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みんなの「防災バッグ」中身紹介/グミのヨーグルトムース|CAMMOCの「キャンプしてたら防災できた!」#19

キャンプの道具や知識には、防災に役立つものがたくさんあります。でも、いくら優れた道具を揃えても、電源や水道のないストイックなキャンプ経験があっても、災害時には全く経験したことのない様々な問題が襲いかかってくるでしょう。予期せぬ事態を目の前にした時、道具や知識がいつものように使えないかもしれません。

そんな悔しい思いをしないために、災害時に役立つ情報やすぐに使える収納方法など、ちょっとしたヒントを知っておくとあなたの知識や道具がもしもの時にぐっと頼もしいものになってくれるはずです。

この連載では、無理なく無駄なく楽しくできる「SDGs防災キャンプ」を提唱するCAMMOCの防災士資格を持つメンバーから、アウトドア好きの皆さんへ、もしもの時に役立つ情報とレシピをお届けします。

防災バッグは本当に必要?

災害発生時にまず守るべきはあなたの命です。自宅や職場に危険な箇所はないか、避難時はどこへ逃げればよいかなど、身の守り方を知ったうえで、生き延びるために必要な備えとして重要なのが「防災バッグ」です。

防災バッグとは、緊急避難時に持ち出すバッグのこと。防災リュックや非常持ち出し袋など呼び方は様々ですが、自身が生き延びるために必要な最低限の備えが入っているものです。

以前、外出時に持ち歩く備えとして”防災ポーチ(#15)“について紹介したように、今回もCAMMOCメンバー3人の防災バッグの中身を大公開しているのでぜひ合わせてご覧ください。

定期的に確認するのが大変……

私たちも以前そうでしたが、防災バッグを用意したけどこんな経験はありませんか?

□気付けば賞味期限が切れていた
□ウェットシートの水分がなくなりカピカピ
□ライトの電池や充電が切れている     など

せっかく用意してもいざというときに使えないのでは本末転倒!とはいえ、定期的に見直すのもなかなか大変……。

そこで、防災バッグもローリングストックできる環境作りをしてみませんか?たとえば、

■キャンプや旅行時のバッグと兼用し、準備の際に中身を入れ替えチェックする
→キャンプや旅行など楽しむための準備なら、気持ち的にも前向きに準備できませんか?防災バッグから行く先に合わせて中身を入れ替えれば、その都度チェックができます。

■目につく場所に置いておく
→すぐ持ち出し避難できるよう、玄関や出入口に置くのがベスト。いつでも目につく場所に置きたくなるようなお気に入りのバッグを選べば、見直すキッカケにつながります。

■食料品類のストック場所のひとつとして、防災バッグを使う
→お菓子箱の中身が減ったら防災バッグから追加したり、レトルト品は防災バッグに収納するなど、保管庫のひとつとして防災バッグを利用してみるのもおすすめです。

なにをどれくらい入れたらいいかわからない

防災バッグに入れるものとして、優先順位を決めていきましょう。

①自身が生きるために欠かせないモノ
(例:常備薬、眼鏡、医療機器、生理用品、オムツ、水など)

②外出時に必要となるモノ
(例:ライト、雨具、靴、着替え、抱っこ紐、子供のおもちゃなど)

③食料や衛生用品
(例:レトルト食品、お菓子、飲物、マスク、除菌シートなど)

これらを最低でも3日分と言われていますが、ハザードマップ(#12)災害リスク避難所までの経路を考慮した重さであることが重要です。津波や浸水の心配があり、高いところへの避難が必要となれば、リュック型で走れる重さにするなど目処がたちます。ただし一刻を争うような事態であれば、なにも持たずに安全なところへ避難してください。

自分の命を守るバッグ

宿泊を伴う登山をする際は、自然のなかで命をつなぐために必要なものを詰めたバックパックを背負い歩きます。それを何度も繰り返すうちに、「持って行っても使わなかったモノ」や「マニュアルには書いていないけど自分には欠かせないモノ」などに気付き、自然とモノの優先順位を付けながらパッキングできるようになった方も多いのではないでしょうか。

これは防災バッグを用意するうえでも重要な感覚です。

さらに登山のバッグも防災バッグも中身は「命を守るための必需品」。完璧な理想を詰め込んだバッグを用意できても、自分の体力以上のものを背負い歩くことは逆に危険であるということも共通しています。

私たち3人は共に防災活動をしていますが、防災バッグの組み立て方も中身も三者三様。そこには、これまでのアウトドア経験から「自分にとって何が大切か」に向き合った軌跡が反映されています。

これから紹介する防災バッグの中身は、私たちそれぞれの今のベストであり、自分や家族、そして環境の変化に応じてアップデートしていきます

防災バッグに何を入れてますか?

MAMI

バッグ▶THE NORTH FACE/W Tellus 42

選んだ理由▶︎10年以上前に購入して使い倒したバッグ。使用には全く問題ないが、だいぶ汚れが目立つので普段使用するバックパックを新調し、こちらを防災バックにしました。ショルダーとヒップのベルトが体にフィットして、長時間背負っても疲れにくい。 レインカバーがついており、雨が降ってきても安心です。

中身紹介

衛生用品:常備薬、救急セット、保湿剤、口内ケア類、マスク、ホッカイロ、アルミシート

トイレ類:携帯トイレ、トイレットペーパー、テッシュペーパー、生理用品、ゴム手袋、除菌シート、ペットシーツ、ビニール袋各種

食料:水、ジュース、レトルト食品、お菓子、割り箸

衣類:ヤッケ上下、下着、靴下、速乾タオル、手拭い、対切創グローブ

貴重品:小銭、お札、身分証・保険証コピー、テレホンカード、家族の写真、連絡先や通帳番号などのメモ

ツール類他:ライト、マルチツール、筆記用具、マステ、トーチ、アロマオイル

ポイント

・貴重品はショルダーポーチに入れ肌身離さず持ち歩けるようにし、その他はすべて中身が分かりやすいようにジップロックで仕分け管理している

・自分のもののみが入っている→子どもも自分の持ち物は自分のバッグで持つ

・出発時に追加で入れられるスペースを残している→このバッグひとつで必要最低限なものがまかなえる装備になっているが、いつも持ち歩いている防災ポーチを追加で入れればプラスで安心。更に状況に応じて愛犬用の防災セットも中に入れ、犬を入れたクレートを持って歩く(犬用セットも自分の防災バッグのすぐ隣に保管)

HAPI

バッグ▶KIU/ナイロンリップストップパッカブルバックパック

選んだ理由▶︎赤ちゃんを抱っこする可能性が高いので防災バッグはコンパクト、軽量、防水であることが決め手。着用したときに目立つように、普段使いでは選ばないようなカラーをあえて選択。チェストベルトが付いていないので、後付けしようと考えています。

中身紹介

衛生用品:常備薬、救急セット、口内ケア類、マスク、ホッカイロ、アルミシート

トイレ類:携帯トイレ、トイレットペーパー、生理用品、除菌ジェル、ビニール袋各種

食料:水、スポーツドリンク、お菓子

衣類:ダウンジャケット、靴下、速乾タオル、手拭い

ツール類他:ライト付きラジオ、マルチツール、筆記用具、おりがみ

ポイント

・非常時はマザーズバックとセットで持ち出す

・赤ちゃんに必要なもの、貴重品などはマザーズバッグに入れている

・今は赤ちゃんを抱っこしている可能性が高いので、動きやすいようにコンパクトさを重視し、中身は命が守れる最低限のものをチョイス

・可能な限り子供の分も用意している

・食料は子供が食べやすいものを多めに

AYA

バッグ▶ワークマン/ピックアップボストンキャリー

選んだ理由▶︎キャリーとしてひいたり、リュックとして背負うこともできるバッグ。住んでいる地域はハザードマップ上、水害や土砂などの危険性が低く、避難所まで徒歩3分と平らな道。そのため、重たくても負荷をかけずに転がせて、階段などではリュックとして背負えるバッグを選びました。

中身紹介

衛生用品:(ファスナーバッグにひとまとめ)常備薬、救急セット、保湿剤、口内ケア類、マスク、トイレ、虫刺され類、生理用品、ドライシャンプーなど

食料+調理道具:水、麺類、米、シングルバーナー、ガス缶、小鍋、シェラカップ、カトラリー、ラップ、ソフトウォータータンク

貴重品:小銭、お札、身分証・保険証コピー、テレホンカード、連絡先や通帳番号などのメモ

衣類:圧縮下着、グローブ、大判タオル

生活用品:エアマット、エアー枕、防水シート、洗濯袋、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ラジオ、折り畳みテーブル

ポイント

・ファスナーバッグにひとまとめにしている衛生用品類は、普段リビングに置いて救急箱として日常使い(避難時は防災バッグに入れる、またはそのまま持ち運ぶことも可能)

・4人家族でそれぞれ防災バッグを持ち、このキャリーバッグは私+家族共有分(衛生用品やバーナーなど)とし、夫と子供たちはそれぞれ必要なモノ+αの食料を常備

・旅行や出張の際に使うバッグでもあるため、その都度中身を入れ替えローリングストックをしながら備えている

唯一無二の防災バッグを育てよう

命を守るバッグを考える作業は、自分自身を心身共に見つめ直すことに繋がり、私たちはそんなところにも防災バッグ作りの面白さを感じています。

防災バッグに詰められる荷物は限られていますが、経験や知恵は無限大に詰め込むことができます。

生きることへの希望を込めた唯一無二の防災バッグを育てていきましょう。

今月のレシピ/グミのヨーグルトムース

子供が大好きなグミ。賞味期限が長いものもあったり、栄養が強化されているものもあったりと、非常食としてもおすすめです!そのまま食べてももちろん美味しいのですが、キャンプでもお子さんと一緒に簡単に作れる、グミのヨーグルトムースをご紹介します。

材料(90ccプリンカップ個分)

グミ      50g
ヨーグルト(加糖)  200g

作り方
① 小鍋にお湯を沸かし、グミをパッケージごと湯煎にかけます。

② 5分ほどでグミが溶けるので、鍋から取り出して溶けたグミを器にながし入れます。さらにヨーグルトを入れて素早くしっかりと混ぜます。

*グミが混ざりきらない場合は、器ごと湯煎にかけてしっかり混ぜ合わせる

③ クーラーボックスや冷蔵庫で1時間以上おき、しっかりと固めたらムースの出来上がり。

フルーツやグミ、クリームなどをトッピングして可愛くアレンジ!

クリエイターズユニットCAMMOC(キャンモック)

左から、三沢真実、三宅香菜子、内舘綾子
「キャンプのある暮らし」をテーマに地球の未来を創造するクリエイターズユニット。トータル撮影コーディネートやコンサルティング、キャンプをとおして自然と身につく知恵や道具でできる防災法「SDGs防災キャンプ」の提案を行なっている。アウトドアやフードロス、防災などの観点からドライフードに注目し、初著書「うまみがギュッ!干すだけ簡単 はじめてのドライフード(山と溪谷社)」全国書店にて絶賛発売中。
https://cammoc.com
www.instagram.com/cammoc

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PROFILE

キャンモック

キャンモック

「キャンプのある暮らし」をコンセプトに空間やフードのコーディネート、キャンプ撮影の監修、防災講演など、多数メディアで活躍するクリエイターズユニット。無理なく無駄なく楽しくできる「SDGs防災キャンプ」を提唱。 https://cammoc.com/

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