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ミッドレングスとは何か? 今注目のサーフボードに迫る<前編>

かつて日本ではファンボードと呼ばれ、初心者やパドル力の弱まったオヤジたちの乗り物として偏見の眼差しで蔑まれてきたボードたちの逆襲が始まった。ロングボードでもショートボードでもない、それでいて双方の良い部分だけを融合させ、サーファーとシェイパーの自由な発想の中から生み出されてきたボード。その名も『ミッドレングス』! その奥深さを探求してみよう。
◎出典: NALU(ナルー)no.116_2020年4月号

ミッドレングスが現在ほど市民権を得るずっと前から、そのデザインに魅せられた人がいる。デヴォン・ハワードだ。現在、WSLのロングボードツアーでツアーディレクターを務めるほか、サーファーズジャーナルの編集者、プロサーファーなど、さまざまな肩書きを持っている。当然ながらサーフィンへの造詣も深く、サーフィンの実力と知識を備えた人物だ。そんなデヴォンがミッドレングスという、ショートでもロングでもないボードにハマったきっかけとは? その魅力や乗り方などを掘り下げていく。

デヴォン・ハワードの見解

ミッドレングスには奥深い魅力がある。もしかしたら一度乗っただけではわからない、ライディングを重ねるたびにじんわりわかってくるスルメのような味と言えるかもしれない。アグレッシブなマニューバを追求したり、ノーズライディングを極めようとしたりした後だからこそ感じられる味わいでもあり、サーフィンを始めてから時間の経っていない若者がその面白さに惹きつけられることは稀だろう。
それを考慮すると、デヴォンがわずか歳でミッドレングスと出会ったのは運命であり、年齢のわりに成熟していたからだ。もちろんそこにはミッドレングスを勧めた人物との密接なリレーションシップもあった。
「1998 年にドナルド・タカヤマが初めて僕にミッドレングスを削ってくれたんだ」。そう言ってデヴォンは懐かしそうな表情を浮かべた。

「エッグデザインのトライフィンだったよ。以前 に何度もそのデザインを見たことがあったけど、 実際に乗ったのはそのときが最初。削ってもらったボードをメキシコに持っていって、そこでミッドレングスのコンセプトに取り憑かれたのさ」

当然ながらメキシコへのサーフトリップから帰ってきたのち、地元のウィンダンシーでミッドレングスに乗ってみたデヴォン。その綺麗なAフレームに割れるリーフブレイクに、ミッドレングスは驚くほどフィットしたと言う。ディメンションは7’6″×21 1/2″×2 3/4″。

「まるでシングルフィンのような乗り心地なんだけど、速くて、フィンセッティングのお陰でハードなターンが可能なボ ードだった。レールも薄めだったしね。そのときからミッドレングスを乗るこに人生を捧げようって思ったんだ。だから今なおミッドレングスのデザインやミッドレングスでの波の乗り方を学んでいるってわけ」

実際、ミッドレングスを乗りこなすには、知っておくべきことがたくさんある。中でも最初に知るべきは、“ミッドレングスで自分がどんなことをしたいのか”ということだ。つまり“己を知ること”が必要になる。ただクルーズしたい、 波に乗っているだけでいいというのであれば、ロッカーを抑えたシングルフィンが星の数ほど出回っているだろう。デヴォンの場合は違った。波の乗客になるのではなく、もっとく関わり、ハンドルを握ってトップスピードでなるべく大きなラインを描きたいと願った。そこでデヴォンが辿り着いたのが2+1のフィンセッティングだ。

ミッドレングスはフィンの組み合わせが重要

「フィンの組み合わせこそミッドレングスにとって最も重要な部分で、ミッドレングスに乗っている人はそこにすごく情熱を注いでいる。昔、ボードを“本物”にするためのルールがあるってある人から言われたことがあるけれど、従わなくちゃいけないルールなんてないし、なにが一番いいのか乗る人が決めればいいと僕は思っている。自分の意見としてはどうなのか? って尋ねられたら、そのボード全体のデザイン次第って答えるね。あとは、波の上でどんなラインを描きたいのかというのが大事。僕の経験としては、シングルフィンのミッドレングスは、他では感じられない自由な乗り味を楽しめるし、ダウンザラインでかっ飛んだり、チューブライディングをしたりするのに向いている。あと、クルージングとか、リラックスしたターンの感覚とかが好きなら、シングルフィンのミッドレングスだね。個人的には 2+1のフィン設定が好き。センターが6’5″か7’で、サイドが3’5″か4’っていうサイズ感のフィン。ターンのときにできるだけホールドして欲しいし、加速も欲しいからね。シングルフィンほどクールに見えないのは認めるけれど、レールのすぐ横に小さなサイドフィンをセットすることで、ターンのときによりドライブしてくれる。それに、トップスピードでハードなターンをすることでスピードをつけることができて、それがすごく気持ちいいんだ」

ただし、初めてミッドレングスに乗る人は、気持ちのリセットボタンを押して、最初の何本かはなにも期待しないで乗ることがキモだ。特にショートボードがベースの人がミッドレングスに乗る場合は、ショートのようにボードを動かそうとしないこと。ショートのように乗ろうとすれば、かなりがっかりすることになるはずだ。「オッキーのような強靭な足腰がなかったら、タイトにリップをかまして、カービングをして、テールで押し込んでやろうなんてしても、自分が求めるライディングにはならないよ」とデヴォンは断言する。

最初の何本かはトリムして、ただ真っ直ぐ乗っていくようにするのが正解である。そうやって、それまでの乗り方を一旦リセットする。それから上手くいくまで一本ずつよりハードにターンを試していくのがミッドレングスの正しい乗り方だと言う。

「タイトでアグレッシブなショートボードのターンというよりも、パウダーで長いスノーボードに乗ってカービングするイメージのほうがわかりやすいかもね。辛抱強く、長いレールを利用して、自分が思うラインを描いていくのがコツさ」

出典

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FUNQ NALU 編集部

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テーマは「THE ART OF SURFING」。波との出会いは一期一会。そんな儚くも美しい波を心から愛するサーファーたちの、心揺さぶる会心のフォトが満載のサーフマガジン。

FUNQ NALU 編集部の記事一覧

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