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【災害発生時の心構え8カ条】アウトドアの視点で考える、災害対策の原則と基本|#知り続ける

登山やアウトドアの世界は、自己管理・自己完結・自己責任が大前提。不確定要素が内在する自然のなかでは、原理原則を軸に臨機応変に対応してくことが不可欠です。災害対策においても登山やアウトドアと同様な要素が多数あります。ここでは、原理原則を軸に目の前の事態に的確に対応するためのヒントや具体策の例を紹介します。

1.原理原則を軸に、的確な状況判断、
臨機応変な対応力、決断力・行動力が最重要

ロケットストーブ(左)と入手しやすい材料で作ったバイオトイレ(右)

登山やアウトドアでは、的確な状況判断のもと臨機応変な行動が常に要求されます。その理由は、自然というフィールドで楽しむアクティビティであるゆえ、ひとつ間違えれば生命の危険にさらされる可能性が高まるからです。自然災害時においても、このことは同様です。災害発生後にどんなリスクが生じるのか、即座にはわかりません。目の前で起こっている状況を的確に見極め、その後の臨機応変な対応・決断・行動をし続けることが重要になります。こうしたことができるよう、必要な準備や経験をできる限りしておいて下さい。

2.避難方法に万全・絶対はないと心得る。
過去のデータは参考に過ぎない

自然災害発生時は不確定要素が多分にある。的確な判断をしたうえで次の行動を

「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」という言葉があります。熱い汁物を食べて火傷をし、次に冷たいものを食べるときに息を吹きかけ冷まして食べる、という的外れな行動を諭す中国の故事成句です。自然には不確定要素が多分に内在しています。地震が起きたとき裏山に逃げて助かったとしても、台風や豪雨の際に裏山に逃げれば土砂崩れに見舞われるリスクが生じるわけです。

災害発生時は最善の選択をし続けることが不可欠です。日ごろからさまざまな状況をシミュレーションし、複数のバックアッププランを考えておくことが対応策のひとつとなるはずです。平時からの準備も重要です。

3.災害発生時、家族に会えないことを想定しておく

家族の居場所を共有できるアプリもある。上記は「LIFE360」

いつも使っている連絡方法は、災害時、多くの人が使おうとすることで機能しないことも想定されます。災害伝言板や171は、じつは使える人が少ないのです。でも、優先回線なので、お得な穴場かもしれません。

その他、Googleパーソンファインダーの使い方も知っておいてください。家族がケガをしていたり、通信手段がすべて機能しなくなると、連絡が取れないこともありえます。そんなときは、つねに家族の居場所がわかるGoogleマップでの現在地共有やアプリを利用していると、日常でも家族が学校や塾に着いたことがわかり、地震の際も直前の家族の居場所が追跡できます。そして、たとえ連絡が取れなくても、待ち合わせ場所と時間を3カ所以上決めておくというアナログな方法も災害時には必要です。

4.災害の種類によって、避難・集合場所を変える

避難場所はもちろん、集合時間を決めておくことも重要

避難が必要となる津波や火事、浸水、土砂災害、家屋の損壊といったことが起こった場合、災害ごとに避難場所は異なります。たとえば、津波避難に推奨される高台は、土砂災害の際には危険になっているかもしれません。地震で安全な避難場所が、洪水でも安全とは限りないのです。

災害別に家族がいる場所を決め(親戚や友人宅も含む)、会いにいく時間も決めておきます。時間を決めないと探し回ってしまいますので要注意です。さらに避難経路を安全にするためにも、通勤や通学路の危険を把握してください。

5.地震によって揺れ方が違う、
発生確率ほぼ0でも地震は起こりうる

日本は複数のプレートに囲まれている。地震の発生は、プレート付近に集中している

同じ震度でも、原因がプレートか活断層かにより、揺れ方は異なります。同じ地域の地震でも地盤や建物の構造により揺れ方が異なります。また、地震の発生確率がほぼ0といわれると安心しがちですが、名前がついた活断層は、全国で2000カ所以上あるといわれているものからとくに危険と厳選された200カ所です。明日、地震が起きてもおかしくないことが前提です。都市部では調査できないため、わからないことだけです。大阪北部地震後の気象庁会見ではM6.1クラスの地震は日本中どこでも起こることが強調されました。

安全神話がある地域は、かえって対策をとっていない危険な地域かもしれません。

6.揺れている最中には何かできるとは思わないほうがいい

震度6強以上の揺れであれば、人は自由に動けません。揺れている最中にドアノブはつかめません。「係員の指示に従ってください」というアナウンスも、揺れ始めから轟音で聞こえません。体が振り回されるので、ダンゴムシなどのポーズをとるのも難しい状況です。コンクリートの落下に対し、手で頭を守ろうとすることは幻想です。とっさにする行動の多くが無力で、事前の対策の有無で生死が分かれます。

常葉大学社会環境学部小村隆史准教授(災害図上訓練DIG考案者。DIGは日本における参加型防災ワークショップの事実上の標準形)は、「震度6弱のザコで騒ぐな!」「6弱地域は支援側!という心づもりを持て!」と述べています。「今日の日本社会、震度6弱以下の揺れで社会機能に深刻な障害が出るようでは困る」の言葉に共感します。

7.デマゴーグに振り回されない

災害が起きたときに、真偽のわからない情報が回ってきたら、まず「発信者は誰なのか」を確認しましょう。これが「知り合いから聞いた」とか「知人から回ってきた」というように、発信者が特定できないものだったら疑ってかかりましょう。語尾が「らしい」と伝聞調だったら、デマと考えて間違いありません。

また、熊本地震の際、「動物園からライオンが放たれた」というデマが拡散されましたが、写真を見れば、信号機や横断歩道が日本のものではないなど、不審な点は見つかります。災害時の情報は鵜呑みにせず、どこか不自然なところはないか、まずは冷静に考えて確認することが、デマに騙されないポイントです。

8.常に冷静な判断を&正常性バイアスに陥るな

災害発生時には、情報を始めさまざまなものが混乱する可能性が大。だからこそ、冷静に的確な判断行動を

災害時に心がけたいのは、まず「常に冷静な判断をする」ということ。慌てて非常口に殺到すれば、かえって流れが滞り、避難を遅らせてしまいます。もうひとつ知っておきたいのが、「正常性バイアス」という心理です。予期せぬ事態に遭遇したとき、自分にとって都合の悪いことを「そんなこと起きるわけがない」と直視しようとしない心理を「正常性バイアス」と言います。これは「多数派同調バイアス」と連動することが多く、周囲の人が逃げなければ自分も逃げないという行動を取り、避難を遅らせます。

そうならないためには、状況を正しく把握すること。目に見えるものだけではなく、音や匂いなど五感を動員して、「最悪」を想定した行動を取りましょう。

 

※この記事はランドネ特別編集 アウトドアで防災BOOKからの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。最新情報は気象庁HP、内閣府HP(防災情報)などをご確認ください

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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