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筆とまなざし#181「最近購入した、居住性と軽量&コンパクトを兼ね備えたテント」

梅雨入り前の最後の週末に。すっかり気に入ってしまったテントとの出会い。

梅雨入りした途端、みごとに雨ばかりの毎日になりました。クライミングはすっかりオフシーズンになってしまいましたが、雨音を聞きながら静かにアトリエですごす時間は好きですし、湿潤な空気は景色を鮮やかにしてくれます。雨後の、薄日が射してきた空などは子どものころからとても好きな瞬間でした。いつだったか「雲があるから空はきれいなんだよね」と言っていた友人の言葉を思い出します。梅雨入り前にと焦るように岩場の開拓に出かけていたので、余計に時間の流れがゆったりと感じられます。

梅雨入り前の最後の週末はいつものように笠置山にクライミングへ行きました。近所なのでいつもは日帰りなのですが、今回は取材のために一晩キャンプをしてきました。取材というのはイワタニ・プリムスのウェブ記事のためで、テーマは「クライミング&キャンプ」。自前のバーナーやクッカーのほか、ニーモのテントやスリーピングマットなどお借りしたサンプル商品を使ってのキャンプです。詳しくは後日公開されるウェブページをご覧いただくとして、感動したのは「ダガーストーム3P」と言うテントでした。

このテントの特徴をひと言で言うなら「縦走でも使える軽量&コンパクトなのにとても広くて居住性が高いテント」です。前後二カ所に入り口があり、それぞれ広い前室がついています。入り口上部に渡されたポールのおかげでパネル部分が垂直に近い立ち上がりになっていてとても空間が広いのです。この構造のテントは他のメーカーにもあるのですが、驚いたのはその軽さ。3人用で横幅が178cmもあるのに重量はわずか1.73kg。同じ形状の他メーカーのテントは2.5kg以上あるのでその差は歴然です。生地が薄くてポールも軽量なためこれほどまで軽くなっているようです。ちなみに2人用の一般的な山岳テントは1.5kgくらいですが、幅は130cmほど。入り口は一箇所のみだし前室も狭いので居住性はかなり違います。「ダガーストーム」は3シーズン用なので雪山でも使える山岳テントとは性格が違うのですが、無積雪期に使うなら「ダガーストーム」が断然快適。ここの居住性と縦走でもストレスのない軽量&コンパクトさはかなり魅力的です。海外のクライミングトリップなど長期でテント生活するときにも大いに活躍してくれるでしょう。

すっかり気に入ってしまったこのテント。撮影が終わってから思い切って自分用に購入してしまいました。梅雨が明けたら夏山シーズン。このテントを持って山旅に出かけられますように。

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

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