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イタリア・オルコ渓谷へ出発までの準備|筆とまなざし#342

資金作り、クライミングのトレーニング、そして画材の選定。

出発まで3週間を切った。今年もイタリア・オルコ渓谷にクライミングに出かける。帰国は11月11日、2カ月弱の旅である。10月も後半になるとオルコはずいぶん寒くなるだろう。そうしたら南の暖かいエリアに移動するつもりだ。

昨年の夏は雨続きだった。講習会もできないため資金調達もままならず、ジムへ頻繁に出かけられないためトレーニングも不十分なままの出発だった。今年は晴れの日が多く、講習会もなんとか行なうことができている。昨年よりたくさんの方が参加してくれるようになったのもありがたいかぎり。その分トレーニングに時間を当てることができ、少しずつ体も動くようになってきた。

トレーニングではクライミングジムに行くことが多い。クーラーが効いているし課題が多いので効率よく登れる。けれどジムより岩場のほうが近いここでは、岩場でトレーニングする方が経済的だ。連日の夕立でなかなか岩が乾いてくれないが、なんとか登れそうだと思った先日、笠置山へボルダーに出かけることにした。

標高1,000mとはいえ、この酷暑では山の上も暑い。少しでも涼しい場所をと、標高の一番高いエリアに向かった。エリアに向かう道路はところどころ濡れていて、車を降りると照りつける日差しと湿気で思わずムッとする。山の土はまだまだ乾かず、ものすごい蒸し暑さだ。5分ほど急登を登り、汗だくになって目当ての岩に向かった。

岩は湿っぽいがクラック以外は濡れてはいなかった。トレーニングなのだから状態が悪くてもそれほど気にならない。幸い、やりたかった核心部分は濡れていない。あれやこれやとムーブを考えながら登っていると、昼すぎごろから爽やかな風が吹き始めた。少しずつムーブが組み立っていく。完登にはほど遠いけれど、ひさしぶりにのんびりボルダリングを楽しんだ。帰りがけにカケスの羽を拾った。焦茶がかった黒と白、そして鮮やかな青が印象的で、この羽を見つけると少しうれしくなる。バッグのポケットにしまって笠置山をあとにした。

旅の準備に欠かせないのが、資金作り、クライミングのトレーニング、そして画材の選定である。新しい画材として期待しているのが水彩用のキャンバスで、旅に持っていくべきかどうかと思案している。とりあえず試験的に描いてみようと、笠置山で拾ったカケスの羽を描くことにした。

水彩用のキャンバスは、油絵用のそれとは少し違い表面がもっと滑らかだった。鉛筆の乗りが悪く、思うように下絵を描けない。大雑把に下描きをして絵の具で着色することにした。油絵用のキャンバスよりは絵の具が定着してくれる。しかし、水彩紙に描くように細かく繊細な描写はしにくい。色を塗り重ねるごとに濃くなるので重厚感は出しやすい。試行錯誤しながら描いてみたが、いまひとつ気に入った絵を描くことはできなかった。描くモチーフも合わなかったのだろう。たとえば山並みをペンで描いて、大胆に着色するような描き方なら合うのかもしれない。なにを用いて描きたいものを描くのか。試行錯誤は難しいがそれがまた楽しいところでもある。イタリアには、ロールの水彩キャンバスを持っていこう。

キャンバスに描くのに挫折したので、カケスの羽はいつもの水彩紙に描いた。

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

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