MERIDA(メリダ)・スクルトゥーラチーム|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2021年12月21日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 新城幸也が所属するワールドツアーチーム、バーレーン・ヴィクトリアスが使用するメリダから、新たに登場した「MERIDA・SCULTURA TEAM(メリダ・スクルトゥーラ チーム)」を、ベテランライダーの管 洋介がテスト!
新城幸也が乗るモデルとまったく同じ
メリダはワールドツアーチーム、バーレーン・ヴィクトリアスにフレームを供給しており、東京五輪で自転車競技ロードレースの日本代表選手となった新城幸也もこのメリダのバイクでレースを走っている。台湾にヘッドクォーターを置き、ドイツでスポーツバイクの開発を進めるブランドとして世界で確かな地位を築いたメリダが、5世代めオールラウンドレーサーとして世に送り出したモデルでもある。
2021年シーズン途中、ブエルタ・ア・エスパーニャでこの新型スクルトゥーラCF5フレームの供給を受けた新城は「ひとことで言うと速い! 軽くて速い! それに尽きる」とその乗り味を気に入り、すぐさま乗り換えたという。
その評価のとおり新型スクルトゥーラは、Sサイズで7㎏以下の軽量モデルありながらシリーズ史上最高の空力性能と、長いレースで体力を温存するための快適性を持ち合わせている。
新型スクルトゥーラはケーブル類を完全に内装した一体化コックピット、ヘッドチューブとフォークの形状変更、そしてシートステーの取り付け位置を下げるなどのフレームの改良により空力性能を大幅に高め、前モデルに比べ45 ㎞/h 走行時の空気抵抗を10W ほど削減している。さらにシートステーの取り付け位置を下げることで、シートポストをより露出させることで「しなる設計」とし、快適性を向上させている。まさにオールラウンダーバイクならではの俊敏な走りを実現するための一台となっている。
このほかのトピックとしてはハンドルバーの進化が挙げられる。前作でもカーボンハンドルバーを採用していたが、今作ではさらにエアロや握りやすさ、軽さを突き詰めたオリジナルモデルを採用。完成車としての一体感がより高められている。
新城の相棒として、ブエルタ・ア・エスパーニャでも最高のパフォーマンスを発揮した一台。真のオールラウンダーとしてさらに磨きがかけられた。
より一体化されたオリジナルパーツやシステム
メリダ
スクルトゥーラ チーム
132万円(完成車)
SPEC
■フレーム:スクルトゥーラCF5 V ■フォーク:スクルトゥーラCF5ディスク ■サイズ:XXS(44)、XS(46)、S(48)、M(50) ■カラー:レッド/ブラック ■ホイール:ヴィジョン・メトロン45SLクリンチャーディスクチューブレスレディ ■タイヤ:コンチネンタル・グランプリ5000Sチューブレスレディ 700×28C ■コンポーネント:シマノ・デュラエースDi2 ■ハンドル&ステム:メリダチームSL 1P インテグレーテッド ■重量:6.87㎏(S)※ペダルレス/本誌実測
高速域にすぐ到達し、スピード維持能力も高い!
管 洋介がインプレッション
非常にエアロダイナミクスに優れていて、低トルクでハイスピードに到達する推進力の高さが特徴的だ。スピード維持能力の高さはリアクト譲りで、ギリギリまで距離を詰めたチェーンステーはビビットな駆動力を生み出す後輪追従性を持ち合わせている。フォークの横剛性が高く、車輪の軸をしっかりつかんだコントロール性能は、コーナリングでの安定感を遺憾なく発揮。またブレーキクーラーの大きさにコントロール性能への信頼感がおける。
ケーブルフル内装のスッキリとしたオリジナルハンドルバーは、握った際のサイズ感が日本人の手の平サイズにぴったりな設計だ。ツール・ド・おきなわのような平地の速さも決め手になる上りのレースではライバルに大きくアドバンテージを稼げる車体だ。
インプレッションライダー
管 洋介
バイシクルクラブおなじみのインプレッションライダー。スポーツ自転車の講師、チーム監督、フォトグラファー、ライターとさまざまな面でかかわるマルチライダー。身長168cm。
問:メリダジャパン
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