【欧州鉄道輪行の旅】ポーランド~ドイツ~スイス寝台列車で優雅に輪行してみた

ポーランドで開催された、アマチュア世界一を決めるグランフォンド世界選手権。編集部山口はその足でユーロバイクへ向かうために、ナイトジェットと呼ばれる寝台列車の旅を楽しんだ。海外での輪行、それも寝台列車での国境越え。その体験レポートをお伝えする。

ポーランドの世界選手権の余韻を楽しむ

今年の9月に開催されたアマチュアのロードレーサーの世界一を決める、グランフォンド世界選手権では、日本から参加の高岡亮寛さん、紺野元汰さんがそれぞれの年代で3位入賞をし、日本のアマチュアの存在を世界に示すことができた。

ポズナンの中心街はレースのコース脇を路面電車が走るほど、鉄道網が発達している。レースの翌日、自転車で街中を散策したが、カラフルな街並みがきれいなところだ

レースの夜、ライダーたちが街に繰り出すのも楽しい。今回、高岡選手は表彰式からそのままポズナンの中心街へ繰り出したため、メダルを持ち合わせていたが、レースをともに戦ったライダーたちにから祝福を受けていた。日本チームとしてこうした祝福は誇らしいところだ。世界選手権はカテゴリーが細かく分かれており、ほかのカテゴリーに抜かれたりするので、みんなの話を聞いているうちに、自分がどんな位置で走っていたのかがあとでわかるのも面白い。ともに食事を楽しみ、宿へと別れていく。普段の日本のレースではレースの後はすぐに帰ってしまうが、こうして余韻を楽しめるのもいい。

(右)40-44歳カテゴリーで3位の高岡亮寛さん、(左)19-34歳カテゴリーで3位の紺野元汰さんともに銅メダルを獲得し、その打ち上げをポズナン市街で楽しんだ

ポーランドからベルリンまでは食堂車を優雅に楽しむ

レース翌日はポズナンから、ドイツ、ベルリンへ戻り、夜行列車でスイス。チューリッヒ経由でユーロンバイク会場へと向かうことになった。

12:31 にEICでポズナン中央駅を出発し、鉄道旅が始まる。ベルリンからポズナンまで、行きの列車では早朝だったためあまり楽しめなかった鉄道の旅。今回は食堂車を利用してみた。せっかくなのでポーランド料理「ピエロギ」を頼んでみる。水餃子のように小麦のシートでひき肉をくるんだ料理で、それをスープで煮た感じだ。

日本ではほぼ見かけなくなってしまった食堂車を楽しむのも貴重な体験だ。駅弁を食べるのもいいけど、温かい食べものを優雅に楽しめるのがいい。そうこうしているうちに列車はポーランドからドイツへ

この日もユーレイルパスを使っての移動となる。3日間有効で3万4700円ほど(価格はレートにより変動。3日間連続でなくてもよく、日程を選べる)。ポズナンからベルリンの往復が120~140ユーロ(一等)さらに、寝台車がチューリッヒまで約250ユーロかかることを考えると割安だ。さらにユーレイルパスは日をまたぐ夜行列車を利用する場合、乗り始めた日のまま継続となる。このため、ポズナン~ベルリン~チューリッヒが1日で収まるのでさらにお得なのだ。

ユーレイルパスはヨーロッパ各国で使える鉄道パスで、グローバルパスを使えば国をまたいた旅行が可能だ。今回はフレキシの3日パスを使ったが、この場合、1か月有効でその期限内の任意で選んだ3日間使うことができる。1日は0:00から24:00まで有効で、列車に乗るごとにダイアリーにスタンプを押してもらう

ユーレイルパスについて詳しくはこちらへ

レイルヨーロッパ: www.raileurope.jp

ヨーロッパ鉄道公式ガイド: www.railguide.jp

ロッカーにトランクを置いて、ベルリンを自転車で観光

2時間半ほどで列車はベルリン東駅へ到着する。さらに寝台車「ナイトジェット」の出発時間は9時前なので、ベルリン市内をサイクリングすることにした。

まず、郊外電車でベルリン中央駅に向かいロッカーがあり、ここにはトランクを収納できる大型のロッカーもあるので、輪行袋をとトランクをしまい、自転車を組み立ててスタートする。

ベルリン中央駅のロッカーには輪行袋オーストリッチOS500とトランクをしまっても余裕があるくらい大きい

中央駅のまわり3㎞ほどのエリアには、ティーアガルテンの戦勝記念塔があるロータリー。さらにブランデンブルク門などを見ることができる。歩くにはちょっときつい距離だが、自転車でまわるにはちょうどよい。ベルリンでもシェアサイクルはあたりまえとなっており、これらを利用する手もありだろう。

高さ67mの塔がロータリーの中央に聳え立つ。自転車ならばローターをまわりながら眺めることができる

東西冷戦時代はベルリンの壁を象徴していたブランデンブルク門。このあたりは観光客でにぎわう

いよいよ寝台車ナイトジェットへ! 自転車とベッドを共にする⁉

じつはドイツやスイスではなく、オーストラリア国鉄QBBが運営し、ヨーロッパの周辺国まで網羅している。ヨーロッパでもフランスのTGVはじめ各国の高速列車の登場により夜行列車は廃止する流れが続いていたが、今回のナイトジェットように寝台列車で鉄道旅を楽しめることから人気を博しているという。

今回利用するのはベルリン発のチューリッヒ行きは寝台車ナイトジェットを利用する。列車は9:07にベルリン中央駅を出発する。この日はここが始発駅となる

列車は2階建てになっており、左が山口も利用した下側、右が上側になる。一等寝台、1つのコンパートメントにはそれぞれ2段ベッドがあり、2人利用できる

編集部山口が利用したのは、ドイツのベルリン中央駅から、スイスのチューリッヒ中央駅まで。車両は一等寝台で、1人分で、2人分のベッドがあるコンパートメントを利用できる。そのため輪行袋を部屋に収めることができるので、盗難の心配もない。部屋は鍵のかけられる個室で、小さい洗面台もある。ウェルカムドリンクもついているほか、スリッパなどのアメニティーもある。寝台車なのでベッドもあり、飛行機ならばビジネスクラスのおもてなしという感じだ。このほかにも2等寝台や座席の車両もある。

ウエルカムドリンクと軽食のほか、スリッパとタオルなどのアメニティグッズも用意されている

コンパートメントはカギがかけられるので、気兼ねすることなくくつろぐことができる。2等には6人利用の寝台もあるが、自転車をもっていくなら1等2段ベッドを利用するのがおススメだ。輪行袋は上段に置けるので盗難の心配もない

朝食をいただいたら、スイス国境を越えて到着

列車が出発すると車掌がやってきて、チケットのチェックとあわせて翌朝の朝食のオーダーを取りに来る。ここでユーレイルパスをチェックする。電気の消し方や、洗面台の使い方などわからないことを聞いたら丁寧に教えてもらえた。まるでキャンピングカーの中の隠し道具を使いこなすみたいで楽しめる感じだ。

ウエルカムドリンクのおかげで横になってすぐに寝てしまう。おかげでぐっすり眠ることができた。気が付くとまわりは明るくなってくると、ドイツとスイスの国境の駅バーゼルに到着する。

列車はベルリン中央駅を出発し、フランクフルト、フライブルグ、バーゼルを経由してチューリッヒへ向かう

寝台車は2階建てで、今回利用したのは下の部屋だったため、駅に着くとホーム下から上を見ることになる。夜の車窓からのながめも楽しいが、シェードを閉めずにて寝てしまうと、途中で止まるホームから部屋の中が見えてしまうので注意が必要だ(笑)

スイス国境を越えるタイミングで朝食が出てきた。コーヒーやパン、ハム、チーズ、ヨーグルトなどが選べる

ここまでくるとチューリッヒまではあと少しだ。朝ごはんまだかな? と思っている7時に昨晩頼んでおいた朝食がやってきた。そうこうしていると、アッというまにチューリッヒ中央駅に到着してしまった。終着点まで乗っているだけでよかったので、安心しすぎていた。あわてて通路に輪行袋とトランクを押し出し、列車を後にした。

いままでヨーロッパで飛行機とクルマでの移動はあったが、憧れの寝台車で輪行旅できたのはいい体験だった。ナイトジェットはオーストリアを中心に、イタリア、さらに2020年のジロ・デ・イタリアのスタートとなるブダペストまで行くこともできる。また機会があればぜひ利用したいな~。

チューリッヒ中央駅に着くと、ベルリンでの出発時よりもいろいろな車両が連結されて増えていることに気がついた

SHARE

PROFILE

山口博久

BiCYCLE CLUB編集部

山口博久

バイシクルクラブ副編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で 入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。ただ、44歳を迎えた現在では体力の衰えをカバーしつつも、ロードレースやグランフォンドを楽しむため機材や身体のケアを研究している

山口博久の記事一覧

バイシクルクラブ副編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で 入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。ただ、44歳を迎えた現在では体力の衰えをカバーしつつも、ロードレースやグランフォンドを楽しむため機材や身体のケアを研究している

山口博久の記事一覧

BiCYCLE CLUB TOPへ

No more pages to load