これだけは覚えておこう! 救助のための5つのお作法
FUNQ
- 2018年09月13日
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9月号の「PEAKS」では、緊急時(エマージェンシー)を想定した実験を実施! とはいえ、危機的な状況に陥ったときに知っておきたいのは、“救助”の心得。登山初心者からマニアまで、緊急事態の心得をおさらいしておこう。
まずは冷静になり、安全を確保し、「110」あるいは「119」へ救助を要請
救助要請が必要になったら、落石や沢の増水の恐れがなく、強風にさらされない場所で安全を確保しよう。携帯電話の通話エリアが広がっているが、電波状況が悪くて行動が可能なら、稜線や開けた平地へ移動。通りすがりの登山者に状況を説明し、救助要請を託すという手もあり。
スムーズに救助されるか否かには、要請時から適切な連絡が重要!
救助要請の電話で伝えることは主に3つ。傷病や氏名、着衣といった遭難者本人に関すること。次に、現場の状況。天候や視界、風の強さのほか、具体的な目標物によって場所を知らせることも有効。そして行程、登山計画書の提出先、山岳保険加入の有無のような情報も知らせよう。
ヘリコプターからの吹き下ろし風に注意して、飛散物の回収や避難といった行動を
長野県における山岳遭難のうち、約8割がヘリによる救助活動。しかし空中停止(ホバリング)の際の吹き下ろし風は強烈で、範囲は最大100mにも達する。飛散物となりそうなギアは回収を済ませ、枝や小石の飛散にも注意。安定した場所で待機し、周囲の登山者にも呼びかけよう。
ヘリコプターが近づいてきたら、両手を振りまわして自分の位置を知らせよう!
ヘリコプターの姿が見えても、自分の位置が知られたとは限らない。傷病や現場の状況によるが、安全な場所で、体を動かせるなら、レインウエアなどを両手で振り回して位置を知らせよう。たまたま居合わせただけの場合、ヘリコプターに手を振る行為は救助の妨げにもなりかねない。
応急手当も要請時には済ませておきたい。出血をしているならば圧迫止血をし、骨折であれば副木などで固定。経過を救助隊と共有できれば、救助の一助にもなる。ソロで遭難し、救助要請ができない場合には、唯一の手がかりとなるのが登山計画書であることも頭に入れておこう。
(出典:『PEAKS 2018年9月号 No.106[付録あり]』)
(ライター:河西みのり)
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