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ユンボ・ヴィスマの奇襲はまる! ワン・ツー・スリー決める最高のスタート|パリ~ニース

ロードレース最高峰「UCIワールドツアー」のステージレースとしては、ヨーロッパ第一弾のパリ~ニースが現地3月6日に開幕。平坦コースが設定された第1ステージでは、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)らを擁するユンボ・ヴィスマが終盤に奇襲戦法でライバルを圧倒。最後はユンボ勢3人が逃げ切る形となり、クリストフ・ラポルト(フランス)がステージ優勝。個人総合初優勝を目指すログリッチも同タイムの2位に続き、最高のスタートを切っている。

奇襲のきっかけつくったラポルトはUCIワールドツアー初勝利

1月末のレースシーズン開幕以来、ヨーロッパ各地や中東で行われてきたトップクラスのレースは、いよいよ本場である地域へと集約される。その皮切りともいえるのが、パリ~ニースだ。別名“太陽へ向かうレース”。寒いフランス北部をスタートし、8日間かけて南仏ニースを目指していく。“ミニ・ツール・ド・フランス”との呼び名もあり、実際にツールの頂点を目指す選手が予行演習の一発目として臨むのも定番。総合力が試されるステージレースは、今回が第80回の記念大会でもある。

まず大会初日は、パリ郊外のマント=ラ=ヴィルを発着とする160kmのルートが設定された。平坦コースにカテゴライズされるが、前後半それぞれ要所に3級山岳の上りが置かれているあたりがアクセント。実際にこの日のレースでは、これらのポイントが大きな意味を持つこととなる。

マシュー・ホームズ(ロット・スーダル、イギリス)とアイメ・デヘント(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、ベルギー)のアタックで始まったレースは、この2人が2分ほどのリードで進行。しばし淡々と進んでいく。ただ、風の影響か、フィニッシュまで100kmを切ったあたりから各チームが隊列を組んで集団内でのポジション確保に走り始めたこともあり、自然と前の2人との差は縮小。結局、73kmを残した状態でいったん振り出しに戻ることとなる。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

それからは一団のまま進んだが、残り47kmとなったタイミングでフレデリック・フリソン(ロット・スーダル、ベルギー)がアタック。ここにアレクシー・グジャール(B&Bホテルズ KTM、フランス)とエフゲニー・フェドロフ(アスタナカザクスタン チーム、カザフスタン)が追随。そのまま3人逃げの態勢とすると、集団に対して1分ほどの差を得てマント=ラ=ヴィルを基点とする終盤の周回コースへと入った。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

さすがにメイン集団も先頭3人を射程圏から外すことはなく、タイム差調整をしながら残り距離を減らしていく。そして残り11kmで労せずキャッチすると、これを合図にギヤをトップに入れたのがユンボ・ヴィスマだった。

アシスト陣が一気にペースアップを図ると、このステージの優勝候補だったソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)が脱落。集団を縦長にしてステージ最後の3級山岳に入ると、今度はラポルトが猛然と牽引してチームメートのログリッチとワウト・ファンアールト(ベルギー)を引き上げる。これによって集団の前後問わず各所で中切れが発生。プロトンはラポルト、ログリッチ、ファンアールトのユンボ勢3人を逃がす格好となった。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

こうなると、巡航力がある3人の力の見せどころ。チームTT状態で先頭交代のローテーションを繰り返して後続との差を広げていく。下りでは時速60kmを超えるスピードで突き進んでいく。そのまま優勢を保って残り1km。フラムルージュでは23秒差として、最終局面を迎えた。

最後まで態勢を維持した3人。引っ張っていたログリッチが最後の直線でラポルトに先頭を譲り、そのままフィニッシュへ。ラポルト、ログリッチ、ファンアールトの順で、ユンボ・ヴィスマがワン・ツー・スリーフィニッシュを達成。29歳のラポルトはUCIワールドツアー初勝利を挙げた。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

今大会を迎えるにあたり、「ログリッチでの総合狙い」を明確にしていたユンボ・ヴィスマ。初日に奇襲攻撃を決める先制パンチ。後続に20秒前後の差をつけたばかりか、総合エースのログリッチはステージ2位のボーナスタイム6秒をきっちり確保。先々を見据えても優位な状況を作り出している。

このほかの有力選手は多くが22秒差で終えたメイン集団に入ったが、前々回・前回と2連覇しているマキシミリアン・シャフマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)はさらに後ろの36秒差のグループで第1ステージを終了。今後の戦い方はいかに。

7日に行われる第2ステージから、プロトンは本格的に南下を開始。オウファルジからオルレアンまでの159kmに設定されるコースは、序盤にある2つの3級山岳以外はフラットな設計。第1ステージでスプリントの機会を逸した選手たちにとっては、リベンジの舞台となる。

ステージ優勝、個人総合時間賞、ポイント賞 クリストフ・ラポルト コメント

©︎ A.S.O./Alex Broadway

「この展開はさすがに予定していなかった。プリモシュ(ログリッチ)とワウト(ファンアールト)が良いポジションにいることを確認して、思い切ってペースを上げた。私の前にネイサン(ファンホーイドンク)が良いテンポを作ってくれて、集団が縦長になった。チームは流れをつかんでいたし、ネイサンの後をどうするかは私次第だった。

プリモシュが私の真後ろについてくれていたが、実は彼がそこにポジショニングしていることに気づいていなかった。後ろを引き離してからは、プリモシュとワウトについていくのが精いっぱい。限界を超えていたが、我慢した先に信じられない結果が待っていた。最後の1kmでワウトが声をかけてくれて、ステージ優勝させてもらうことが決まった。

これは彼らからの素晴らしいプレゼントだと思うし、記念すべきパリ~ニースのマイヨジョーヌに手が届いた。2月以降、家族と離れて過ごしてきたが、チームのために集中してきて本当に良かった。明日からの目標は、プリモシュを常に好位置で走らせること。チームには優先順位があって、プリモシュが第一なんだ」

パリ~ニース2022 第1ステージ結果

ステージ結果

1 クリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィスマ、フランス) 3:48’38”
2 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)ST
3 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)
4 ピエール・ラトゥール(トタルエナジーズ、フランス)+0’19”
5 マッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード、デンマーク)+0’22”
6 ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エリトリア)ST
7 イヴァン・ガルシア(モビスター チーム、スペイン)
8 フレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス、イギリス)
9 ヤスパー・フィリプセン(アルペシン・フェニックス、ベルギー)
10 フロリアン・セネシャル(クイックステップ・アルファヴィニル、フランス)

個人総合時間賞

1 クリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィスマ、フランス) 3:48’38”
2 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)+0’04”
3 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)+0’06”
4 ピエール・ラトゥール(トタルエナジーズ、フランス)+0’29”
5 マッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード、デンマーク)+0’32”
6 ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エリトリア)ST
7 イヴァン・ガルシア(モビスター チーム、スペイン)
8 フレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス、イギリス)
9 ヤスパー・フィリプセン(アルペシン・フェニックス、ベルギー)
10 フロリアン・セネシャル(クイックステップ・アルファヴィニル、フランス)

ポイント賞

クリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィスマ、フランス)

山岳賞

マシュー・ホームズ(ロット・スーダル、イギリス)

ヤングライダー賞

ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エリトリア)

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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