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【Schõffel】この春、ショッフェルを着て身近な山のぼりへ出掛けてみよう

ある暖かな日曜日、創業200年を越す老舗ブランド・ショッフェルのソフトシェル「3Lジャケット・シャルルロワ」と、軽量なレインシェル「ジャケット・トロント5」を手に、神戸市民に親しまれる六甲山へと向かった。

大阪梅田駅から、阪急神戸線に乗って約30分。六甲山のロックガーデンへの玄関口となる芦屋川駅に到着すると、閑静な住宅街を抜けて徐々に標高を上げていった。徐々に民家がまばらになってきたところで、車道脇で大きなイノシシが鼻を地面につけて食べ物を探しているようだった。

「おーい、おーい」

そう声を掛けても意に関せず、バックパックのチェストストラップについていたホイッスルを吹く。 すると、ようやくこちらの存在に気がついたようで、そそくさと側を流れる高座川の川岸へと歩いていった。一帯はイノシシが出没することが多いようで、地図上に注意するよう明記されていた。

間もなくすると、今回の出発点 としたロックガーデンへといたる 登山口が見えてきた。進む方向には、「ロックガーデン・滝の茶屋」 と書かれた茶屋のあいだを抜けて登山道が続いている。“おでん”と書かれた赤提灯もあり、きっと登山をしたあとで一杯呑んでいく人もいるのだろう。

六甲山といえば、国内のロッククライミング発祥地と呼ばれたり、 新田次郎氏による小説「孤高の人」で知られる加藤文太郎が歩いたことで知られる。だが、まず思い浮かんだのは、神戸の人々にとっての身近な山ということだった。東京生まれの僕にとって六甲山は、なかなか訪れることができない山だった。そのため今回は、まずは入門編から歩いてみることにした。選んだのは、ロックガーデンから六甲山最高峰を経て、有馬温泉を目指すという定番ルートだ。

着てきたのは、ドイツ南部にある小さな町シュヴァブミュンヘンに本拠地を置くショッフェルが作るアウトドアウエアだ。いま羽織っているのは、ソフトシェルの「3Lジャケット・シャルルロワ」で、独自の防水透湿性ラミネートを施した3層構造素材を採用したモデル。

縫い目はシームテープ処理が施されていて、漏水を防ぎながら内側に着たミドルレイヤーとの摩擦も軽減している。トレッキングパンツは、履き心地が軽快なストレッチ素材を使った「フィールド・ストレッチパンツ」とした。加えて、軽量なレインウエア「ジャケット・トロント5」をデイパックのなかに忍ばせている。

同社の創業は、いまから200年以上前の1804年。もともとはストッキングやソックスなど、手編みのニット製品作りをしていたが、現在はドイツ国内でもっとも人気があるブランドへと成長した。創業以来、家族経営が続けられ、現社長を務めるピーター・ショッフェルは、創業者ゲオルグ・ ショッフェルから7代目となる。

ほとんどのアウトドアブランドは、より高みへ、より遠くへ、より困難な登山を成功させるための道具作りをすることが多い。それに対して同社は、身近な自然のなかで遊ぶための“ちょうどいい” アウトドアウエア作りを目指しているのが特徴だ。六甲山のような山で、気軽な週末をすごすためのアウトドアウエアなのだ。

デイパックのなかから、「ジャケット・トロント5」を取り出したのは、ロックガーデンを抜けて 1時間ほどの雨ヶ峠という広場にたどりついたときだった。丸太でできた椅子に腰掛けて休憩をしていると、冷たい風が吹いてきたので体を冷やさないように羽織った。

2.5層の防水透湿性素材を採用したレインウエアの重さは、250gほどでとても軽量だ。縫い目の裏側はシームテープ処理が施されているが、フロントジッパーは操作のしやすさを優先して通常のジッパーを採用している。袖先は、手首まわりの動きやすさを考慮した非防水のストレッチ素材を配置しているので、大雨のなかを長時間歩くような登山には不向きかもしれない。しかし、今日のように日中に雨が降る心配がほとんどない日には、気軽に持っていくことができる軽量レインウエアとして大活躍するだろう。

この「ジャケット・トロント 5」の裏地には、使い終わったコーヒー殻を再利用して作った「S.カフェP4ドライ」プリント技術が使われているのだが、同社はサスティナビリティへの取り組みにも熱心だ。持続可能な社会のために労働者や環境、資源を保護するための「ブルーサイン」認証のシステムパートナーでもある。日本はこうした取り組みが後れているが、ショッフェルが本拠地とする欧州では、環境負荷を軽減する取り組みに消極的な企業は、消費者から信頼されることはない。それに、アウトドアメーカーであるならば当然のように取り組むという意識が強い。

出発から約3時間後、僕は標高 931mの六甲山最高峰にたどりついた。山頂から少し降ったところからは神戸の街並みや大阪湾を一望することができた。思い描い ていた六甲山のイメージにぴったりな景色だ。同時に、風が強く吹き始めた。こんなときこそいま着ているソフトシェル「3Lジャケット・シャルルロワ」が得意とするシチュエーションだ。風を通さず、体温の消失を防いでくれるうえ、着心地が柔らかいので長時間着続けていても快適だ。今回は使わなかったけれど、チェストポケットを開けるとベンチレーターとして使うこともできる。

六甲山の最高峰からゴール地点に考えていた有馬温泉までは1時間半ほどの行程だが、少し早めに到着したほうがよさそうだ。雨は夜まで降らない予報だったけれど、空模様も怪しくなってきた。そんなことを考えながら登山道を探していると、明確な道が見つからない。入り口があるはずの広場は工事中で入ることができなった。仕方なく舗装路を少し下りながら降り口を探していると、ようやく「有馬温泉」と書かれた案内板を見つけることができた。

そこからは無事に有馬温泉へたどりつくことができたのだが、果たして正しい道だったのかいまもわからない。明瞭だが踏み跡は少なく、あきらかに地図にある道とは異なるところを下ってきた。

舗装路に出て安心していると、急に雨が降りだした。そのため「ジャケット・トロント5」を取り出した。その後は、雨のなか有馬温泉街を練り歩き、1日歩いたあとの汗を流そうと温泉宿へと向かうのであった。

ソフトシェル/ 3Lジャケット・シャルルロワ

  • 価格:¥33,000
  • サイズ:M〜XL
  • カラー:ベーリングシー
  • 重量:430g(メンズXL)

ソフトシェル/ 3Lジャケット・シャルルロワ

レインウエア/ ジャケット・トロント5

  • 価格:¥29,000
  • サイズ:M〜XL
  • カラー:ダイレクトブルー、他1色
  • 重量:250g(メンズXL)

レインウエア/ ジャケット・トロント5

問:ショッフェル中目黒店 TEL.03-6451-2585 www.sskstores.jp/schoffel/

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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