筆とまなざし#183「季節の移り変わりを感じさせる、田舎暮らしの風物詩」
成瀬洋平
- 2020年06月26日
草刈りと‟イロガワリ”。季節の移り変わりを感じて。
夏、田舎暮らしでは避けられない仕事があります。草刈りです。家の周りでは夏草がぐんぐん背丈を伸ばし、一度刈った場所も長雨が続くとまたすぐに生長して繁茂します。住んでいる古い家の裏手には柿の木が植っていた段々畑があるため、敷地面積が広くて草刈りをするのもなかなか大変。涼しくなった夕方に行なっていますが、なかなか追いつきません。
アトリエ小屋の周りも草と笹が生い茂ってきたので、ようやく重たい腰を動かしました。昨年までは長い柄のついた下刈鎌で行なっていたのですが、草刈りの頻度が多くなってきたので草刈機を導入しました。草刈機といえば混合ガソリンを使うのが一般的ですが、昨年購入したのは、マキタのバッテリー式草刈機。ルートの開拓の際に使うハンマードリルがバッテリー式なので小型チェンソーもバッテリー式のものを使っており、そのバッテリーを併用できるため草刈機もバッテリー式にしたのです。充電できるのでガソリンを買う必要がなく経済的。少々力が弱いのとバッテリーが1時間くらいで切れてしまうのが難点ですが、使いやすくて気に入っています。小屋の周りには立ち枯れの木などもあるので、近いうちにもうすっきりさせて風通しを良くしようかなどと考えています。
草刈りを終えてからあたりを散策していると、林床に赤っぽいキノコが出ているのに気づきました。裏側を見ると黄色くてスポンジ状。手に触れた部分はすぐに青く変色します。昨年たくさん食べた「イロガワリ」が、すでにポコポコと顔を出していたのでした。去年食べたのは夏の終わりごろでしたが、この時期にも、しかも小屋の近くに出てくるとは知りませんでした。まだ小さいものの雨の影響で腐っていたりしたのできれいなものをいくつか収穫。匂いを嗅ぐと品のある甘い香りがしました。その夜はさっそくバター炒めにして食べました。炒めるとずいぶん小さくなってしまいましたが、キノコの芳しさとバターの風味が絶妙でした。
ついこの間まで山菜の季節だったのに、もうキノコを収穫するとは。そういえば来週からは7月。うかうかしているうちに今年も折り返し地点、蒸し暑くてかったるい毎日が続きますが、少し背筋をしゃんとしなくては。
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