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道あるかぎりトレッキング!おすすめトラバースルート5選

だれかが整備してくれる登山道がある限り、どこまでも歩きたい。食料をどっさり持って、山で生活するようにのんびりと……。ゆけよズンズン、トレイルが麓に下りるまで!

【北海道】大雪・十勝グランドトラバース

ヒグマのテリトリーに踏みこむ

北海道の最高峰旭岳を踏み御鉢平を回る。第二峰の北鎮岳にも登る。
  • ★★★★☆
  • 総距離:75km
  • 歩行時間:42時間(5泊6日)

北海道の屋根といわれる大雪山系と火山が連なる十勝連峰をつなげたロング・ディスタンス・トレイル。その総延長は約75㎞。トムラウシ岳と美瑛岳の間には避難小屋がなく、テント装備が必携となるワイルドな縦走路だ。加えてエキノコックスやヒグマなど、本州にはない緊張感がつきまとう。

9月下旬には初冠雪を観測する山域なので、とくに秋山行の場合は予備日を多めに用意しよう。2008年7月に起きたトムラウシ大遭難はこのルート上で起きた事故である。

最後の頂、富良野岳が見えてきた。

ともあれ一番の問題は稜線上での水の確保だ。いずれのテント場も雪渓から水を得ることになるので、雪渓の有無を確認してから計画を立てよう。エキノコックス対策として浄水器はマスト装備だ。飲料水を煮沸する場合は、ガスカートリッジなどの燃料を多めに持っていこう。

奥に見えるのが後半ハイライト、活火山の十勝岳。

夏でも雪渓を横切るポイントが数カ所あるが、いずれも緩斜面なのでクランポンは不要。注意すべきポイントはトムラウシ山とオプタテシケ山の間。登山者が圧倒的に少なく、道はハイマツに覆われる。水を多めに持ち、熊鈴を鳴らしながら、踏み跡をしっかりとたどる。

ハイカーで賑わう白雲岳のテント場。北海道で3番目に高い白雲岳はルート上にはなく、テント場から往復約2時間。小屋には9月まで管理人が常駐する。

悪天候からヒグマ、エキノコックス、道迷いまで、日本でもっとも気を使う縦走路である。テント泊縦走登山のあらゆる要素が求められ、またそれを発揮できる。それだけに踏破したときの達成感はひとしおだ。

登山口と下山口にそれぞれ旭岳温泉、十勝岳温泉といった上質な温泉があることも高評価につながっている。何度も歩きたくなる大縦走路である。

アドバイス

余裕をもって5泊6日としたが、健脚者なら4〜5日で歩ける。途中で食料補給はできない。いずれのテント場も雪渓から水を得るため、雪渓状況を確認のうえ歩きだそう。年によっては秋に雪渓が消える箇所もある。

アクセス

まず旭川空港から大雪山旭岳ロープウェイまでバスで移動。ロープウェイを使ってもよいが、山行の完成度を求めるなら姿見駅まで登りたい。下山口は十勝岳温泉。宿はカミホロ荘がおすすめ。汗を流して町営バスでJR上富良野駅へ。

【山形県・新潟県】東北アルプス 朝日連峰

飯豊連峰と並ぶ東北の秘境へ

標高1,871mの大朝日岳へ続く稜線。稜線のいたるところに山容を映し出す池塘が点在する。
  • ★★★☆☆
  • 総距離:35km
  • 歩行時間:18時間(2泊3日)

新潟県と山形県の県境を延びる朝日連峰は、山登りをする人ならだれもが憧れる山塊だ。縦走路にはとくに危険なポイントもなく、稜線には避難小屋が点在し、テントなしで歩けるのも魅力だろう。

絶対に秋がおすすめである。ブナの原生林にはじまり、ナラやカエデなどの落葉低木林、さらに高度を上げるとハイマツやクマササなどが山を覆う。

しかしながら登山者は少ない。なぜならとても山深いところにありアクセスが大変だから。東京から上越新幹線で新潟を経由し、鶴岡からタクシーに乗り、泡滝ダムの登山口までざっと最短で7時間かかる。まさに東北の秘境だ。この静かな稜線こそ、ある登山者にとってはたまらないのだが。

てなわけで1日目は登山口から6㎞歩いた大鳥小屋までが無難。ここは朝日連峰で唯一テント泊ができるポイントだ。稜線にあがったら植生保護のため原則的に小屋に宿泊せねばならず、テント泊で縦走はできない。

長い年月をかけて、雨や雪に削られた朝日連峰の谷は険しい。とはいえルート上に危険箇所はない。

朝日連峰をはじめて歩いたのは10月初旬。いやはや、紅葉がすばらしかった。登山口のあたりはブナの巨木が立ち並び、稜線はハイマツやクマザサなどの低木が覆っている。標高を上げるごとに植生とともに世界の色が変わっていくあの感じは、東北の山ならではの演出だ。晴れれば日本海まで見渡せるナイス眺望。ときどき大小さまざまな池塘と高山植物がでてきて登山者を飽きさせない。

1泊目は大鳥小屋に泊まれるが、あえて大鳥池のテント場で寝た。稜線にあがるとテント泊は禁止で、避難小屋泊となる。テントが単なるオモリと化す。

朝日連峰の主峰、大朝日岳へは大朝日小屋にバックパックをデポして登る。麓の古寺鉱泉や朝日鉱泉から日帰りできる百名山とあって、この頂だけ賑わっている。青空を突きさすような鋭い男らしい山容は、東北の女性らしいたおやかな稜線で一際目立つ鋭峰だ。もっともっと歩きたいけれど、山道は麓へ下る。飯豊や蔵王にくらべ、朝日連峰は意外とコンパクトだ。山中2泊あれば思う存分楽しめる東北随一の山脈である。

アドバイス

東北の山は断然秋がいい。それほど標高が高くなく、夏はやたら暑い。昼と夜の気温差が激しいので紅葉の色づきは文句なし。しかも植生がじつに豊かである。登山口までのバスは8月中旬で終わり、秋は登山者が少ないのである。

アクセス

山深い山域のため登山口へのアクセスが悪く、1日目は登山口から6㎞歩いた大鳥小屋まで。東京駅から上越新幹線に乗り、新潟経由で山形県の鶴岡へ。バスかタクシーに乗り換え、泡滝ダムの登山口からスタート。東北の山は山深い。

【東京都・埼玉県・山梨県】トウキョウ・トレイル

高尾山から雲取山まで

東京都最高峰から延びる石尾根をいく。針葉樹がトレイルを覆い、まるでアメリカのハイシエラのよう。
  • ★★★☆☆
  • 総距離:73km
  • 歩行時間:35時間(4泊5日)

いわずと知れた観光名所「高尾山」から、東京で一番高いところ「雲取山」をつなぐ縦走路を勝手にトウキョウ・トレイルと名づけて歩いたのはかれこれ8年前。健脚者なら2、3日で歩けるが、テントを持ってのんびりと5日間かけて歩いてみた。

奥多摩駅へと下る石尾根はアップダウン多し。最後の力を振り絞る。

1日目は高尾山、景信山を越え陣場高原キャンプ場でテント泊。2日目がくせ者だった。陣場高原から23㎞先の三頭山まで小屋やキャンプ場がない。しょうがないので笹尾根から山梨県側に下りて民宿「長明園」に泊まった。3日目は笹尾根へ登り三頭山避難小屋まで。4日目は奥多摩湖へ下り、奥多摩小屋へ登り返す。

激しいアップダウンに疲れても富士山が励ましてくれる。

雲取山を踏んだあとは鴨沢からバスでもよかったが、どうせならと奥多摩駅まで歩いた。最後の最後まで細かいアップダウンが続き、なかなか手応えのある縦走路だった。

石尾根にある奥多摩小屋のテント場。最後の晩にふさわしいロケーション。

今年2017年は標高2,017mの雲取山がフィーバーするらしい。どうせ登るなら「高尾山から歩いてきたぞ」と山頂でみんなを驚かせてやろうではないか。

アドバイス

陣馬山から三頭山までの間には小屋もキャンプ場もない。致し方なく山梨県上野原市の民宿に泊まる。あるいは陣場高原から一気に23㎞歩いて三頭山避難小屋まで。そんな笹尾根には水場がないので水を多めに持とう。

アクセス

スタートは京王高尾線の高尾山口駅。ゴールはJR青梅線奥多摩駅。バスやタクシーを使わないので身動きが軽やかで、アクセスが容易。エスケープルートも各セクションにあるので、日帰りでつなぐこともできる。

【鹿児島県】屋久島トラバース

日本でもっとも南にある雪山へ

宮之浦岳からの北へ下った稜線にテントを張った。キリッと冷えた東シナ海に太陽が昇る。
  • ★★★☆☆
  • 総距離:30km
  • 歩行時間:13時間(1泊2日)

世界遺産屋久島の山岳部をズドンと貫く日本を代表する縦走路だ。標高約1,360mの淀川入口から歩きはじめ、九州最高峰の宮之浦岳を踏み、観光客が群がる屋久杉を愛で白谷雲水峡へ下る。

雪が降るとヤクシカも見つけやすい。

屋久島でもっともポピュラーな縦走路だけに無雪期は登山者が多い。なのでここでは冬山縦走をおすすめしたい。「南国の縦走路なんて」とナメてはいけない。九州最高峰の宮之浦岳(標高1,936m)付近の年間平均気温は約5℃。なんと札幌よりも低いのだ。

無雪期の宮之浦岳。まさかここに雪が降るとは。

屋久島は日本でもっとも南にある雪山ということになる。その山容たるや厳冬期の南アルプス2,000m峰を思わせる厳しさだ。

太陽光争奪戦が凄まじい屋久島の森。枝は絶妙に重ならず、木と木の間に川が流れているよう。

淀川登山口から歩き出し、花之江河、投石平を経由して宮之浦岳へ。天気が悪化すると吹きっさらしの稜線なので低体温症には要注意。テントを張るなら宮之浦岳と永田岳の間にある窪地がベストだろう。飲料水は多めに持つか、雪を溶かして確保する。2日目はひとりじめできる屋久杉が待っているぞ〜。

アドバイス

積雪状況によって淀川登山口まで車であがれない場合がある。下山口の白川雲水峡もしかり。あらかじめ電話で確認しておこう。海上に浮かぶ雪山だけに天候の変化が激しい。南の島と侮ることなく、万全の雪山装備で挑もう。

アクセス

積雪状況によって淀川登山口まで車であがれない場合がある。下山口の白川雲水峡もしかり。あらかじめ電話で確認しておこう。海上に浮かぶ雪山だけに天候の変化が激しい。南の島と侮ることなく、万全の雪山装備で挑もう。

【新潟県・長野県】信越トレイル

日本を代表する長距離縦走路

信越トレイルを象徴するブナの巨木。森を愛でる楽しみがあるので、雨でも気分は沈まない。いや、むしろ雨の方が信トレの森は美しい。
  • ★★★☆☆
  • 総距離:75km
  • 歩行時間:42時間(5泊6日)

新潟県と長野県の県境をなす標高1,000〜1,500mの関田山脈を歩く総延長80㎞のトレイル。アメリカで生まれ根付く、ロングトレイル思想を日本でいち早く取り入れたニッポンロングトレイルの代名詞的存在だ。NPO信越トレイルクラブが主導となりボランティアの手によって管理、維持されている。

斑尾山山頂付近から妙高山、野尻湖を望む。斑尾山はトレイル上で唯一景色が360°ドカーンと開けるポイントだ。

全行程をスルーハイクするにはテントに泊まりながら通常5日間かかる。もちろん6つのセクションに分けて日帰りハイクで踏破も。そのエスケープルートとなるのが信越トレイルと交差する12の峠。かつて越後と信州をつなぐ交易の道として栄えた峠で、なかには上杉謙信の軍勢が行き来したという峠も。このように歴史の一端に触れられることも信越トレイルの魅力だろう。

桂池のテントサイト。1泊¥1,000。トイレも併設され、近くに清水が湧きでる。

このトレイルを歩いて、この山に惚れ込んで麓の村に移住した。ブナの森がすごいのだ。でかくて、広くて、立派。だから水がやわらかくてうまい。好きなブナポイントが3つあって、ひとつは袴岳への登り。ふたつ目は関田峠と茶屋池のあいだ。3つ目は天水山から松之山口への下りである。

ブナの森を縫うように延びるトレイル。新緑か紅葉を愛でる季節がベストシーズンだ。

好天の日は眺望がいい斑尾山周辺、悪天の日はブナ林を楽しめる東側を歩くといい。晴れは晴れで気持ちよいが、雨は雨で楽しめるのが信越トレイルの真骨頂だ。一年を通じて雨や湿気が多い信越トレイルの森は、雨の日こそ本来の姿を見ているようで美しい。雨が運んでくる豊穣な土の香りこそ信越トレイルの匂いだろう。

信越トレイルが延びる関田山脈は日本屈指の豪雪地。斜面に生きるブナは雪の重みで根本がぐねっと曲がる。

そんな信越トレイル、一年の半分は雪に覆われる。冬は冬で人気のバックカントリーエリアとなり、多くのスキーヤーで賑わう。ぼくも最近は、登山靴よりもスキーを履いて登ることの方が多くなった。春にスキーを履いて縦走することが当面の目標である。

アドバイス

縦走路はそれほど標高が高くなく、水場も少ないので夏は避けて春か秋に挑戦しよう。山小屋はなく、スルーハイクをするにはテント泊の装備と技術が必要。交差する12の峠道から麓へエスケープできるので、はじめてのテント泊縦走にもってこいのトレイルといえる。

アクセス

西側のスタート地点となる斑尾高原までは北陸新幹線飯山駅からシャトルバスが通年運行している。東端の天水山登山口へはバスの運行がなく、最寄り駅であるJR飯山線森宮野原駅から歩かなければいけない。森宮野原駅から天水山登山口まではタクシーで約40分の道のり。

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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