BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

フィニッシュ手前で差し切ったゴデュが勝利、総合首位は再びワウトへ|クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ

ツール・ド・フランス前哨戦、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネは現地6月7日、第3ステージが実施された。2級山岳頂上へ向かってプロトンは27人に絞られ、最後は上りスプリントでの勝負に。ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)をギリギリでかわしたダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)がステージ優勝を飾った。勝利を目前で逃したファンアールトだが、2日ぶりにマイヨジョーヌを手にしている。

ワウト勝利確信もゴデュが差し切る

開幕から3日続けての丘陵コース。この日が前の2日間と異なるのは、フィニッシュが2級山岳の頂上に設けられている点。96.9km地点に置かれる中間スプリントポイントを通過してからはほぼ上り通しで、フィニッシュ前の6.2kmは平均勾配5.6%。最後の200mは8.1%の勾配を一気に駆け上がる。本格的な山岳コースではないものの、総合成績を意識する選手・チームとしては取りこぼしを避けねばならない1日といえる。なお、レース距離はサン=ポーリアンからシャストレ・サンシーまでの169kmに設定される。

迎えたレースは、まず4選手の逃げで幕開け。早々に3分近いリードを得たものの、やがて1人が集団へ戻ることを選択。代わってメイン集団から山岳賞ジャージを着るピエール・ロラン(フランス)らB&Bホテルズ KTM勢3人が追走を開始。チームは序盤からの逃げにセバスティアン・シェーンベルガー(オーストリア)を送り込んでおり、ロランたちの合流によってB&Bホテルズ KTM勢が4人先行するイレギュラーな状況が発生した。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

中間スプリントポイントはロランが1位通過し、上り基調に代わっていくと、前を走るB&Bホテルズ KTM勢のうちアレクシー・グジャール(フランス)とミゲル・ハイデマン(ドイツ)が後退。また、トマ・シャンピオン(コフィディス、フランス)も逃げグループから遅れ、先頭は3人に。メイン集団はユンボ・ヴィスマの牽引によってペースを徐々に上げて、フィニッシュまで25kmを残した段階で約1分30秒差にまで迫る。その後もタイム差は縮まる一方で、先行する選手たちを射程圏内に捉えながら、レース終盤に入っていった。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

この間、4級山岳をロランが1位で通過し山岳ポイントを伸ばし、さらにショーンベルガーとヨナス・グレゴー(ウノエックス・プロサイクリング チーム、ノルウェー)が逃げ続けたが、最後の上りに入ったところでついにメイン集団が彼らをキャッチ。数人がアタックを試みたが、いずれも決定打にはならず、ユンボ・ヴィスマのコントロールで集団の絞り込みが本格化する。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

こうした中、残り2.5kmで前日勝利でマイヨジョーヌを着るアレクシー・ヴィエルモ(トタルエナジーズ、フランス)が集団から脱落。続々と集団から下がっていく選手が現れ、30人ほどまで絞られた状態で最後の上りフィニッシュへと突入していった。

残り1kmを前に一度は集団後方に下がりかけたファンアールトだったが、ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)の引き戻しによって2番手まで浮上。絶好のポジションからスプリントを開始すると、そのままトップで最後の直線を迎える。このまま勝利へ突き進むかと見られたが、勝ちを確信し手を挙げようかというところで脇からゴデュがハンドルを投げて逆転。タイヤ半分の差でかわしたゴデュがステージ優勝となった。

ツールでは個人総合上位を狙うゴデュが、前哨戦で順調な仕上がりをアピール。この日は集団後方を走るシーンも見られたが、上りスプリントで抜群の伸びを見せて強さを示してみせた。

一方、思いがけない形で勝ち星を落とし頭を抱えたファンアールトだが、前日までの総合タイムとフィニッシュでのボーナスタイムが生きて、2日ぶりに個人総合首位に浮上。マイヨジョーヌで翌日に控える得意の個人タイムトライアルへ向かうことになった。

個人総合はファンアールト以下、6秒差でゴデュが続き、3位にはステージ3位に入ったヴィクトル・ラフェ(コフィディス、フランス)が12秒差。さらに26位までの選手たちが16秒差でひしめいており、個人タイムトライアルで次なる局面へと移っていくことになる。

個の能力が試される第4ステージは31.9kmに設定され、レイアウト的にはほぼフラット。おおむね南から北へと進むルートだが、ところどころでテクニカルなコーナーが待ち受け、各選手の技術も試されることになる。風向き次第ではあるものの、平均時速50kmを超えるようなハイレベルな戦いが期待される。

ステージ優勝 ダヴィド・ゴデュ コメント

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

「最終局面は後方に位置していたため、スプリントは難しいと思った。ただ、ケヴィン・ゲニエッツ(ルクセンブルク)が引き上げてくれたのと、余力を感じていたのでファンアールトを追おうとトライした。今年は特に勝ちを意識して走ってきたので、この結果は本当にうれしい。苦しかった時期もあったが、それを乗り越えていまは状態はとても良い。週末のステージが楽しみだ」

個人総合首位 ワウト・ファンアールト コメント

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

「1日を通してチームがコントロールしてくれたのに、こんな結果になり申し訳ない。スプリントでは自分の左にいたコフィディスの選手(ラフェ)に並ばれることがなかったので、勝ったと確信していた。ただ、まさかダヴィド(ゴデュ)があんなに伸びてくるとは思わなかった。明日の個人タイムトライアルはきっとうまくいくと思う。でもやっぱり今日の結果は悔しい。明日はこんなことは起きないはずなので、あとは勝てれば最高だ」

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2022 第3ステージ結果

ステージ結果

1 ダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス) 4:09’34”
2 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)ST
3 ヴィクトル・ラフェ(コフィディス、フランス)
4 ルーベン・ゲレイロ(EFエデュケーション・イージーポスト、ポルトガル)
5 ケヴィン・ゲニエッツ(グルパマ・エフデジ、ルクセンブルク)
6 ニック・シュルツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、オーストラリア)
7 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)
8 ディラン・トゥーンス(バーレーン・ヴィクトリアス、ベルギー)
9 マッテオ・ヨルゲンセン(モビスター チーム、アメリカ)
10 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ、アメリカ)

個人総合時間賞

1 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー) 12:50’32”
2 ダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)+0’06”
3 ヴィクトル・ラフェ(コフィディス、フランス)+0’12”
4 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)+0’16”
5 マッテオ・ヨルゲンセン(モビスター チーム、アメリカ)ST
6 ルーベン・ゲレイロ(EFエデュケーション・イージーポスト、ポルトガル)
7 エステバン・チャベス(EFエデュケーション・イージーポスト、コロンビア)
8 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)
9 ステフ・クラス(ロット・スーダル、ベルギー)
10 ベン・オコーナー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、オーストラリア)

ポイント賞

ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)

山岳賞

ピエール・ロラン(B&Bホテルズ KTM、フランス)

ヤングライダー賞

マッテオ・ヨルゲンセン(モビスター チーム、アメリカ)

SHARE

PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

No more pages to load