるように」と先生。でも加藤は「えっ? こんなにかぶせるんですか? 思ったより体を動かすんですね〜」と驚く。
MTBライディングでは、ロードバイクやクロスバイクと違って体を前後左右に積極的に動かすことが大事。これさえきちんと理解して、体を動かせるようになれば楽しさは一気に広がるのだ。
さて、ひととおりライディングポジションを理解したら、いよいよトレイルへGO!
フィールドはほぼ同じながら、登山で歩くスピードや感じる風とは違うトレイルライディングに、加藤は満面の笑みとシリアスな表情を交互に見せる。「まだまだドキドキするけど、『ここ、足を地面につかずに行けるかな?』と思った場所がスッと通過できるとすごく気持ちいい!」と加藤。「そう!トレイルライディングの楽しさは、ちょっとドキドキする場所があるところです。なので、僕は〝完全に安全なところ〞ばかりは案内しません。そのために専用ウエアを身に付け、プロテクターもしっかり装備してもらいます。そうすれば、少しくらい転んでも平気ですからね」と柴谷先生。
「MTBを買っていきなりトレイルに行くのはムチャだなと思うけど……コレはハマりそうですね!」と、趣味の登山にもうひとつの趣味が加わりそうな加藤でした。
トレイルにマッチする自転車の選び方
ハードテールMTBってどんな自転車
今回、加藤が乗ったのがハードテールMTB。前側にのみサスペンションがあり、後ろ側にサスペンションがない(テールが硬い=ハードテール)MTBだ。構成パーツが少なく、それにより価格も手頃なことから、初めてMTBを購入する人が選ぶことも多い。ただし、トレイルライドに持ち込むと、路面の衝撃を体でうまく吸収しないといけない。トレイルライド用としてはある意味、「腕に自信のある人向け」ともいえるのがハードテールなのだ。
ハードテールMTBがE-MTBになるとさらに世界が広がる!
「手に入れやすい価格のハードテールですが、前後にサスペンションをもつ“フルサス”、さらに電動ユニットのついたE-MTBならもっとライドは楽しくなる。なにせトレイルを何度も登れるから、テクニックの必要な下りの練習が何度もできますからね!」と柴谷先生。
今回使った自転車はコレ!トレック/ロスコー7
木の根っこなどでも車輪が前に進みやすい29インチホイールを装備し、タイヤ幅は衝撃吸収力に優れる2.6インチ。フロントには140㎜のロングトラベルフォークを装備し、登りに適したワイドなギヤ比のシマノ1×12速ドライブトレインなど、だれでもトレイルが楽しめるスペックのバイクとなっている。
- ¥252,890
- カラー:マットトレックブラック
- フレーム:アルファゴールドアルミニウム
- メインコンポーネント:シマノ・デオーレ
- フォーク:ロックショックス・シルバーRL 140mmトラベル
- タイヤ:ボントレガー・XR4チームイシュー 29×2.60インチ
- お問い合わせ:トレック・ジャパン
今回協力してくれたショップはこちら!「クローバーバイシクル」
幸せの象徴であるクローバーが店名。その名のとおり、「ウチはただスポーツバイクを売るだけのお店ではなく、楽しみも提案してスポーツバイクを遊ぶ幸せを届けたいんです」と柴谷さん。同店のHPにはロードバイクやMTB、E-bikeを使った楽しそうなイベントのようすも満載なのでぜひチェックしてほしい!
- クローバーバイシクル
- 大阪府堺市西区浜寺諏訪森町西4-307-1
- TEL.072-247-9921
- 営業時間:11:30~19:00
- 店休日:毎週水・木曜日(祝日は営業)
- http://www.cloverbicycle.com/
バイクはトレックブランドのみを扱い、パーツやウエアは人気ブランドや手に入りにくいものも用意。店内はサイクルショップというよりも、ゆったり展示されたアパレルショップのよう。そして「ウチは遊び屋ですから」というように、遊びの提案に自信アリ。
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PROFILE
フィールドライフ 編集部
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。