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ユンボ・ヴィスマが圧巻のワンツー、新城はアシストとして奮闘|E3サクソバンククラシック

ベルギー北部・フランドル地方を舞台とする「北のクラシック」の1つ、E3サクソバンククラシックが現地3月25日に開催された。複数の石畳区間や急坂が組み込まれたレースは、名所の1つであるパテルベルグで仕掛けたワウト・ファンアールト(ベルギー)とクリストフ・ラポルト(フランス)の2人が集団から完全に抜け出し、そのまま二人旅。ライバルの追撃を許さず、そのままワンツーフィニッシュを達成。正式結果は、ファンアールトの優勝となった。

パリ~ニース第1ステージの再現、ワウト勝利にフランドリアン熱狂

今年で64回目を迎える大会は、パテルベルグやオウデ・クワレモントといったフランドルクラシックにおける勝負どころが多数採用されることから、“ロンド・ファン・フラーンデレン前哨戦”とも言われる。実際にロンドで使われるものと部分的に同じルートを走ることから、「E3とロンドの関係性」は古くから強いものがあると捉えられている。過去の優勝者にはトム・ボーネン(ベルギー)やファビアン・カンチェラーラ(スイス)も名もあり、彼らもロンドやパリ~ルーベを制覇へ向けて、この大会から勢いづいた選手たち。2012年からUCIワールドツアーの1つとなり、そのプライオリティは年々高まっている。

ハーレルベークを発着する203.9kmのコースには、石畳と急坂合わせて17のセクションがあり、選手たちはパワーとスキルが試される。今大会も、決定的な局面は急坂セクションで起こることとなる。

リアルスタート以降逃げ狙いのアタックが散発したが、60kmほど進んだポイントで7人が抜け出すことに成功。ただ、集団に対して大きなリードを奪えたわけではなく、常に射程圏内にとらえられながら先行を続ける状態が続いた。

©︎ Lotto Soudal

着々と残り距離を減らすプロトンに変化が見られたのは、フィニッシュまで約80kmとなったタイミングで訪れた急坂区間ターイエンベルグ(登坂距離0.7km、平均勾配6.6%、最大勾配8.0%)。メイン集団の先頭にファンアールトが出て一気にスピードを上げると集団はあっという間に分裂。ここに追随できたのは6人だけ。精鋭グループはそのまま後続を振り切る姿勢を見せ、やがて先頭グループにも合流した。

©︎ Jumbo-Visma

この間、精鋭グループではティシュ・ベノート(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)や前回覇者のカスパー・アスグリーン(クイックステップ・アルファヴィニル、デンマーク)らがアタックを試みて活性化を図る。後ろからは、ヨナタン・ナルバエス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)らがブリッジを成功させて先頭に合流。改めて18人が先頭グループを形成した。

驚愕のシーンは、残り42kmで迎えた急坂パテルベルグ(0.4km、9%、12.2%)で訪れる。上りの入口でファンアールトが最前線に出ると、勾配が厳しくなる中腹でさらにスピードアップ。これをフォローできたのはチームメートのラポルトただ1人で、あとは誰も続けない。こうなると、ユンボ勢2人は逃げあるのみ。先のパリ~ニース第1ステージの再現とばかりに、ファンアールトとラポルトは先頭交代を繰り返しながら後続との差を広げていった。

例年だと最大の勝負どころとなるオウデ・クワレモント(2.1km、4.2%、10%)も、2人の態勢に変化はなし。ときおりラポルトが苦しそうなそぶりを見せるが、ファンアールトがペースをコントロールしながらセクションをクリアすると、また両者の先頭交代へとシフト。やがて後続との差は2分近くまで広がり、このまま逃げ切るのは確実となった。

©︎ Jumbo-Visma

その後も二人旅を続けたファンアールトとラポルト。最後の1kmは何度も手を取り、肩を組んで喜び合いながらのウイニングライド。もちろん、2人並んでのワンツーフィニッシュ達成となった。

正式な結果は、ファンアールトが1位でラポルトが2位。地元タイトルがかかっていたファンアールトが譲られる形で先着した。レース後の表彰式では、フランドルの大スターが勝ったことで会場は大熱狂。ベルギー国歌も大合唱もあり、地元ファンには最高の1日になった。

©︎ Jumbo-Visma

なお、3位争いは8人のパックで最終局面を迎え、フィニッシュ前数百メートルからアタックしたシュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)が表彰台の一角を確保した。

大会直前のメンバー入りで久々のE3出場となった新城は、アシストの役目を果たしたのち、完走を目指すグループで走行。97位でレースを終えた。チームはエースのマテイ・モホリッチ(スロベニア)を前線へと送り込み、最終的に4位に入線した。

フランドル地方でのクラシックレースは、現地27日にヘント~ウェヴェルヘムが開催される。スプリンターが勝つか、はたまたパヴェ巧者が勝負どころで動いて流れを呼び込むか、見どころ満載の戦いが繰り広げられる。

E3サクソバンククラシック優勝 ワウト・ファンアールト コメント

©︎ Jumbo-Visma

「チームみんなの勝利だ。本当に最高のチームパフォーマンスだった。プランとしては、クリストフ(ラポルト)とパテルベルグまでに勝負できる状況を作り出すことだった。チームみんなが良い働きをしてくれたおかげで、それが可能になったし、冷静に動くことができた。

クリストフと2人になったことがわかったのは、パテルベルグの頂上。その後は逃げるだけで、何の迷いもなかった。急坂区間で後ろのグループが苦戦していることを把握していたし、そのグループにはティシュ(ベノート)が控えていたのでまったく不安はなかった。

(ラポルトと)どちらが先着するかの話し合いはしていない。譲ってくれたクリストフに感謝している。個人的にはこれが望んでいた勝ち方だったし、それを実現させてくれたチームが誇らしい。このようなレースができれば、チームの誰もに勝てるチャンスが訪れると考えている」

E3サクソバンククラシック2022 結果

1 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー) 4:38’04”
2 クリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィスマ、フランス)ST
3 シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)+1’35”
4 マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)+1’36”
5 ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エリトリア)ST
6 ヨナタン・ナルバエス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)
7 ヴァランタン・マデュアス(グルパマ・エフデジ、フランス)
8 ディラン・ファンバーレ(イネオス・グレナディアーズ、オランダ)
9 ティシュ・ベノート(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)
10 カスパー・アスグリーン(クイックステップ・アルファヴィニル、デンマーク)
97 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+12’28”

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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