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The Creator『ジョナス・クレアッソン』~自然とサーフィンを軸に作品を紡ぎ出すアーティスト~

スウェーデンの言葉に忠実に表記すれば「ヨナス」だろうか。およそサーフィンとは結びつかないバイキングの地で生まれたジョナス・クレアッソンは、アートと出会い、自然を愛し、サーフィンに惹きつけられて、自らの道を突き進んでいった。

スウェーデン生まれのサーファーが紡ぐ世界

ジョナス・クレアッソンが描く絵は自然がいっぱいだ。大きなツノを持つヘラジカ、ゆったり泳ぐジンベイザメ、オレンジに焼ける空、そして規則正しく割れる波……。北欧生まれのジョナスが幼い頃から目にしてきた動物や風景と、現在暮らしているオーストラリアでサーファーとして見たもの・感じたものを融合させ、作品の中に落とし込む。そうしたモチーフと柔らかい色合いが共生するジョナスの絵画を観た人は、必ず温かい気持ちになることだろう。

「都市よりも自然のほうが好きだった」

「僕の絵のスタイルは、描き続けているうちに徐々に変化していったんだ」とジョナスは言う。「小さい頃、学校で選択授業があるときは、いつも美術のクラスを取る子供だった。とにかく絵を描くことが楽しくてね。そうやって毎日絵を描いているうちに、少しずつ上手くなっていった。で、前に描いた絵を3、4年後に見返してみると、今のスタイルと違うことに気づくんだ。近頃は水彩絵の具を使って描いていることが多いけど、それだって最初からそうだったわけじゃない。自分の感覚に従って描いていたら、自然と水彩絵の具にたどり着いたんだ」

自然や動物を絵のモチーフにし始めたのも、それほど昔のことではない。約10年前、ジョナスの友人が展開するブランドのスケートボードデッキに、動物と自然の絵を描いたのがきっかけだった。本格的にモチーフとし始めたのは、4、5年前だという。

「僕が生まれ育った場所はストックホルムの郊外だったんだ。頻繁にアウトドアに出かける家族でもあった。クロスカントリースキーとか、ハイキングとか、キャンプとか、セーリングとかね。だから僕も小さい頃から都市よりも自然のほうが好きだった。それが根底にあるのは間違いないね」

人生を変えたホームステイで

特にスキーに熱心だったジョナスは、高校生のとき、スキー専門誌で取り上げられたサーフィンの特集を見て、興味を掻き立てられた。そして15歳の夏、英語の勉強のために3週間、ガーンジーというイギリスの南にある島にホームステイしたことがジョナスの人生を変える。

「サマースクールにはサーフレッスンのクラスがあって、それを受けたんだ。すごくクールな体験だったよ。それがサーフィンとの最初の出会いさ。高校の卒業が決まって大学進学のときに、サーフィンができる立地にあるオーストラリアの大学を選んだのは自然の流れだったね」

楽しさを共有したいというシンプルなもの

自分が興味をもったものに導かれるようにして生活の基盤を整え、アーティストとしての道を確立していったジョナス。だからこそ「作品から何か特別なメッセージを感じてほしいというよりも、僕の絵を観てくれた人が楽しんでくれればいい」と言う。絵を描く理由。それは自分が楽しいから。そしてそれをいろんな人と共有したいから。アーティスト“ジョナス・クレアッソン”を突き動かしているものは、とてもシンプルだ。

(出典『NALU 2019年1月号 No.111』)

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