アップルM1 Macその異次元の速度を体感! 様々な速度テストと注意点
- 2020年11月18日
Final Cut Proで4K映像を快適に扱える
続いて、もうちょっと実践的なテストをしてみよう。比較対象はちょっと古いが、私が普段愛用しているMacBook Pro 13インチ(2016)。4年落ちとはいえ、3.1GHzのデュアルコア、メモリーは16GBでけっこう使えるマシンだ。
用意したのは、Final Cut Proのプロジェクト。4K 24p Apple ProRes 422の19.17秒のムービーファイルだ。
これを、Final Cut Proの最新機能であるスマート適合を使って、タテ画像に変換してみよう。
スマート適合は、スマホ用の縦長画像を切り出す場合にも、映像の主題となる対象物が画面からはみ出ないように、画像全体をマシンラーニングにかけて画像解析し、滑らかにトリミングしてくれる機能だ。マシンラーニングを使うから、M1のニューラルエンジンの効果が出るはず。
画像を4Kから『縦』に変換。スマート変換のチェックボックスをオンにして、解像度を2016×3840に。
まずは、MacBook Pro 13(2016)……33秒5。
続いて、M1 MacBook Air……6秒9。
あまりに速くて、手動計測のストップウォッチでは誤差が大きいとは思うが、圧倒的であることは確かだ。4K動画を編集していても、クリップをスムーズに扱え、とても快適だ。
続いて、この動画を書き出してみる。
まずは、MacBook Pro 13(2016)……36秒66。
続いて、M1 MacBook Air……11秒74。
3分1倍以上のスピードだ。
もちろん、メモリー量の制限もあるし、ポートも2ポートだから、本機が動画編集に便利だとは言わないが、少なくともアップルシリコンの今後の発展性に大きく期待したくなる結果だ。
最高に速い。ただし、旧システムと平行可動できる人に
数日間、M1 Macを触っていて、これはもう二度とインテルMacに戻れないと感じた。過去のインテルMac(だけでなく、多くのWindowsマシンも含めて)はすべて、一夜にして色あせてしまった。
もちろん、問題はゼロではない。
まず、今のところ、ユニバーサルバイナリと、Rosetta 2経由で動くアプリが混在している。ユニバーサルバイナリのアプリは圧倒的に速く動くが、Rosetta 2経由のアプリは以前のMacBook Airに劣ることはないが、『圧倒的な速度』とまではいかない。なるべく多くのアプリが速い段階にユニバーサルバイナリ対応してくれることを祈るばかりである。
また、たくさんのアプリと、ファイルを開いて日々の業務をしてると、たまに動作が引っかかることがある。何が原因かわからないし、M1の問題ではないかもしれないが、まだ、すべてが完全でないことは確かだろう。まだ、乗り換えたばかりなので、バックグラウンドで何か処理をしていて、それが動作を圧迫している可能性もなくはない。
また、動作しないアプリもあるはずだ。たとえば、筆者の環境では昨日は、Zoomが立ち上がらなかった。昨日出ていたアップデートをかけて、再起動もしたのだが、ダメだった。
しかし、さらにアップデートされたのか、今日はもう動いている。不思議。問題は徐々に解決されていくが、設計の根本から変える大胆な移行が実行されてから、まだ数日なのだ。トラブルが皆無というわけにはいかないだろう。
また、以前にも書いたが、Big Surで動かないアプリもある。たとえば、モリサワのTypeSquare ManagerはBig Surでは動かないし、シグマのRAW現像ソフトも動かないようだ(11月18日現在)。
これらは次第に対応が進んでいくのだろうが、ご自分のワークフロー上絶対に必要なアプリが、Big Sur、M1 Macの環境で動くことを確認してから移行していただきたい。
また、細かい不具合や動かないアプリという問題はまだあると思うので、従来環境をすぐには手放さないようにした方がいいだろう。
追記:
絶好調だと書いたが、この記事を公開して、Facebookでシェアしたり、他のタスクを平行してこなしていたりすると、かなり動作が引っかかったりするようになった。どうも、Chromeでたくさんタブを開いたりしているのが原因らしい。現状のChromeはバージョン86で、Rosetta 2経由で動いている。Chrome 87はユニバーサルバイナリーなので、そこで激速になる事を期待。
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。