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「クライムオン!!2024」にてクラック講座とブース出店を行ないました|筆とまなざし#377

兄岩、ジョイフルジャムでのクラック講座

週末は小川山で行なわれた「クライムオン!!2024」に行ってきた。イベントの詳細はこのHPに譲るとして、ぼくはクラッククライミング講座とブース出店での参加。クライミング講座はコロナ前から担当していたが、ブース出店を含めた参加は今年で3年目である。

クラック講座は土曜日に行なった。以前は「愛情物語(5.8)」「龍の子太郎(5.9)」「カサブランカ(5.10b)」がある妹岩で行なっていたが、昨年からは兄岩と弟岩にしている。クラック未経験者や初心者が基礎(主にハンドジャム)を学ぶのに適したクラックは、じつはなかなか見当たらない。「愛情物語」はあまりジャミングをしないし「龍の子太郎」はワイドクラックだ。「カサブランカ」は休日ともなると順番待ちになるしそもそも少し難しすぎる。クラシックな「小川山レイバック(5.9)」も混むだろうし、周りに適当なクラックがないので先行パーティーがいたときに潰しがきかない。そんななかでちょうど良いのが兄岩と弟岩なのである。

クライマーにはお馴染みの兄岩、弟岩、妹岩などという名前も、クライミングをしない人にとっては笑ってしまうネーミングかもしれない。岩の名前は、初めてその岩を見つけた人が名付けることが多いのだが、小川山の西股沢右岸には家族の名前をとった岩が立ち並んでいる。兄岩と弟岩は、金峰山荘前の沢を渡渉してすぐの場所にありアプローチが近い。兄岩には「Sunday(5.10a)」「八王子ルート(5.10a)」「マガジン(5.10a)」など易し目のクラックが何本かあるのだが、クラックが初めての方には「無名クラック(5.7)」がおすすめだ。長さは10mほどと短いが講習するにはそのほうが適しているし、ハンドからワイドハンドというサイズも取りつきやすい。ただし、上部に「マガジン」の取り付きがあるため落石が心配なのがマイナスポイントではある。弟岩の「ジョイフルジャム(5.7)」は岩峰の頂上まで登るロケーションが最高のクラックだ。弟岩自体は4ピッチのマルチピッチルートがあるほどの大きさなのだが、「ジョイフルジャム」は岩の裏側に位置し、10mほど登れば岩峰のてっぺんからの景色を堪能できる。サイズはオフフィンガーからハンド。「無名クラック」より手強いサイズだが、随所にホールドがあるので登りやすい。ホールドを使ったりクラック限定にしたりと、1本のルートでレベルに合わせてさまざまな登り方ができる。

朝10時に本部に集合、無事に渡渉をして兄岩へ。「無名クラック」は別パーティーが登っていたので「ジョイフルジャム」へ向かった。いつもは下からアドバイスをして講習を行なっているのだが、今回はフィックスロープを張ってユマーリングしながら行なうことにした。ジャミングの効かせ具合を見るのはなかなか難しい。ちょっとした位置や角度の違いで効いたり効かなかったりするからだ。

今回は6名が参加してくれた。30代の方が多く、マルチピッチに挑戦したいからクラックを登れるようになりたいということで申し込んでくれたそうだ。テーピングの貼り方からジャミングの基本的な考え方、方法を説明していると時間がかかる。結局1人2本程度しか登ることはできなかったのだけれど、クラックが全く初めての方もハンドはもちろんシンハンドも効かせられるようになり、すっかりクラックが好きになってくれたようだった。

「クラックは痛いから嫌だ」

そんな声をよく耳にする。けれど、ていねいにジャミングを決めればそこまで痛くはないはずだ。なにごともファーストインプレッションが大切である。この講座が、これからのクライミングライフへの新しい一歩となれたら幸いである。

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

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